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京都大学 1964年 理系 第4問 解説

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京都大学 1964年 理系 第4問 解説

方針・初手

点 $P$ の座標を $(X, Y)$ とおく。接線に関する条件を式に直し、2本の接線のなす角と $P$ の座標の関係を調べる。

解法1

点 $P$ の座標を $(X, Y)$ とおく。

点 $P$ を通り、放物線 $y=x^2$ に接する直線は $y$ 軸に平行ではないから、その傾きを $m$ とすると、直線の方程式は

$$ y - Y = m(x - X) $$

すなわち

$$ y = mx - mX + Y $$

と表せる。 これを $y=x^2$ に代入して整理すると、

$$ x^2 - mx + mX - Y = 0 $$

この $x$ についての2次方程式が重解をもつための条件は、判別式を $D$ とすると $D=0$ である。

$$ D = (-m)^2 - 4 \cdot 1 \cdot (mX - Y) = m^2 - 4Xm + 4Y = 0 $$

点 $P$ から2つの接線が引けるとき、この $m$ についての2次方程式は異なる2つの実数解をもつ。それらを $m_1, m_2$ とすると、解と係数の関係より、

$$ m_1 + m_2 = 4X, \quad m_1 m_2 = 4Y $$

2つの接線のなす角が $60^\circ$ であるから、

$$ \tan 60^\circ = \left| \frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2} \right| $$

が成り立つ(交角が $60^\circ$ であり直交しないため、分母は $0$ にならない)。 両辺を2乗し、解と係数の関係を用いると、

$$ 3 = \frac{(m_1 - m_2)^2}{(1 + m_1 m_2)^2} $$

ここで、$(m_1 - m_2)^2 = (m_1 + m_2)^2 - 4m_1 m_2 = (4X)^2 - 4(4Y) = 16(X^2 - Y)$ であるから、

$$ 3 = \frac{16(X^2 - Y)}{(1 + 4Y)^2} $$

分母を払って整理すると、

$$ 3(1 + 8Y + 16Y^2) = 16X^2 - 16Y $$

$$ 48Y^2 + 24Y + 3 = 16X^2 - 16Y $$

$$ 16X^2 - 48Y^2 - 40Y - 3 = 0 $$

これを平方完成して変形すると、

$$ 16X^2 - 48\left(Y^2 + \frac{5}{6}Y\right) = 3 $$

$$ 16X^2 - 48\left(Y + \frac{5}{12}\right)^2 + 48 \cdot \frac{25}{144} = 3 $$

$$ 16X^2 - 48\left(Y + \frac{5}{12}\right)^2 + \frac{25}{3} = 3 $$

$$ 16X^2 - 48\left(Y + \frac{5}{12}\right)^2 = -\frac{16}{3} $$

両辺を $-16$ で割って、

$$ -X^2 + 3\left(Y + \frac{5}{12}\right)^2 = \frac{1}{3} $$

$$ \frac{\left(Y + \frac{5}{12}\right)^2}{\frac{1}{9}} - \frac{X^2}{\frac{1}{3}} = 1 $$

また、2次方程式 $m^2 - 4Xm + 4Y = 0$ が異なる2つの実数解をもつ条件は $16X^2 - 16Y > 0$ すなわち $X^2 > Y$ である。 上で得られた軌跡の方程式を変形した $16(X^2 - Y) = 3(1 + 4Y)^2$ において、右辺は $0$ 以上である。 等号が成立するのは $Y = -\frac{1}{4}$ のときであるが、このとき軌跡の方程式に代入すると、

$$ -X^2 + 3\left(-\frac{1}{4} + \frac{5}{12}\right)^2 = \frac{1}{3} $$

$$ -X^2 + 3\left(\frac{1}{6}\right)^2 = \frac{1}{3} $$

$$ X^2 = \frac{1}{12} - \frac{1}{3} = -\frac{1}{4} < 0 $$

となり、実数 $X$ は存在しない。 よって、軌跡上のすべての実数点に対して常に $X^2 > Y$ は満たされる。 以上より、点 $P$ の軌跡は双曲線 $16x^2 - 48y^2 - 40y - 3 = 0$ である。

解法2

放物線上の接点をおく方法で考える。点 $P$ の座標を $(X, Y)$ とおく。

放物線 $y=x^2$ 上の点 $(t, t^2)$ における接線の方程式は、$y' = 2x$ より傾きが $2t$ であるから、

$$ y - t^2 = 2t(x - t) $$

$$ y = 2tx - t^2 $$

この直線が点 $P(X, Y)$ を通るので、

$$ Y = 2tX - t^2 $$

$$ t^2 - 2Xt + Y = 0 $$

点 $P$ から2本の接線が引けるとき、この $t$ についての2次方程式は異なる2つの実数解をもつ。それらを $t_1, t_2$ とすると、解と係数の関係から、

$$ t_1 + t_2 = 2X, \quad t_1 t_2 = Y $$

これらは2つの接点の $x$ 座標であり、それぞれの接線の傾きは $m_1 = 2t_1, m_2 = 2t_2$ である。 接線のなす角が $60^\circ$ であるから、

$$ \tan 60^\circ = \left| \frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2} \right| = \left| \frac{2t_1 - 2t_2}{1 + 4t_1 t_2} \right| $$

両辺を2乗すると、

$$ 3 = \frac{4(t_1 - t_2)^2}{(1 + 4t_1 t_2)^2} $$

ここで、$(t_1 - t_2)^2 = (t_1 + t_2)^2 - 4t_1 t_2 = (2X)^2 - 4Y = 4(X^2 - Y)$ であるから、

$$ 3 = \frac{16(X^2 - Y)}{(1 + 4Y)^2} $$

これ以降は解法1と同様の計算により、条件の確認も含めて軌跡の方程式を得る。

解説

放物線の接線に関する軌跡の基本問題である。 接線の傾きに注目して $m$ についての2次方程式を立ててもよく、接点の $x$ 座標 $t$ に注目して整理してもよい。「2直線のなす角」は、それぞれの傾き $m_1, m_2$ を用いて $\tan \theta = \left| \frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2} \right|$ と表せる。 軌跡を求めた後に、2つの接線が引ける条件(判別式 $D > 0$)を満たしているかの確認も忘れずに行う必要がある。

答え

双曲線 $16x^2 - 48y^2 - 40y - 3 = 0$ (または $\frac{\left(y + \frac{5}{12}\right)^2}{\frac{1}{9}} - \frac{x^2}{\frac{1}{3}} = 1$ )

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