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京都大学 2010年 文系 第3問(甲) 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
京都大学 2010年 文系 第3問(甲) 解説

方針・初手

1番目から5番目の数をそれぞれ変数 $a, b, c, d, e$ と置き、与えられた条件を等式として表します。両辺に共通して含まれる「3番目の数($c$)」を消去することで、残りの4つの数の和に関する条件に帰着させます。全事象の数は $5!$ 通りであるから、条件を満たす並べ方の総数を数え上げることで確率を求めます。

解法1

1番目から5番目に並ぶ数を順に $a, b, c, d, e$ とおく。条件より、$a+b+c = c+d+e$ が成り立つから、両辺から $c$ を引いて

$$ a+b = d+e \quad \cdots① $$

を得る。また、$a, b, c, d, e$ は 1 から 5 までの自然数を重複なく1度ずつ用いたものであるから、その総和は常に 15 である。

$$ a+b+c+d+e = 1+2+3+4+5 = 15 \quad \cdots② $$

①を②に代入すると、$(a+b) + c + (a+b) = 15$ より

$$ 2(a+b) + c = 15 \quad \cdots③ $$

となる。ここで、$a+b$ は整数であるから、$2(a+b)$ は偶数となる。したがって $c$ は奇数でなければならない。$c \in \{1, 2, 3, 4, 5\}$ であるから、$c = 1, 3, 5$ のいずれかに絞られる。

(i) $c=1$ のとき

③より $2(a+b) = 14 \iff a+b = 7$ となる。残りの数 $\{2, 3, 4, 5\}$ の中から、和が 7 になる2数の組を作ると $\{2, 5\}$ と $\{3, 4\}$ の2組ができる。

よって、$\{a, b\}$ と $\{d, e\}$ への数字の割り当ては、$\{a, b\} = \{2, 5\}, \{d, e\} = \{3, 4\}$ または $\{a, b\} = \{3, 4\}, \{d, e\} = \{2, 5\}$ の2通り。それぞれにおいて、並べる順序($a$ と $b$ の入れ替え、$d$ と $e$ の入れ替え)が $2! \times 2! = 4$ 通りある。

したがって、$c=1$ となる並べ方は $2 \times 4 = 8$ 通り。

(ii) $c=3$ のとき

③より $2(a+b) = 12 \iff a+b = 6$ となる。残りの数 $\{1, 2, 4, 5\}$ の中から、和が 6 になる2数の組を作ると $\{1, 5\}$ と $\{2, 4\}$ の2組ができる。

(i) と同様に考えて、組の割り当てと並べ方を考慮し、$2 \times (2! \times 2!) = 8$ 通り。

(iii) $c=5$ のとき

③より $2(a+b) = 10 \iff a+b = 5$ となる。残りの数 $\{1, 2, 3, 4\}$ の中から、和が 5 になる2数の組を作ると $\{1, 4\}$ と $\{2, 3\}$ の2組ができる。

(i) と同様に考えて、$2 \times (2! \times 2!) = 8$ 通り。

(i)〜(iii) の各場合は互いに排反であるから、条件を満たす並べ方の総数は

$$ 8 + 8 + 8 = 24 \text{(通り)} $$

1から5までの5つの数の並べ方の総数は $5! = 120$ (通り)であり、これらは同様に確からしい。よって、求める確率は

$$ \frac{24}{120} = \frac{1}{5} $$

解法2(対称性に注目した解法)

1番目から5番目に並ぶ数を順に $a, b, c, d, e$ とおく。条件は $a+b+c = c+d+e \iff a+b = d+e$ である。

1から5までの5つの数から異なる4つの数を選び、それらを2つずつの組に分けて和が等しくなるような組み合わせを探す。2数の和の最小値は $1+2=3$、最大値は $4+5=9$ であるから、和としてあり得る値をしらみつぶしに探すと、

互いに素な2組で和が等しくなるものは、以上の3パターンのみである。

各パターンにおいて、

これらが独立に決まるため、1つのパターンにつき $2 \times 2 \times 2 = 8$ 通りの並べ方がある。パターンは全部で3つあるので、条件を満たす並べ方の総数は

$$ 8 \times 3 = 24 \text{(通り)} $$

1から5までの5つの数の並べ方の総数は $5! = 120$ (通り)であるから、求める確率は

$$ \frac{24}{120} = \frac{1}{5} $$

解説

数の和に関する条件を処理する典型的な確率の問題です。$a+b+c = c+d+e$ という条件式を見たとき、そのまま考えるのではなく、両辺に共通する $c$ を消去して $a+b = d+e$ に帰着させることが計算を簡単にする第一歩です。

解法1のように、「すべての数の和が常に一定(ここでは15)」になる性質を利用すると、真ん中の数 $c$ が奇数でなければならないことが鮮やかに示せます。文字が多い方程式を扱う際、「全体の和」という不変量に注目するのは整数問題などでもよく使われる有効な定石です。

解法2のように、扱う数が $\{1, 2, 3, 4, 5\}$ と少ないため、直接足して等しくなるペアを探し出す方針でも手間なく確実に解くことができます。

答え

$$ \frac{1}{5} $$

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