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東北大学 1971年 文系 第2問 解説

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東北大学 1971年 文系 第2問 解説

方針・初手

2つの漸近線 $y = \sqrt{3}x$ と $y = -\frac{1}{\sqrt{3}}x$ の傾きの積が $\sqrt{3} \cdot \left(-\frac{1}{\sqrt{3}}\right) = -1$ であることから、これらが直交していることに着目します。したがって、求める曲線は直角双曲線です。 解法としては、与えられた $\cos^2\frac{\pi}{12}$ の値を活用するために、標準形の双曲線を回転移動して考える方法と、漸近線の方程式から直接双曲線の方程式を置く方法(束の考え方)の2つが考えられます。

解法1

漸近線 $y = \sqrt{3}x$ および $y = -\frac{1}{\sqrt{3}}x$ の偏角をそれぞれ $\alpha, \beta$ とすると、$\tan \alpha = \sqrt{3}$、$\tan \beta = -\frac{1}{\sqrt{3}}$ より、$\alpha = \frac{\pi}{3}$、$\beta = -\frac{\pi}{6}$ ととることができる。 2つの漸近線のなす角は $\frac{\pi}{2}$ であるから、これは直角双曲線である。

この双曲線は点 $(1,0)$ を通る。点 $(1,0)$ の偏角は $0$ であり、$-\frac{\pi}{6} < 0 < \frac{\pi}{3}$ を満たすため、双曲線の頂点を通る主軸の偏角 $\theta$ は、この2直線のなす角の二等分線の偏角となる。

$$ \theta = \frac{\alpha + \beta}{2} = \frac{\frac{\pi}{3} + \left(-\frac{\pi}{6}\right)}{2} = \frac{\pi}{12} $$

したがって、求める双曲線は、標準形の直角双曲線 $X^2 - Y^2 = a^2$ $(a>0)$ を、原点を中心として $\frac{\pi}{12}$ だけ回転させたものである。 回転前の座標系 $(X, Y)$ と回転後の座標系 $(x, y)$ の関係は次のように表される。

$$ \begin{cases} X = x \cos\frac{\pi}{12} + y \sin\frac{\pi}{12} \\ Y = -x \sin\frac{\pi}{12} + y \cos\frac{\pi}{12} \end{cases} $$

双曲線上の点 $(x, y) = (1, 0)$ に対応する $(X, Y)$ を求めると、

$$ X = \cos\frac{\pi}{12}, \quad Y = -\sin\frac{\pi}{12} $$

これが $X^2 - Y^2 = a^2$ を満たすので代入する。

$$ a^2 = \cos^2\frac{\pi}{12} - \left(-\sin\frac{\pi}{12}\right)^2 = \cos^2\frac{\pi}{12} - \sin^2\frac{\pi}{12} $$

$\sin^2\frac{\pi}{12} = 1 - \cos^2\frac{\pi}{12}$ であるから、

$$ a^2 = 2\cos^2\frac{\pi}{12} - 1 $$

与えられた条件 $\cos^2\frac{\pi}{12} = \frac{2+\sqrt{3}}{4}$ を代入すると、

$$ a^2 = 2 \left( \frac{2+\sqrt{3}}{4} \right) - 1 = \frac{2+\sqrt{3}}{2} - 1 = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

求める方程式は、$X^2 - Y^2 = \frac{\sqrt{3}}{2}$ に $(x, y)$ の式を代入したものである。

$$ \left( x \cos\frac{\pi}{12} + y \sin\frac{\pi}{12} \right)^2 - \left( -x \sin\frac{\pi}{12} + y \cos\frac{\pi}{12} \right)^2 = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

左辺を展開して整理すると、

$$ \left( \cos^2\frac{\pi}{12} - \sin^2\frac{\pi}{12} \right) x^2 + 4 \sin\frac{\pi}{12} \cos\frac{\pi}{12} xy - \left( \cos^2\frac{\pi}{12} - \sin^2\frac{\pi}{12} \right) y^2 = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

ここで、倍角の公式より以下の関係が成り立つ。

$$ \cos^2\frac{\pi}{12} - \sin^2\frac{\pi}{12} = \cos\left(2 \cdot \frac{\pi}{12}\right) = \cos\frac{\pi}{6} = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

$$ 4 \sin\frac{\pi}{12} \cos\frac{\pi}{12} = 2 \sin\left(2 \cdot \frac{\pi}{12}\right) = 2 \sin\frac{\pi}{6} = 2 \cdot \frac{1}{2} = 1 $$

これらを代入すると、

$$ \frac{\sqrt{3}}{2} x^2 + xy - \frac{\sqrt{3}}{2} y^2 = \frac{\sqrt{3}}{2} $$

両辺を2倍して整理すると、求める方程式が得られる。

$$ \sqrt{3}x^2 + 2xy - \sqrt{3}y^2 = \sqrt{3} $$

解法2

原点を中心とする双曲線の2つの漸近線がそれぞれ直線 $ax+by=0$、$cx+dy=0$ であるとき、その双曲線の方程式は実数の定数 $k \neq 0$ を用いて次のように表すことができる。

$$ (ax+by)(cx+dy) = k $$

与えられた漸近線の方程式を変形すると、

$$ y = \sqrt{3}x \iff \sqrt{3}x - y = 0 $$

$$ y = -\frac{1}{\sqrt{3}}x \iff x + \sqrt{3}y = 0 $$

したがって、この2直線を漸近線に持つ双曲線の方程式は、

$$ (\sqrt{3}x - y)(x + \sqrt{3}y) = k \quad (k \neq 0) $$

と置ける。これが点 $(1, 0)$ を通るので、代入して $k$ の値を求める。

$$ (\sqrt{3} \cdot 1 - 0)(1 + \sqrt{3} \cdot 0) = k $$

$$ k = \sqrt{3} \cdot 1 = \sqrt{3} $$

よって、双曲線の方程式は、

$$ (\sqrt{3}x - y)(x + \sqrt{3}y) = \sqrt{3} $$

左辺を展開すると、

$$ \sqrt{3}x^2 + 3xy - xy - \sqrt{3}y^2 = \sqrt{3} $$

整理して、求める方程式が得られる。

$$ \sqrt{3}x^2 + 2xy - \sqrt{3}y^2 = \sqrt{3} $$

解説

問題文にわざわざ $\cos^2\frac{\pi}{12}$ の値が与えられていることから、出題者は【解法1】の回転移動を用いたアプローチを想定していたと推測されます。主軸の傾きを捉え、標準形を回転させるという二次曲線の基本構造の理解を問う良問です。 一方で、実戦的な試験の場においては【解法2】の「漸近線の方程式から双曲線の方程式を置く」という定石が非常に強力で、計算量も大幅に削減できます。「2直線 $l_1=0$, $l_2=0$ を漸近線とする双曲線は $l_1 l_2 = k$ とおける」という事実は、受験数学において頻出の手法ですので、ぜひ習得しておきたい解法です。

答え

$$ \sqrt{3}x^2 + 2xy - \sqrt{3}y^2 = \sqrt{3} $$

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