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九州大学 2025年 文系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数数学2/複素数と方程式テーマ/場合分け
九州大学 2025年 文系 第4問 解説

方針・初手

$f(x) = 0$ を満たす実数 $x$ は、$x-c=0$ すなわち $x=c$ と、2次方程式 $x^2-ax+b=0$ の実数解を合わせたものである。 さいころの目より $c$ は自然数であるから、$x=c$ は常に実数解(自然数解)となる。このことを踏まえ、2次方程式 $g(x) = x^2-ax+b = 0$ の解の判別式や解と係数の関係を利用して、条件を満たすさいころの目 $(a, b, c)$ の組を数え上げる。

解法1

(1) $f(x) = (x^2-ax+b)(x-c) = 0$ を満たす実数 $x$ は、$x=c$ と $g(x) = x^2-ax+b = 0$ の実数解である。 $x=c$ は常に1つの実数解となるため、$f(x) = 0$ をみたす実数 $x$ の個数が1個となるのは、次のいずれかの場合である。

(i) $g(x) = 0$ が実数解を持たない場合

$g(x) = 0$ の判別式を $D$ とすると、$D = a^2 - 4b < 0$ すなわち $a^2 < 4b$ である。 $a, b$ は1から6までの自然数であるから、これを満たす $(a, b)$ の組を調べる。 $a=1$ のとき、$1 < 4b$ より $b=1,2,3,4,5,6$ (6通り) $a=2$ のとき、$4 < 4b$ より $b=2,3,4,5,6$ (5通り) $a=3$ のとき、$9 < 4b$ より $b=3,4,5,6$ (4通り) $a=4$ のとき、$16 < 4b$ より $b=5,6$ (2通り) $a=5$ のとき、$25 < 4b$ を満たす $b$ は存在しない。 $a=6$ のとき、$36 < 4b$ を満たす $b$ は存在しない。 これらを満たす $(a, b)$ の組は $6+5+4+2=17$ 通り。 このとき $c$ は1から6のどれでもよいので、$(a, b, c)$ の組は $17 \times 6 = 102$ 通り。

(ii) $g(x) = 0$ が $x=c$ を重解として持つ場合

このとき $g(x) = (x-c)^2 = x^2-2cx+c^2$ となるので、係数を比較して

$$ \begin{cases} a = 2c \\ b = c^2 \end{cases} $$

これを満たすさいころの目の組を調べる。 $c=1$ のとき、$a=2, b=1$ $c=2$ のとき、$a=4, b=4$ $c=3$ のとき、$a=6, b=9$ となるが $b$ は6以下であるから不適。 $c \ge 4$ のときも同様に不適である。 よって、条件を満たす $(a, b, c)$ の組は $(2,1,1), (4,4,2)$ の2通り。

(i)(ii) は互いに排反であるから、条件を満たす組の総数は $102 + 2 = 104$ (通り)である。 さいころの目の出方の総数は $6^3 = 216$ 通りなので、求める確率は

$$ \frac{104}{216} = \frac{13}{27} $$

(2) $f(x) = 0$ をみたす自然数 $x$ の個数が3個となるのは、$g(x) = 0$ が $c$ と異なる2つの自然数解を持つ場合である。 $g(x) = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$)とおく。解と係数の関係より

$$ \begin{cases} \alpha + \beta = a \\ \alpha \beta = b \end{cases} $$

$\alpha, \beta$ は自然数であり、$a, b$ は6以下の自然数である。これらを満たす $(\alpha, \beta)$ の組を調べる。 $\alpha=1$ のとき $\beta=2$ なら $a=3, b=2$ $\beta=3$ なら $a=4, b=3$ $\beta=4$ なら $a=5, b=4$ $\beta=5$ なら $a=6, b=5$ $\beta=6$ なら $a=7$ となり不適。

$\alpha=2$ のとき $\beta=3$ なら $a=5, b=6$ $\beta=4$ なら $a=6, b=8$ となり不適。

したがって、条件を満たす $(\alpha, \beta)$ の組は $(1,2), (1,3), (1,4), (1,5), (2,3)$ の5通り存在し、それぞれに対して $(a, b)$ の組が1通りに定まる。 また、3つの自然数解 $\alpha, \beta, c$ はすべて異なる必要があるため、$c$ は $\alpha, \beta$ 以外の目を取らなければならない。 各 $(\alpha, \beta)$ の組に対して $c$ の選び方は $6 - 2 = 4$ 通りある。 よって、条件を満たす $(a, b, c)$ の組の総数は

$$ 5 \times 4 = 20 \text{ (通り)} $$

求める確率は

$$ \frac{20}{216} = \frac{5}{54} $$

解説

3次方程式の解の個数や種類に関する確率問題である。方程式が既に $(1次式) \times (2次式) = 0$ の形に因数分解されているため、$x=c$ という解が確定していることに着目して丁寧に場合分けを行う。 (1) では、2次方程式が実数解を持たない場合($D < 0$)だけでなく、全体として3重解となる場合(2次方程式が $x=c$ を重解に持つ場合)を忘れずに検討することがポイントである。 (2) では、2次方程式が自然数解を持つ条件を考える際に、判別式から絞り込むよりも解と係数の関係を利用して積と和の条件から2解 $\alpha, \beta$ を直接探す方が効率が良い。

答え

(1) $\frac{13}{27}$

(2) $\frac{5}{54}$

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