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京都大学 2010年 文系 第2問(甲) 解説

数学2/図形と式数学1/二次関数テーマ/軌跡・領域テーマ/最大・最小
京都大学 2010年 文系 第2問(甲) 解説

方針・初手

与えられた連立不等式が表す領域 $D$ を図示し、境界となる直線の交点(頂点)の座標を求めます。 $2x+y$ については、$k = 2x+y$ とおいて直線の $y$ 切片の最大・最小を考える線形計画法の基本方針をとります。 $x^2+y^2$ については、$r^2 = x^2+y^2$ とおき、原点と領域内の点との距離の2乗の最大・最小を考えます。最小値については、原点から領域の境界(各辺)へ下ろした垂線の足が線分上に存在するかどうかの確認が重要になります。

解法1

与えられた連立不等式を整理する。

$$ 4x+y \leqq 9, \quad x+2y \geqq 4, \quad 2x-3y \geqq -6 $$

これらが表す領域を $D$ とすると、$D$ は次の3直線で囲まれた三角形の周および内部である。

$$ l_1: 4x+y=9, \quad l_2: x+2y=4, \quad l_3: 2x-3y=-6 $$

3直線の交点を求める。

(i) $2x+y$ の最大値と最小値

$k = 2x+y$ とおくと、$y = -2x+k$(傾き $-2$、$y$ 切片 $k$ の直線)が領域 $D$ と共有点をもつときの $k$ の最大・最小を求める。

各頂点における値:

$2x+y$
$A(2,\ 1)$ $5$
$B(0,\ 2)$ $2$
$C\!\left(\dfrac{3}{2},\ 3\right)$ $6$

よって、$2x+y$ の最大値は $6$(点 $C$)、最小値は $2$(点 $B$)。

(ii) $x^2+y^2$ の最大値と最小値

$r^2 = x^2+y^2$ は原点 $O$ から点 $P(x,y)$ までの距離の2乗である。

最大値: 原点から最も遠い点は頂点のいずれかである。

$$ OA^2 = 4 + 1 = 5, \quad OB^2 = 0 + 4 = 4, \quad OC^2 = \frac{9}{4} + 9 = \frac{45}{4} $$

よって最大値は $\dfrac{45}{4}$(点 $C$)。

最小値: 原点から各辺に下ろした垂線の足が辺上にあるか確認する。

原点から $l_2: x+2y=4$ への垂線は $y=2x$ であり、交点 $H_2$ を求めると、

$$ x + 2(2x) = 4 \implies x = \frac{4}{5}, \quad H_2\!\left(\frac{4}{5},\ \frac{8}{5}\right) $$

$H_2$ の $x$ 座標 $\dfrac{4}{5}$ は線分 $AB$ の $x$ 座標の範囲 $0 \leqq x \leqq 2$ に含まれるため、$H_2$ は線分 $AB$ 上に存在する。

$$ OH_2^2 = \left(\frac{4}{5}\right)^2 + \left(\frac{8}{5}\right)^2 = \frac{16+64}{25} = \frac{16}{5} $$

(確認)他の辺について:

したがって、最小値は $\dfrac{16}{5}$(点 $H_2$)。

解説

線形計画法および領域と距離に関する標準的な問題です。

一次式の目的関数 $2x+y$ については、多角形領域においては必ず頂点で最大・最小となる性質を利用すれば容易に求まります。

一方、二次式の目的関数 $x^2+y^2$(原点からの距離の2乗)は、最大値は頂点でとりますが、最小値は「原点から辺に下ろした垂線の足」が辺上にある場合にそこでとるため注意が必要です。図を描き、垂線の足が線分上にあるか(交点の座標が端点の間にあるか)を確認することが大切です。

答え

$2x+y$:最大値 $6$、最小値 $2$

$x^2+y^2$:最大値 $\dfrac{45}{4}$、最小値 $\dfrac{16}{5}$

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