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東北大学 2006年 理系 第1問 解説

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東北大学 2006年 理系 第1問 解説

方針・初手

まず $$ x^2-6x+y^2+5\le 0 $$ を平方完成して、領域 $D$ を円と半平面の共通部分として捉える。

次に $$ x^2+y^2-2ax-2y+a^2=0 $$ も平方完成すると、中心が $(a,1)$、半径が $1$ の円になる。したがって、$a$ を動かすと中心が直線 $y=1$ 上を動く半径 $1$ の円になるので、$D$ とちょうど接する場合が端の値になる。

解法1

まず $$ x^2-6x+y^2+5\le 0 $$ を整理すると

$$ (x-3)^2+y^2\le 4 $$

である。よって、中心 $(3,0)$、半径 $2$ の円の内部および周上を表す。

したがって、領域 $D$ は

$$ \begin{cases} (x-3)^2+y^2\le 4,\ x+y\le 5 \end{cases} $$

を満たす部分、すなわち円 $$ (x-3)^2+y^2=4 $$ の内部のうち、直線 $$ x+y=5 $$ の下側の部分である。

円と直線の交点は、$y=5-x$ を代入して

$$ (x-3)^2+(5-x)^2=4 $$

$$ 2x^2-16x+30=0 $$

$$ x^2-8x+15=0 $$

$$ (x-3)(x-5)=0 $$

より、$x=3,5$ である。したがって交点は

$$ (3,2),\ (5,0) $$

である。

よって、$D$ は「円 $(x-3)^2+y^2\le 4$ のうち、直線 $x+y=5$ より下側の部分」である。


次に、与えられた曲線は

$$ x^2+y^2-2ax-2y+a^2=0 $$

$$ (x-a)^2+(y-1)^2=1 $$

となる。これは中心 $$ C(a,1) $$ 半径 $1$ の円である。

$a$ が取りうる範囲の端では、この円は領域 $D$ の境界にちょうど接する。

最小値

左側でちょうど接する場合を考える。

このとき接する相手は、$D$ の円弧 $$ (x-3)^2+y^2=4 $$ である。元の円の中心を $$ O(3,0) $$ とすると、半径 $2$ の円と半径 $1$ の円が外接するから

$$ OC=2+1=3 $$

である。

一方、 $$ C=(a,1) $$ なので

$$ OC^2=(a-3)^2+1 $$

したがって

$$ (a-3)^2+1=9 $$

$$ (a-3)^2=8 $$

$$ a=3\pm 2\sqrt{2} $$

このうち左側の値が最小値なので

$$ a_{\min}=3-2\sqrt{2} $$

である。

最大値

右側について、もし円弧に接するとすると同様に $$ a=3+2\sqrt{2} $$ となる。

しかしこのときの接点は、$O$ から $C$ に向かう方向に円周上で取られるから

$$ P=O+\frac{2}{3}\overrightarrow{OC} $$

より

$$ P=\left(3+\frac{4\sqrt2}{3},\frac23\right) $$

となる。すると

$$ x+y=3+\frac{4\sqrt2}{3}+\frac23 =\frac{11+4\sqrt2}{3}>5 $$

であり、この点は領域 $D$ 上にはない。したがって、右側の端は円弧との接触では決まらない。

よって、右側の端は直線 $$ x+y=5 $$ との接触で決まる。

中心 $C(a,1)$ から直線 $x+y=5$ までの距離は

$$ \frac{|a+1-5|}{\sqrt2} =\frac{|a-4|}{\sqrt2} $$

である。右側を考えているので $a>4$ とすると、接する条件は

$$ \frac{a-4}{\sqrt2}=1 $$

したがって

$$ a=4+\sqrt2 $$

である。

よって最大値は

$$ a_{\max}=4+\sqrt2 $$

である。

解説

第1問は平方完成により、円と半平面の共通部分として見るのが基本である。

第2問は、式をそのままいじるよりも「中心 $(a,1)$、半径 $1$ の円」と読むのが本質である。$a$ は円の中心を水平方向に動かす量なので、許される端の値は領域 $D$ の境界とちょうど接するときに生じる。

右側では、もとの円との外接だけを見ると $a=3+2\sqrt2$ が出るが、その接点は $x+y>5$ を満たしてしまい、$D$ には含まれない。ここが見落としやすい点である。

答え

領域 $D$ は、円 $$ (x-3)^2+y^2\le 4 $$ の内部のうち、直線 $$ x+y=5 $$ の下側の部分であり、境界の交点は $$ (3,2),\ (5,0) $$ である。

また、求める実数 $a$ の最小値と最大値は

$$ \boxed{3-2\sqrt2},\quad \boxed{4+\sqrt2} $$

である。

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