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京都大学 1963年 理系 第3問 解説

数学1/方程式不等式数学2/式と証明テーマ/場合分け
京都大学 1963年 理系 第3問 解説

方針・初手

A君の解法では、式(1)と(2)から $x, y, z$ の関係式 $(y-x)z(z+1)=0$ を導き、それによって場合分けを行っている。しかし、連立方程式の一部から導かれた式はあくまで必要条件であり、そこから得られた解の候補が残りの式(特に式(3))を満たすかどうかの吟味が必要である。A君の答案ではこの確認が欠けているため、不適な解が混入している。また、(ハ) の後半には計算ミスがある。これらを指摘し、加筆訂正する。

解法1

A君の答案は 正しくない

(1), (2) から導かれた条件 $(y-x)z(z+1)=0$ は必要条件であるため、それぞれの場合について得られた解の候補が、元の連立方程式、特にまだ使っていない式(3)を満たすかどうかを確認する必要がある。また、(ハ) の後半で $z$ の値を求める計算に誤りがある。

以下のように加筆訂正する。

(イ) について

得られた解の候補が式(3)を満たすことの確認が抜けている。末尾に以下を加筆する。

「これを(3)に代入すると $0 = 0$ となり成り立つ。」

(ロ) について

得られた解の候補 $x=0, y=0, z=-1$ は式(3)を満たさない。これを(3)の左辺に代入すると、

$$ (-1)^3 + 0 \cdot (-1)^2 + 2(-1)^2 + 0 \cdot (-1) - 0 \cdot (-1) = 1 $$

となり、$1 = 0$ となって不適である。 したがって、「ゆえに $x=0, y=0, z=-1$ は解の1つである.」の部分を削除し、以下のように訂正する。

「これを(3)に代入すると $1 = 0$ となり不適である。」

(ハ) について

$y$ の値から $z$ の値を求める計算を間違えているため、後半部分を次のように訂正する。

$$ \therefore 2y^2 + 6y + 2 = 0 \text{,すなわち } y^2 + 3y + 1 = 0 \therefore y = \frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2} $$

$z = -(y + 2)$ であったから、

$$ z = -\left(\frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2} + 2\right) = -\frac{1 \pm \sqrt{5}}{2} = \frac{-1 \mp \sqrt{5}}{2} \text{(複号同順)} $$

ゆえに、以下も解である。

$$ x = \frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2}, y = \frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2}, z = \frac{-1 \mp \sqrt{5}}{2} \text{(複号同順)} $$

(注:(ハ) においては、$x=y$ のもとで式(3)を変形して $z = -(y+2)$ を得て、それを式(2)に代入して $y$ を求めているため、得られた値は自動的に式(2), (3) を満たし、$x=y$ より式(1)も満たすため十分性は保たれている。)

解説

連立方程式で複数の式を組み合わせて新しい条件式を作ったとき、それは必要条件にとどまることがある。得られた候補が元の連立方程式をすべて満たすかを、使っていない式でも確かめる。

答え

A君の答案は正しくない。加筆訂正すべき箇所は以下の3点。

  1. (イ) の末尾に、「これを(3)に代入すると $0 = 0$ となり成り立つ。」を加筆する。
  2. (ロ) の末尾「ゆえに $x=0, y=0, z=-1$ は解の1つである.」を削り、「これを(3)に代入すると $1 = 0$ となり不適である。」に訂正する。
  3. (ハ) の後半の計算を訂正し、「$y = \frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2}$ のとき $z = \frac{-1 \mp \sqrt{5}}{2}$ となり、$x = \frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2}, y = \frac{-3 \pm \sqrt{5}}{2}, z = \frac{-1 \mp \sqrt{5}}{2}$ (複号同順) も解である。」とする。

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