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九州大学 1974年 文系 第1問 解説

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九州大学 1974年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) については、与えられた $2$ 点から直線 $AP$、$AQ$ の方程式を立て、それぞれをだ円の方程式と連立することで交点 $P'$、$Q'$ の座標を求める。点 $A$ 自身がだ円上の点であるため、連立して得られる $2$ 次方程式は必ず $x = a$ を解にもつ。この性質を利用すると計算の見通しが良くなる。

(2) については、原点と $P$ を通る直線 $PQ$ の方程式と、(1) で求めた $P'$、$Q'$ を通る直線 $P'Q'$ の方程式をそれぞれ立て、連立して交点 $R$ の座標を求める。

解法1

(1)

点 $A(a, 0)$ と点 $P\left(\frac{1}{3}a, \frac{1}{3}b\right)$ を通る直線 $AP$ の傾きは

$$\frac{\frac{1}{3}b - 0}{\frac{1}{3}a - a} = \frac{\frac{1}{3}b}{-\frac{2}{3}a} = -\frac{b}{2a}$$

である。よって、直線 $AP$ の方程式は

$$y = -\frac{b}{2a}(x - a)$$

となる。これをだ円の方程式 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ に代入して整理する。

$$\frac{x^2}{a^2} + \frac{1}{b^2} \left\{ -\frac{b}{2a}(x - a) \right\}^2 = 1$$

$$\frac{x^2}{a^2} + \frac{(x - a)^2}{4a^2} = 1$$

両辺に $4a^2$ を掛けると

$$4x^2 + (x - a)^2 = 4a^2$$

$$5x^2 - 2ax - 3a^2 = 0$$

$$(x - a)(5x + 3a) = 0$$

点 $P'$ は点 $A$ とは異なる点であるから、$x \neq a$ である。したがって

$$x = -\frac{3}{5}a$$

これを直線 $AP$ の方程式に代入すると

$$y = -\frac{b}{2a} \left( -\frac{3}{5}a - a \right) = -\frac{b}{2a} \left( -\frac{8}{5}a \right) = \frac{4}{5}b$$

よって、点 $P'$ の座標は $\left(-\frac{3}{5}a, \frac{4}{5}b\right)$ である。

次に、点 $A(a, 0)$ と点 $Q\left(-\frac{1}{3}a, -\frac{1}{3}b\right)$ を通る直線 $AQ$ の傾きは

$$\frac{-\frac{1}{3}b - 0}{-\frac{1}{3}a - a} = \frac{-\frac{1}{3}b}{-\frac{4}{3}a} = \frac{b}{4a}$$

である。よって、直線 $AQ$ の方程式は

$$y = \frac{b}{4a}(x - a)$$

となる。これをだ円の方程式に代入して整理する。

$$\frac{x^2}{a^2} + \frac{1}{b^2} \left\{ \frac{b}{4a}(x - a) \right\}^2 = 1$$

$$\frac{x^2}{a^2} + \frac{(x - a)^2}{16a^2} = 1$$

両辺に $16a^2$ を掛けると

$$16x^2 + (x - a)^2 = 16a^2$$

$$17x^2 - 2ax - 15a^2 = 0$$

$$(x - a)(17x + 15a) = 0$$

点 $Q'$ は点 $A$ とは異なる点であるから、$x \neq a$ である。したがって

$$x = -\frac{15}{17}a$$

これを直線 $AQ$ の方程式に代入すると

$$y = \frac{b}{4a} \left( -\frac{15}{17}a - a \right) = \frac{b}{4a} \left( -\frac{32}{17}a \right) = -\frac{8}{17}b$$

よって、点 $Q'$ の座標は $\left(-\frac{15}{17}a, -\frac{8}{17}b\right)$ である。

(2)

点 $P\left(\frac{1}{3}a, \frac{1}{3}b\right)$ と点 $Q\left(-\frac{1}{3}a, -\frac{1}{3}b\right)$ は原点に関して対称である。したがって、直線 $PQ$ は原点を通る直線であり、その方程式は

$$y = \frac{b}{a}x$$

である。

一方、点 $P'\left(-\frac{3}{5}a, \frac{4}{5}b\right)$ と点 $Q'\left(-\frac{15}{17}a, -\frac{8}{17}b\right)$ を通る直線 $P'Q'$ の傾きは

$$\frac{-\frac{8}{17}b - \frac{4}{5}b}{-\frac{15}{17}a - \left(-\frac{3}{5}a\right)} = \frac{\frac{-40 - 68}{85}b}{\frac{-75 + 51}{85}a} = \frac{-\frac{108}{85}b}{-\frac{24}{85}a} = \frac{108b}{24a} = \frac{9b}{2a}$$

である。よって、直線 $P'Q'$ の方程式は

$$y - \frac{4}{5}b = \frac{9b}{2a} \left( x - \left(-\frac{3}{5}a\right) \right)$$

$$y = \frac{9b}{2a}x + \frac{27}{10}b + \frac{4}{5}b$$

$$y = \frac{9b}{2a}x + \frac{7}{2}b$$

交点 $R$ の座標を求めるため、直線 $PQ$ と直線 $P'Q'$ の方程式を連立する。

$$\frac{b}{a}x = \frac{9b}{2a}x + \frac{7}{2}b$$

$b > 0$ であるから、両辺を $b$ で割ると

$$\frac{x}{a} = \frac{9x}{2a} + \frac{7}{2}$$

両辺に $2a$ を掛けると

$$2x = 9x + 7a$$

$$-7x = 7a$$

$$x = -a$$

これを直線 $PQ$ の方程式に代入すると

$$y = \frac{b}{a} \cdot (-a) = -b$$

したがって、交点 $R$ の座標は $(-a, -b)$ である。

解法2

座標変換 $X = \frac{x}{a}$、$Y = \frac{y}{b}$ を行う。この変換により、だ円 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ は $XY$ 平面上の単位円 $X^2 + Y^2 = 1$ に写される。

この変換により、各点は以下のように写される。

(1)

直線 $A^*P^*$ の傾きは $\frac{\frac{1}{3} - 0}{\frac{1}{3} - 1} = -\frac{1}{2}$ であるから、その方程式は

$$Y = -\frac{1}{2}(X - 1)$$

これを単位円の方程式 $X^2 + Y^2 = 1$ に代入する。

$$X^2 + \frac{1}{4}(X - 1)^2 = 1$$

$$4X^2 + (X - 1)^2 = 4$$

$$5X^2 - 2X - 3 = 0$$

$$(X - 1)(5X + 3) = 0$$

交点 $P'^*$ の $X$ 座標は $X \neq 1$ より $X = -\frac{3}{5}$ である。 このとき $Y = -\frac{1}{2}\left(-\frac{3}{5} - 1\right) = \frac{4}{5}$ となる。 したがって、$P'^*\left(-\frac{3}{5}, \frac{4}{5}\right)$ であり、元の座標系に戻すと $P'\left(-\frac{3}{5}a, \frac{4}{5}b\right)$ である。

直線 $A^*Q^*$ の傾きは $\frac{-\frac{1}{3} - 0}{-\frac{1}{3} - 1} = \frac{1}{4}$ であるから、その方程式は

$$Y = \frac{1}{4}(X - 1)$$

これを単位円の方程式に代入する。

$$X^2 + \frac{1}{16}(X - 1)^2 = 1$$

$$16X^2 + (X - 1)^2 = 16$$

$$17X^2 - 2X - 15 = 0$$

$$(X - 1)(17X + 15) = 0$$

交点 $Q'^*$ の $X$ 座標は $X \neq 1$ より $X = -\frac{15}{17}$ である。 このとき $Y = \frac{1}{4}\left(-\frac{15}{17} - 1\right) = -\frac{8}{17}$ となる。 したがって、$Q'^*\left(-\frac{15}{17}, -\frac{8}{17}\right)$ であり、元の座標系に戻すと $Q'\left(-\frac{15}{17}a, -\frac{8}{17}b\right)$ である。

(2)

$P^*$ と $Q^*$ は原点対称であるから、直線 $P^*Q^*$ の方程式は

$$Y = X$$

である。 直線 $P'^*Q'^*$ は $P'^*\left(-\frac{3}{5}, \frac{4}{5}\right)$ と $Q'^*\left(-\frac{15}{17}, -\frac{8}{17}\right)$ を通るので、その傾きは

$$\frac{-\frac{8}{17} - \frac{4}{5}}{-\frac{15}{17} - \left(-\frac{3}{5}\right)} = \frac{-40 - 68}{-75 + 51} = \frac{-108}{-24} = \frac{9}{2}$$

よって、直線 $P'^*Q'^*$ の方程式は

$$Y - \frac{4}{5} = \frac{9}{2} \left(X - \left(-\frac{3}{5}\right)\right)$$

$$Y = \frac{9}{2}X + \frac{27}{10} + \frac{8}{10}$$

$$Y = \frac{9}{2}X + \frac{7}{2}$$

交点 $R^*$ はこの $2$ 直線の交点であるから連立して

$$X = \frac{9}{2}X + \frac{7}{2}$$

$$-\frac{7}{2}X = \frac{7}{2}$$

$$X = -1$$

このとき $Y = -1$ である。 したがって、$R^*(-1, -1)$ であり、元の座標系に戻すと $R(-a, -b)$ となる。

解説

だ円に関する交点計算の基本問題である。解法1のように文字 $a, b$ を残したまま愚直に計算しても十分解ききれるが、解法2のように「だ円を円に変換する($X = \frac{x}{a}$, $Y = \frac{y}{b}$)」という発想を用いると、各点から文字 $a, b$ が消えるため、計算ミスを大幅に防ぐことができる。

また、直線と2次曲線の交点を求める際、連立して得られる2次方程式の解の1つ(この場合は $x = a$)が事前に分かっていることを利用すると、因数分解が容易に行える。

答え

(1) $P'\left(-\frac{3}{5}a, \frac{4}{5}b\right)$ , $Q'\left(-\frac{15}{17}a, -\frac{8}{17}b\right)$

(2) $R(-a, -b)$

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