北海道大学 1978年 理系 第4問 解説

方針・初手
(1) 2個のさいころの目の出方は $6 \times 6 = 36$ 通りであり、これらは同様に確からしい。出た目の数の差 $X$ のとり得る値は $0, 1, 2, 3, 4, 5$ である。それぞれの値をとる確率を計算して確率分布を求め、期待値 $E(X)$ と分散 $V(X)$ の定義に従って計算する。
(2) 1回の試行で $X$ が奇数となる確率を求める。その後、反復試行の確率の公式を用いて、7回のうち3回以上その事象が起こる確率を計算する。
解法1
(1) 2個のさいころを投げたときの目の出方は $36$ 通りある。 $X$ がそれぞれの値をとる事象の数と確率は以下の通りである。
- $X = 0$ となるのは、$(1, 1), (2, 2), \dots, (6, 6)$ の $6$ 通り。
- $X = 1$ となるのは、$(1, 2), (2, 3), \dots, (5, 6)$ とその逆の計 $5 \times 2 = 10$ 通り。
- $X = 2$ となるのは、$(1, 3), (2, 4), \dots, (4, 6)$ とその逆の計 $4 \times 2 = 8$ 通り。
- $X = 3$ となるのは、$(1, 4), (2, 5), (3, 6)$ とその逆の計 $3 \times 2 = 6$ 通り。
- $X = 4$ となるのは、$(1, 5), (2, 6)$ とその逆の計 $2 \times 2 = 4$ 通り。
- $X = 5$ となるのは、$(1, 6)$ とその逆の計 $1 \times 2 = 2$ 通り。
したがって、$X$ の期待値 $E(X)$ は
$$ E(X) = 0 \cdot \frac{6}{36} + 1 \cdot \frac{10}{36} + 2 \cdot \frac{8}{36} + 3 \cdot \frac{6}{36} + 4 \cdot \frac{4}{36} + 5 \cdot \frac{2}{36} $$
$$ E(X) = \frac{0 + 10 + 16 + 18 + 16 + 10}{36} = \frac{70}{36} = \frac{35}{18} $$
次に、分散 $V(X)$ を求めるために $X^2$ の期待値 $E(X^2)$ を計算する。
$$ E(X^2) = 0^2 \cdot \frac{6}{36} + 1^2 \cdot \frac{10}{36} + 2^2 \cdot \frac{8}{36} + 3^2 \cdot \frac{6}{36} + 4^2 \cdot \frac{4}{36} + 5^2 \cdot \frac{2}{36} $$
$$ E(X^2) = \frac{0 + 10 + 32 + 54 + 64 + 50}{36} = \frac{210}{36} = \frac{35}{6} $$
分散 $V(X) = E(X^2) - \{E(X)\}^2$ より
$$ V(X) = \frac{35}{6} - \left( \frac{35}{18} \right)^2 = \frac{35 \times 54}{324} - \frac{1225}{324} $$
$$ V(X) = \frac{1890 - 1225}{324} = \frac{665}{324} $$
(2) 1回の試行で $X$ が奇数となるのは、$X = 1, 3, 5$ のときである。その確率は (1) で求めた確率の和であるから
$$ \frac{10}{36} + \frac{6}{36} + \frac{2}{36} = \frac{18}{36} = \frac{1}{2} $$
(※ $X$ が奇数となるのは、出た2つの目の偶奇が異なる場合である。したがって、偶数と奇数、奇数と偶数が出る確率として $\frac{3 \times 3 \times 2}{36} = \frac{1}{2}$ と求めてもよい。)
7回の試行のうち、$X$ が奇数となる事象が3回以上起こる確率を求める。 反復試行の確率の公式より、求める確率は
$$ \sum_{k=3}^{7} {}_7\mathrm{C}_k \left( \frac{1}{2} \right)^k \left( 1 - \frac{1}{2} \right)^{7-k} = \left( \frac{1}{2} \right)^7 \sum_{k=3}^{7} {}_7\mathrm{C}_k $$
括弧内の組み合わせの和を計算すると
$$ {}_7\mathrm{C}_3 + {}_7\mathrm{C}_4 + {}_7\mathrm{C}_5 + {}_7\mathrm{C}_6 + {}_7\mathrm{C}_7 = 35 + 35 + 21 + 7 + 1 = 99 $$
よって、求める確率は
$$ \frac{99}{2^7} = \frac{99}{128} $$
解説
(1) は離散型確率変数の期待値と分散の定義を直接適用する基本問題である。確率の和が $1$ になること($\frac{6+10+8+6+4+2}{36} = 1$)を確認しながら進めると計算ミスを防ぎやすい。
(2) は反復試行の確率である。$X$ が奇数となる確率が $\frac{1}{2}$ であることに気づけば計算は容易になる。事象が「3回以上」と多いため、余事象(0回、1回、2回)を計算して $1$ から引く方法でもよいが、今回のように確率が等しく対称性が高い場合は直接計算しても手間は大きく変わらない。
答え
(1) 期待値 $E(X) = \frac{35}{18}$, 分散 $V(X) = \frac{665}{324}$ (2) $\frac{99}{128}$
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