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京都大学 1999年 文系 第2問 解説

数学C/式と曲線数学2/積分法テーマ/軌跡・領域テーマ/面積・体積
京都大学 1999年 文系 第2問 解説

方針・初手

放物線上の2点の $x$ 座標を文字で置き、与えられた面積の条件からその文字どうしの関係式を導きます。

その後、中点 $R$ の座標を同じ文字で表し、媒介変数(パラメータ)を消去して $R$ の軌跡の式を求めます。放物線と直線の間の面積計算には、いわゆる「 $\frac{1}{6}$ 公式」が有効です。

解法1

放物線 $y = x^2$ 上の2点 $P, Q$ の $x$ 座標をそれぞれ $p, q$ とおく。$P$ と $Q$ は異なる点であるから、対称性より $p < q$ として一般性を失わない。

このとき、$P(p, p^2), Q(q, q^2)$ である。直線 $PQ$ の方程式は、

$$ y - p^2 = \frac{q^2 - p^2}{q - p}(x - p) $$

$$ y = (p+q)x - pq $$

となる。

放物線 $y = x^2$ と直線 $PQ$ で囲まれた部分の面積を $S$ とすると、$p \leqq x \leqq q$ の範囲で直線 $PQ$ は放物線の上側にあるため、

$$ S = \int_{p}^{q} \{ (p+q)x - pq - x^2 \} dx $$

$$ S = - \int_{p}^{q} (x - p)(x - q) dx $$

$$ S = \frac{1}{6}(q - p)^3 $$

となる。条件より $S = 1$ であるから、

$$ \frac{1}{6}(q - p)^3 = 1 $$

$$ (q - p)^3 = 6 $$

$$ q - p = \sqrt[3]{6} $$

が成り立つ。

次に、線分 $PQ$ の中点 $R$ の座標を $(X, Y)$ とおくと、

$$ X = \frac{p + q}{2} $$

$$ Y = \frac{p^2 + q^2}{2} $$

となる。ここで、$Y$ を $X$ の式で表すために、次の恒等式を用いる。

$$ \frac{p^2 + q^2}{2} - \left( \frac{p + q}{2} \right)^2 = \frac{2p^2 + 2q^2 - (p^2 + 2pq + q^2)}{4} = \frac{p^2 - 2pq + q^2}{4} = \left( \frac{q - p}{2} \right)^2 $$

これに $X, Y$ および $q - p = \sqrt[3]{6}$ を代入すると、

$$ Y - X^2 = \left( \frac{\sqrt[3]{6}}{2} \right)^2 $$

$$ Y - X^2 = \frac{(\sqrt[3]{6})^2}{4} $$

$$ Y = X^2 + \frac{\sqrt[3]{36}}{4} $$

となる。

実数 $p$ が任意の値をとって変化するとき、$q = p + \sqrt[3]{6}$ と定まる $q$ に対しても $P, Q$ は放物線上の点として常に存在し、$X = \frac{p + q}{2} = p + \frac{\sqrt[3]{6}}{2}$ はすべての実数値をとる。

したがって、求める図形の方程式は、変数 $X, Y$ を $x, y$ に直して以下のようになる。

$$ y = x^2 + \frac{\sqrt[3]{36}}{4} $$

解説

放物線と直線で囲まれた面積の条件から弦の長さに類する関係式($x$ 座標の差)を導き、中点の軌跡を求める典型的な問題です。

放物線と直線の交点が与えられている場合の面積計算では、「 $\frac{1}{6}$ 公式」を積極的に用いることで計算量を大幅に削減できます。

また、中点 $R(X, Y)$ の関係式を導く際、$Y = \frac{p^2+q^2}{2}$ と $X = \frac{p+q}{2}$ から対称式として $p, q$ を消去するのが標準的ですが、解答中で用いた $Y - X^2 = \left(\frac{q-p}{2}\right)^2$ という関係式(データの分散を求める公式に似た形)を知っておくと、非常にスムーズに計算が進みます。

答え

$$ y = x^2 + \frac{\sqrt[3]{36}}{4} $$

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