北海道大学 2003年 理系 第1問 解説

方針・初手
2つの放物線の式から $y$ を消去し、$x$ についての2次方程式を作成する。 交点の $x$ 座標 $x_1, x_2$ がこの方程式の異なる2つの実数解となることから、解と係数の関係を用いて立式していくのが基本方針となる。
解法1
(1)
放物線 $A: y = x^2$ と放物線 $B: y = -(x-a)^2 + b$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の実数解である。
$$ x^2 = -(x-a)^2 + b $$
展開して整理すると、
$$ 2x^2 - 2ax + a^2 - b = 0 $$
これが異なる2つの実数解 $x_1, x_2$ をもつので、判別式を $D$ とすると、
$$ \frac{D}{4} = a^2 - 2(a^2 - b) = -a^2 + 2b > 0 $$
また、解と係数の関係より、
$$ x_1 + x_2 = a $$
$$ x_1 x_2 = \frac{a^2 - b}{2} $$
条件より $x_1 - x_2 = 2$ である。両辺を2乗すると、
$$ (x_1 - x_2)^2 = 4 $$
これを基本対称式で表すと、
$$ (x_1 + x_2)^2 - 4x_1 x_2 = 4 $$
これに解と係数の関係を代入して、
$$ a^2 - 4 \cdot \frac{a^2 - b}{2} = 4 $$
$$ -a^2 + 2b = 4 $$
これを $b$ について解くと、
$$ b = \frac{1}{2}a^2 + 2 $$
このとき $-a^2 + 2b = 4 > 0$ を満たしているため、常に異なる2点で交わる。
(2)
2点 $P(x_1, x_1^2), Q(x_2, x_2^2)$ を通る直線 $PQ$ の方程式は、
$$ y - x_1^2 = \frac{x_2^2 - x_1^2}{x_2 - x_1}(x - x_1) $$
$$ y = (x_1 + x_2)(x - x_1) + x_1^2 $$
$$ y = (x_1 + x_2)x - x_1 x_2 $$
(1) の解と係数の関係、および結果の $b = \frac{1}{2}a^2 + 2$ を用いると、
$$ x_1 + x_2 = a $$
$$ x_1 x_2 = \frac{a^2 - (\frac{1}{2}a^2 + 2)}{2} = \frac{1}{4}a^2 - 1 $$
したがって、直線 $PQ$ の方程式は次のように表される。
$$ y = ax - \frac{1}{4}a^2 + 1 $$
$a$ はすべての実数値をとりうる。この直線が通過する領域は、$a$ についての2次方程式
$$ a^2 - 4xa + 4(y - 1) = 0 $$
が実数解 $a$ をもつような $(x, y)$ の条件を求めればよい。 判別式を $D_a$ とすると、実数解をもつ条件は $D_a \ge 0$ であるから、
$$ \frac{D_a}{4} = (-2x)^2 - 4(y - 1) \ge 0 $$
$$ 4x^2 - 4y + 4 \ge 0 $$
$$ y \le x^2 + 1 $$
よって、求める領域は不等式 $y \le x^2 + 1$ が表す領域である。 これは放物線 $y = x^2 + 1$ の下側の領域であり、境界線を含む。
(3)
線分 $PQ$ の長さを考えると、
$$ |\overrightarrow{PQ}|^2 = (x_1 - x_2)^2 + (y_1 - y_2)^2 = 4 $$
ここで、$y_1 - y_2 = x_1^2 - x_2^2 = (x_1 - x_2)(x_1 + x_2)$ であるから、
$$ |\overrightarrow{PQ}|^2 = (x_1 - x_2)^2 + (x_1 - x_2)^2(x_1 + x_2)^2 = (x_1 - x_2)^2 \{ 1 + (x_1 + x_2)^2 \} $$
(1) の解と係数の関係の過程から $(x_1 - x_2)^2 = -a^2 + 2b$ であり、$x_1 + x_2 = a$ であるため、
$$ (-a^2 + 2b)(1 + a^2) = 4 $$
$$ -a^2 + 2b = \frac{4}{a^2 + 1} $$
$$ 2b = a^2 + \frac{4}{a^2 + 1} $$
一方で、線分 $PQ$ の中点の $y$ 座標を $Y$ とおくと、
$$ Y = \frac{y_1 + y_2}{2} = \frac{x_1^2 + x_2^2}{2} = \frac{(x_1 + x_2)^2 - 2x_1 x_2}{2} $$
解と係数の関係を代入して整理すると、
$$ Y = \frac{a^2 - (a^2 - b)}{2} = \frac{b}{2} $$
したがって、求める中点の $y$ 座標は $\frac{b}{2}$ である。これを $a$ で表すと、
$$ Y = \frac{1}{4} (2b) = \frac{1}{4} \left( a^2 + \frac{4}{a^2 + 1} \right) $$
これを変形すると、
$$ Y = \frac{1}{4} \left( a^2 + 1 + \frac{4}{a^2 + 1} - 1 \right) $$
$a^2 + 1 > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$ a^2 + 1 + \frac{4}{a^2 + 1} \ge 2\sqrt{(a^2 + 1) \cdot \frac{4}{a^2 + 1}} = 4 $$
等号が成立するのは $a^2 + 1 = \frac{4}{a^2 + 1}$、すなわち $(a^2 + 1)^2 = 4$ のときである。 $a^2 + 1 > 0$ より $a^2 + 1 = 2$ となり、$a = \pm 1$ のときに等号が成立する。
よって、$Y$ の最小値は、
$$ Y \ge \frac{1}{4} (4 - 1) = \frac{3}{4} $$
線分 $PQ$ の中点の $y$ 座標の最小値は $\frac{3}{4}$ である。
解説
2次関数と直線の交点に関する典型的な問題。 (1) や (3) において、交点の座標を直接求めるのではなく、解と係数の関係を利用して対称式として処理する手法が有効である。 (2) の通過領域の求め方は、「ある点を直線が通るようなパラメータが存在する条件(逆像法)」を用いて判別式に帰着させる定石通りである。 (3) では中点の $y$ 座標を式で表したのち、相加平均と相乗平均の大小関係を用いて最小値を求める工夫が必要となる。分数式を含んだ関数の最小値問題における重要なテクニックである。
答え
(1) $b = \frac{1}{2}a^2 + 2$
(2) 不等式 $y \le x^2 + 1$ が表す領域。(放物線 $y = x^2 + 1$ の下側、境界線を含む)
(3) $\frac{3}{4}$
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