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九州大学 1969年 理系 第3問 解説

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九州大学 1969年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) は座標の回転を利用する。点 $(x, y)$ と新しい座標 $(X, Y)$ の関係式を導き、与えられた双曲線の方程式に代入する。 (2) は (1) で求めた標準形に近い双曲線の方程式から漸近線を求め、そのなす角の条件から $a$ を決定する。または、元の $xy$ 座標系での漸近線の方程式から直接傾きの関係式(解と係数の関係)を用いてなす角を処理する手法も有効である。

解法1

(1)

$O-xy$ 座標系における点 $P(x, y)$ の $O-XY$ 座標系における座標を $(X, Y)$ とする。 座標軸を正の方向に $45^\circ$ 回転させるため、$(X, Y)$ から $(x, y)$ への変換は $-45^\circ$ の回転となる。 回転の公式より、以下のように表される。

$$\begin{aligned} x &= X \cos(-45^\circ) - Y \sin(-45^\circ) = \frac{X - Y}{\sqrt{2}} \\ y &= X \sin(-45^\circ) + Y \cos(-45^\circ) = \frac{X + Y}{\sqrt{2}} \end{aligned}$$

これを元の双曲線の方程式 $ax^2 + 8xy + ay^2 = 1$ に代入する。

$$a \left( \frac{X - Y}{\sqrt{2}} \right)^2 + 8 \left( \frac{X - Y}{\sqrt{2}} \right) \left( \frac{X + Y}{\sqrt{2}} \right) + a \left( \frac{X + Y}{\sqrt{2}} \right)^2 = 1$$

展開して整理する。

$$\frac{a}{2} (X^2 - 2XY + Y^2) + 4 (X^2 - Y^2) + \frac{a}{2} (X^2 + 2XY + Y^2) = 1$$

$$a X^2 + a Y^2 + 4 X^2 - 4 Y^2 = 1$$

$$(a + 4)X^2 + (a - 4)Y^2 = 1$$

これが $O-XY$ 軸に関するこの双曲線の方程式である。

また、これが双曲線を表す条件は、$X^2$ の係数と $Y^2$ の係数の符号が異なることである。 よって、以下の不等式が成り立つ。

$$(a + 4)(a - 4) < 0$$

これを解いて、$a$ のとりうる値の範囲は

$$-4 < a < 4$$

となる。

(2)

(1) より、$O-XY$ 座標系での双曲線の方程式は $(a + 4)X^2 - (4 - a)Y^2 = 1$ である。 $-4 < a < 4$ のとき、$a + 4 > 0, 4 - a > 0$ であるから、この双曲線の漸近線の方程式は

$$(a + 4)X^2 - (4 - a)Y^2 = 0$$

すなわち、

$$Y = \pm \sqrt{\frac{a + 4}{4 - a}} X$$

となる。 この2つの漸近線が $X$ 軸の正の向きとなす角(鋭角)を $\alpha$ $(0^\circ < \alpha < 90^\circ)$ とおくと、$\tan \alpha = \sqrt{\frac{a + 4}{4 - a}}$ である。 2つの漸近線のなす角が $120^\circ$ であるとき、これらは $Y$ 軸に関して対称であるため、なす角は $2\alpha$ または $180^\circ - 2\alpha$ である。 したがって、$2\alpha = 120^\circ$ または $180^\circ - 2\alpha = 120^\circ$ のいずれかが成り立つ。 これより $\alpha = 60^\circ$ または $\alpha = 30^\circ$ である。

(i) $\alpha = 60^\circ$ のとき

$$\tan 60^\circ = \sqrt{3} = \sqrt{\frac{a + 4}{4 - a}}$$

両辺を2乗して整理する。

$$\frac{a + 4}{4 - a} = 3$$

$$a + 4 = 12 - 3a$$

$$4a = 8 \implies a = 2$$

これは $-4 < a < 4$ を満たす。

(ii) $\alpha = 30^\circ$ のとき

$$\tan 30^\circ = \frac{1}{\sqrt{3}} = \sqrt{\frac{a + 4}{4 - a}}$$

両辺を2乗して整理する。

$$\frac{a + 4}{4 - a} = \frac{1}{3}$$

$$3a + 12 = 4 - a$$

$$4a = -8 \implies a = -2$$

これも $-4 < a < 4$ を満たす。 以上より、$a = \pm 2$ である。

次に、$O-xy$ 軸に関する漸近線の方程式を求める。 中心が原点にある双曲線 $ax^2 + 8xy + ay^2 = 1$ に対応する漸近線は、定数項を $0$ とした $ax^2 + 8xy + ay^2 = 0$ で与えられる。

$a = 2$ のとき、

$$2x^2 + 8xy + 2y^2 = 0$$

$$x^2 + 4xy + y^2 = 0$$

これを $y$ について解くと、

$$y = \frac{-4x \pm \sqrt{16x^2 - 4x^2}}{2} = (-2 \pm \sqrt{3})x$$

$a = -2$ のとき、

$$-2x^2 + 8xy - 2y^2 = 0$$

$$x^2 - 4xy + y^2 = 0$$

これを $y$ について解くと、

$$y = \frac{4x \pm \sqrt{16x^2 - 4x^2}}{2} = (2 \pm \sqrt{3})x$$

解法2

(2) について、$O-xy$ 座標系のまま解と係数の関係を用いて解く別解を示す。

$xy$ 平面上の双曲線 $ax^2 + 8xy + ay^2 = 1$ の漸近線は、$ax^2 + 8xy + ay^2 = 0$ で表される。 (1) より、双曲線となる条件は $-4 < a < 4$ である。 もし $a = 0$ ならば漸近線は $xy = 0$ となり、2つの漸近線 ($x = 0, y = 0$) のなす角は $90^\circ$ となるため、不適である。 よって $a \neq 0$ としてよい。

漸近線の方程式の両辺を $x^2$ で割ると、以下の 2次方程式が得られる。

$$a \left(\frac{y}{x}\right)^2 + 8 \left(\frac{y}{x}\right) + a = 0$$

この方程式の 2つの実数解 $m_1, m_2$ は、それぞれ 2つの漸近線の傾きを表す。 解と係数の関係より、

$$m_1 + m_2 = -\frac{8}{a}, \quad m_1 m_2 = 1$$

が成り立つ。 2直線のなす角を考える。なす角が $120^\circ$ であることから、交角の鋭角側を $\theta$ とすると $\theta = 180^\circ - 120^\circ = 60^\circ$ である。 公式 $\tan \theta = \left| \frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2} \right|$ を用いる。 ここで、

$$(m_1 - m_2)^2 = (m_1 + m_2)^2 - 4m_1 m_2 = \left(-\frac{8}{a}\right)^2 - 4 = \frac{64 - 4a^2}{a^2} = \frac{4(16 - a^2)}{a^2}$$

であるから、

$$|m_1 - m_2| = \frac{2\sqrt{16 - a^2}}{|a|}$$

となる。また $1 + m_1 m_2 = 2$ であるため、

$$\tan \theta = \frac{\frac{2\sqrt{16 - a^2}}{|a|}}{2} = \frac{\sqrt{16 - a^2}}{|a|}$$

となる。$\tan 60^\circ = \sqrt{3}$ より、

$$\frac{\sqrt{16 - a^2}}{|a|} = \sqrt{3}$$

両辺を正として2乗すると、

$$\frac{16 - a^2}{a^2} = 3$$

$$16 - a^2 = 3a^2$$

$$4a^2 = 16 \implies a^2 = 4 \implies a = \pm 2$$

これは $a \neq 0$ と $-4 < a < 4$ を満たす。 以降の漸近線の方程式の導出は解法1と同様である。

解説

2次曲線の標準化(回転移動)と漸近線の性質を問う典型問題である。 (1) では座標軸の回転変換を正しく定式化できるかが問われる。$(x, y)$ と $(X, Y)$ の関係式を間違えないように注意したい。 (2) は $XY$ 座標系での漸近線の傾きに注目してもよいし(解法1)、元の $xy$ 座標系のまま「解と係数の関係」と「2直線のなす角の公式」を利用してもよい(解法2)。一般的に、中心が原点にある双曲線の漸近線の方程式は $ax^2 + 8xy + ay^2 = 0$ のように定数項を $0$ にしたものとしてすぐに求められる事実を知っていると、計算のショートカットになる。

答え

(1) 方程式:$(a + 4)X^2 + (a - 4)Y^2 = 1$ $a$ のとりうる値の範囲:$-4 < a < 4$

(2) $a = 2$ のとき、漸近線の方程式は $y = (-2 \pm \sqrt{3})x$ $a = -2$ のとき、漸近線の方程式は $y = (2 \pm \sqrt{3})x$

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