九州大学 1991年 文系 第2問 解説

方針・初手
(1) については、与えられた不等式から各変数の取りうる範囲を読み取り、図形がどのような基本立体(柱体など)になるかを把握する。$x$ の範囲と $y, z$ の範囲が独立して与えられていることに着目する。
(2) については、$z$ 軸まわりの回転体であるから、$z$ 軸に垂直な平面 $z=t$ で図形 $K$ を切断し、その断面を $z$ 軸まわりに回転させた図形の面積 $S(t)$ を求めるという定石に従う。
解法1
(1)
与えられた図形 $K$ を定める不等式は以下の通りである。
$$0 \leqq x \leqq 1, \quad y \geqq 0, \quad z \geqq 0, \quad y + z \leqq 1$$
この条件は、$x$ 軸方向の制限と $yz$ 平面における制限が独立していることを示している。
$yz$ 平面において、$y \geqq 0, z \geqq 0, y + z \leqq 1$ を満たす領域は、3点 $(0,0), (1,0), (0,1)$ を頂点とする直角二等辺三角形の周および内部である。
図形 $K$ は、この三角形の領域を $x$ 軸に沿って $0 \leqq x \leqq 1$ の範囲で動かしてできる立体である。
したがって、$K$ の概形は、空間内の6点 $(0,0,0), (1,0,0), (0,1,0), (1,1,0), (0,0,1), (1,0,1)$ を頂点とする三角柱である。
(2)
立体 $K$ を $z$ 軸に垂直な平面 $z=t$ ($0 \leqq t \leqq 1$)で切断したときの断面 $D_t$ を考える。
断面 $D_t$ に含まれる点 $(x, y, t)$ が満たす条件は、元の不等式に $z=t$ を代入して得られる以下の不等式である。
$$0 \leqq x \leqq 1, \quad 0 \leqq y \leqq 1-t$$
これは $z=t$ 平面において、点 $(0,0,t)$ を1つの頂点とする長方形の周および内部の領域である。
この断面 $D_t$ を $z$ 軸(すなわち点 $(0,0,t)$)のまわりに1回転させた図形の面積 $S(t)$ を求める。
点 $(0,0,t)$ と $D_t$ 内の点 $(x, y, t)$ との距離の2乗は $x^2 + y^2$ である。
点 $(x,y)$ が領域 $0 \leqq x \leqq 1, 0 \leqq y \leqq 1-t$ を動くとき、$x^2 + y^2$ の最大値は点 $(x, y) = (1, 1-t)$ のときに構成され、$1^2 + (1-t)^2$ である。
また、点 $(0,0)$ が領域 $D_t$ に含まれるため、$x^2 + y^2$ の最小値は $0$ である。
したがって、断面 $D_t$ を $z$ 軸まわりに回転させた図形は、点 $(0,0,t)$ を中心とする半径 $\sqrt{1 + (1-t)^2}$ の円の内部全体となり、中空のドーナツ型にはならない。
この円の面積 $S(t)$ は以下のようになる。
$$S(t) = \pi \{1^2 + (1-t)^2\} = \pi (t^2 - 2t + 2)$$
求める回転体の体積 $V$ は、断面積 $S(t)$ を $t=0$ から $t=1$ まで積分して得られる。
$$\begin{aligned} V &= \int_{0}^{1} S(t) dt \\ &= \pi \int_{0}^{1} (t^2 - 2t + 2) dt \\ &= \pi \left[ \frac{t^3}{3} - t^2 + 2t \right]_{0}^{1} \\ &= \pi \left( \frac{1}{3} - 1 + 2 \right) \\ &= \frac{4}{3}\pi \end{aligned}$$
解説
空間図形の回転体の体積を求める典型的な問題である。回転軸に垂直な平面で切断し、その断面が回転軸のまわりを回転してできる図形の面積を求めるという基本方針が重要になる。
今回の断面は長方形であり、回転軸との距離の最大値と最小値を正確に把握することがポイントとなる。長方形が回転軸を含んでいるため、回転後の断面は円環(ドーナツ型)ではなく、中心まで詰まった円になる点に注意したい。
答え
(1) 6点 $(0,0,0), (1,0,0), (0,1,0), (1,1,0), (0,0,1), (1,0,1)$ を頂点とする三角柱
(2) $\frac{4}{3}\pi$
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