東北大学 2024年 文系 第2問 解説

方針・初手
点 $O,A,D$ および $O,B,D$ はそれぞれ直角三角形をつくるので、まず三角比から $a,b,d$ の関係を立てるのが自然である。特に $\tan 75^\circ$ を先に求めると、$\tan 15^\circ$ もすぐ分かる。
また、(3) は座標計算をするより、円 $C$ が $x$ 軸に $O$ で接すること、そして $OD$ が直径であることから生じる直角を用いて相似をつくるのがよい。(4) は (3) の結果をそのまま使えば簡潔に処理できる。
解法1
(1)
$$ \tan 75^\circ=\tan(45^\circ+30^\circ) =\frac{\tan45^\circ+\tan30^\circ}{1-\tan45^\circ\tan30^\circ} =\frac{1+\frac{1}{\sqrt3}}{1-\frac{1}{\sqrt3}} =\frac{\sqrt3+1}{\sqrt3-1} =2+\sqrt3 $$
したがって、
$$ \tan 75^\circ=2+\sqrt3 $$
である。
なお、後で用いるため
$$ \tan 15^\circ=\tan(45^\circ-30^\circ)=2-\sqrt3 $$
も得られる。
(2)
三角形 $OAD$ は $O$ で直角であり、$\angle OAD=15^\circ$ であるから、
$$ \tan 15^\circ=\frac{OD}{OA}=\frac{d}{a} $$
より
$$ \frac{d}{a}=2-\sqrt3 $$
したがって
$$ a=\frac{d}{2-\sqrt3}=d(2+\sqrt3) $$
である。
同様に、三角形 $OBD$ は $O$ で直角であり、$\angle OBD=75^\circ$ であるから、
$$ \tan 75^\circ=\frac{OD}{OB}=\frac{d}{b} $$
より
$$ \frac{d}{b}=2+\sqrt3 $$
したがって
$$ b=\frac{d}{2+\sqrt3}=d(2-\sqrt3) $$
である。
ここで $a>b$ なので、$AB=6$ から
$$ a-b=6 $$
である。よって
$$ d(2+\sqrt3)-d(2-\sqrt3)=6 $$
すなわち
$$ 2\sqrt3,d=6 $$
となるから、
$$ d=\sqrt3 $$
である。これを $a,b$ の式に代入すると、
$$ a=\sqrt3(2+\sqrt3)=3+2\sqrt3 $$
$$ b=\sqrt3(2-\sqrt3)=2\sqrt3-3 $$
したがって
$$ a=3+2\sqrt3,\quad b=2\sqrt3-3,\quad d=\sqrt3 $$
である。
(3)
円 $C$ は $OD$ を直径とするから、$O$ における半径は $OD$ と同一直線上にある。$OD$ は $y$ 軸上にあるので、$O$ における接線は $x$ 軸である。したがって、$A,B$ はともに円 $C$ の接線上にあり、$AO,BO$ は円 $C$ の接線である。
まず $A$ について考える。
点 $P$ は円 $C$ 上にあり、しかも $OD$ は直径であるから、円周角の定理より
$$ \angle OPD=90^\circ $$
である。$A,P,D$ は一直線上にあるので、
$$ \angle APO=\angle DPO=90^\circ $$
となる。
また、$OA$ は $x$ 軸上、$OD$ は $y$ 軸上にあるから
$$ \angle AOD=90^\circ $$
である。
さらに、$AO$ は円 $C$ の接線であり、$OP$ は弦であるから、接弦定理より
$$ \angle AOP=\angle ODP $$
である。ここで $A,D,P$ は一直線上にあるので、
$$ \angle ODP=\angle ADO $$
となる。
よって
$$ \angle APO=\angle AOD,\qquad \angle AOP=\angle ADO $$
であるから、三角形 $AOP$ と三角形 $ADO$ は相似である。
したがって、対応する辺の比より
$$ \frac{AP}{AO}=\frac{AO}{AD} $$
となるので、
$$ AP\cdot AD=AO^2 $$
を得る。
次に $B$ について考える。
点 $Q$ は円 $C$ 上にあり、$OD$ は直径であるから、
$$ \angle OQD=90^\circ $$
である。$B,Q,D$ は一直線上にあるので、
$$ \angle BQO=\angle DQO=90^\circ $$
である。また、
$$ \angle BOD=90^\circ $$
である。
さらに、$BO$ は円 $C$ の接線であり、$OQ$ は弦であるから、接弦定理より
$$ \angle BOQ=\angle ODQ $$
である。$B,Q,D$ は一直線上にあるので、
$$ \angle ODQ=\angle BDO $$
となる。
よって
$$ \angle BQO=\angle BOD,\qquad \angle BOQ=\angle BDO $$
であるから、三角形 $BQO$ と三角形 $BDO$ は相似である。
したがって、
$$ \frac{BQ}{BO}=\frac{BO}{BD} $$
となるので、
$$ BQ\cdot BD=BO^2 $$
を得る。
(4)
(3) より
$$ AP=\frac{AO^2}{AD},\qquad BQ=\frac{BO^2}{BD} $$
であるから、
$$ AP\cdot BQ=\frac{AO^2}{AD}\cdot\frac{BO^2}{BD} $$
となる。
ここで、三角形 $OAD$ において
$$ \frac{AO}{AD}=\cos15^\circ $$
三角形 $OBD$ において
$$ \frac{BO}{BD}=\cos75^\circ $$
であるから、
$$ AP\cdot BQ =AO\cdot BO\cdot \frac{AO}{AD}\cdot\frac{BO}{BD} =ab\cos15^\circ\cos75^\circ $$
となる。
(2) で求めた $a,b$ を用いると、
$$ ab=(3+2\sqrt3)(2\sqrt3-3)=3 $$
である。また、
$$ \cos75^\circ=\sin15^\circ $$
より
$$ \cos15^\circ\cos75^\circ =\cos15^\circ\sin15^\circ =\frac{1}{2}\sin30^\circ =\frac{1}{4} $$
したがって
$$ AP\cdot BQ=3\cdot \frac14=\frac34 $$
である。
解説
この問題の核は、(2) では $O$ を直角とする三角形の三角比、(3) では「直径に対する円周角が $90^\circ$」と「接線と弦のなす角」の利用である。
特に (3) は、方べきの定理をただ暗記して使うのではなく、相似な三角形をつくれば式 $AP\cdot AD=AO^2$、$BQ\cdot BD=BO^2$ が自然に出てくることを確認するのが重要である。(4) はその結果を用いることで、$P,Q$ の座標を直接求めずに処理できる。
答え
$$ \tan75^\circ=2+\sqrt3 $$
$$ a=3+2\sqrt3,\qquad b=2\sqrt3-3,\qquad d=\sqrt3 $$
また、
$$ AP\cdot AD=AO^2,\qquad BQ\cdot BD=BO^2 $$
であり、
$$ AP\cdot BQ=\frac34 $$
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