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京都大学 1965年 文系 第6問 解説

数学1/方程式不等式数学2/式と証明テーマ/不等式の証明
京都大学 1965年 文系 第6問 解説

方針・初手

与えられた不等式が任意の $x, y, z$ について成り立つための条件を求める問題である。 複数の変数が含まれる2次式の不等式では、特定の1文字についての2次関数とみなし、平方完成や判別式で整理する。ここでは係数が $1$ の $z$ に着目する。

解法1

与えられた不等式を $z$ について整理すると、

$$ z^2 - (x+y)z + ax^2 - xy + 2ay^2 \geqq 0 $$

となる。これを $z$ について平方完成すると、

$$ \left( z - \frac{x+y}{2} \right)^2 - \frac{(x+y)^2}{4} + ax^2 - xy + 2ay^2 \geqq 0 $$

$$ \left( z - \frac{x+y}{2} \right)^2 + \left( a - \frac{1}{4} \right)x^2 - \frac{3}{2}xy + \left( 2a - \frac{1}{4} \right)y^2 \geqq 0 $$

これが任意の $z$ に対して成り立つためには、平方部分以外の項の和が常に $0$ 以上であればよい。すなわち、任意の $x, y$ に対して、

$$ \left( a - \frac{1}{4} \right)x^2 - \frac{3}{2}xy + \left( 2a - \frac{1}{4} \right)y^2 \geqq 0 $$

が成り立つことが条件となる。 ここで、$y=0$ のときを考えると、不等式は $\left( a - \frac{1}{4} \right)x^2 \geqq 0$ となる。これが任意の $x$ について成り立つためには、

$$ a - \frac{1}{4} \geqq 0 \iff a \geqq \frac{1}{4} $$

であることが必要である。

次に、この条件下で不等式が任意の $x, y$ に対して成り立つ条件を考える。 不等式の左辺を $x$ の2次式とみる。$a \geqq \frac{1}{4}$ より $x^2$ の係数は $0$ 以上であるが、$a = \frac{1}{4}$ のときは $-\frac{3}{2}xy + \frac{1}{4}y^2 \geqq 0$ となり、これが任意の $x, y$ で成立することはないため、実質的に $a > \frac{1}{4}$ であり、左辺を $x$ の2次関数とみたときのグラフは下に凸の放物線となる。 この $x$ の2次方程式が実数解を1つだけ持つ、または実数解を持たない条件を求めればよいので、判別式を $D$ とすると、すべての $x$ で値が $0$ 以上となるための条件は $D \leqq 0$ である。

$$ D = \left( -\frac{3}{2}y \right)^2 - 4\left( a - \frac{1}{4} \right)\left( 2a - \frac{1}{4} \right)y^2 $$

$$ D = \left\{ \frac{9}{4} - \left( 4a - 1 \right)\left( 2a - \frac{1}{4} \right) \right\} y^2 $$

$$ D = \left( \frac{9}{4} - 8a^2 + 3a - \frac{1}{4} \right) y^2 $$

$$ D = \left( -8a^2 + 3a + 2 \right) y^2 $$

これが任意の $y$ に対して $D \leqq 0$ となるためには、 $y^2$ の係数が $0$ 以下であればよい。したがって、

$$ -8a^2 + 3a + 2 \leqq 0 $$

$$ 8a^2 - 3a - 2 \geqq 0 $$

この2次不等式を解くために、$8a^2 - 3a - 2 = 0$ を解くと、解の公式より、

$$ a = \frac{3 \pm \sqrt{(-3)^2 - 4 \cdot 8 \cdot (-2)}}{2 \cdot 8} = \frac{3 \pm \sqrt{9 + 64}}{16} = \frac{3 \pm \sqrt{73}}{16} $$

ゆえに、不等式の解は、

$$ a \leqq \frac{3 - \sqrt{73}}{16}, \quad \frac{3 + \sqrt{73}}{16} \leqq a $$

ここで、最初に求めた必要条件 $a \geqq \frac{1}{4}$ との共通範囲をとる。 $8 < \sqrt{73} < 9$ であるから、

$$ \frac{3 + 8}{16} < \frac{3 + \sqrt{73}}{16} < \frac{3 + 9}{16} $$

$$ \frac{11}{16} < \frac{3 + \sqrt{73}}{16} < \frac{3}{4} $$

であり、$\frac{1}{4} = \frac{4}{16}$ より、$\frac{3 + \sqrt{73}}{16} > \frac{1}{4}$ が成り立つ。また、$\frac{3 - \sqrt{73}}{16} < 0$ であるため、$a \geqq \frac{1}{4}$ とは共通部分を持たない。 したがって、求める実数 $a$ の範囲は、

$$ a \geqq \frac{3 + \sqrt{73}}{16} $$

となる。

解説

複数の変数が含まれる絶対不等式では、1つの変数について整理し、他を定数とみなして条件を絞っていく。 本問では、2乗の係数が $1$ の $z$ に着目して平方完成を行い、残った $x, y$ の2次式についても $x$ の2次関数とみて判別式を利用することで、未知数 $a$ の条件へと絞り込んでいる。 途中で $x$ の2次式とみなす際には、$x^2$ の係数が正であること($a \geqq \frac{1}{4}$)も確認する。

答え

$$ a \geqq \frac{3 + \sqrt{73}}{16} $$

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