東北大学 2015年 理系 第3問 解説

方針・初手
まず判別式と解と係数の関係を用いる。
方程式
$$ 2p_1x^2+p_2x+2p_3=0 $$
の判別式は
$$ D=p_2^2-4\cdot 2p_1\cdot 2p_3=p_2^2-16p_1p_3 $$
である。
また、解を $\alpha,\beta$ とすると
$$ \alpha\beta=\frac{2p_3}{2p_1}=\frac{p_3}{p_1} $$
である。
したがって、各小問は
- 実数解をもつ $\Longleftrightarrow D\geqq 0$
- 実数でない2つの複素数解をもつ $\Longleftrightarrow D<0$
- $\alpha\beta=1,\ \alpha\beta<1$ は $\dfrac{p_3}{p_1}=1,\ \dfrac{p_3}{p_1}<1$
に言い換えて数え上げればよい。
全事象は、サイコロを3回投げるので
$$ 6^3=216 $$
通りである。
解法1
(1) 方程式が実数解をもつ確率
実数解をもつ条件は
$$ D=p_2^2-16p_1p_3\geqq 0 $$
すなわち
$$ p_2^2\geqq 16p_1p_3 $$
である。
ここで $1\leqq p_2\leqq 6$ なので
$$ p_2^2\leqq 36 $$
である。よって必要条件として
$$ 16p_1p_3\leqq 36 $$
すなわち
$$ p_1p_3\leqq 2 $$
が必要である。
正の整数 $p_1,p_3\in{1,2,3,4,5,6}$ で $p_1p_3\leqq 2$ となるのは
- $(p_1,p_3)=(1,1)$
- $(p_1,p_3)=(1,2),(2,1)$
のみである。
(i)
$(p_1,p_3)=(1,1)$ のとき
$$ p_2^2\geqq 16 $$
より
$$ p_2=4,5,6 $$
の3通り。
(ii)
$(p_1,p_3)=(1,2),(2,1)$ のとき
$$ p_2^2\geqq 32 $$
より
$$ p_2=6 $$
のみで、それぞれ1通りずつ、計2通り。
したがって有利な場合の数は
$$ 3+2=5 $$
通りである。よって確率は
$$ \frac{5}{216} $$
である。
(2) 実数でない2つの複素数解 $\alpha,\beta$ をもち、かつ $\alpha\beta=1$ となる確率
まず
$$ \alpha\beta=\frac{p_3}{p_1} $$
なので、$\alpha\beta=1$ となる条件は
$$ p_1=p_3 $$
である。
さらに、実数でない2つの複素数解をもつためには
$$ D=p_2^2-16p_1p_3<0 $$
が必要である。ここで $p_1=p_3$ だから
$$ p_2^2<16p_1^2 $$
である。
(i)
$p_1=p_3=1$ のとき
$$ p_2^2<16 $$
より
$$ p_2=1,2,3 $$
の3通り。
(ii)
$p_1=p_3=2,3,4,5,6$ のときは
$$ 16p_1^2\geqq 64>36\geqq p_2^2 $$
であるから、$p_2=1,2,3,4,5,6$ の6通りすべてが使える。
この場合は $p_1$ の選び方が5通りあるので、
$$ 5\times 6=30 $$
通り。
したがって有利な場合の数は
$$ 3+30=33 $$
通りである。よって確率は
$$ \frac{33}{216}=\frac{11}{72} $$
である。
(3) 実数でない2つの複素数解 $\alpha,\beta$ をもち、かつ $\alpha\beta<1$ となる確率
まず
$$ \alpha\beta=\frac{p_3}{p_1} $$
より、$\alpha\beta<1$ は
$$ p_3<p_1 $$
と同値である。
さらに、実数でない2つの複素数解をもつためには
$$ D=p_2^2-16p_1p_3<0 $$
すなわち
$$ p_2^2<16p_1p_3 $$
が必要である。
ここで $p_3<p_1$ を満たす $(p_1,p_3)$ は $1\leqq p_3<p_1\leqq 6$ より
$$ {}_{6}\mathrm{C}_{2}=15 $$
通りある。
このうち最小の積 $p_1p_3$ は $(p_1,p_3)=(2,1)$ のときの $2$ である。
(i)
$(p_1,p_3)=(2,1)$ のとき
$$ p_2^2<32 $$
より
$$ p_2=1,2,3,4,5 $$
の5通り。
(ii) それ以外の14通りでは $p_1p_3\geqq 3$ なので
$$ 16p_1p_3\geqq 48>36\geqq p_2^2 $$
となり、$p_2=1,2,3,4,5,6$ の6通りすべてで $D<0$ が成り立つ。
したがって有利な場合の数は
$$ 5+14\times 6=89 $$
通りである。よって確率は
$$ \frac{89}{216} $$
である。
解説
この問題の要点は、二次方程式の解の条件をそのままサイコロの目の条件に落とし込むことである。
特に重要なのは
$$ D=p_2^2-16p_1p_3,\qquad \alpha\beta=\frac{p_3}{p_1} $$
の2本である。
(1) では $p_2^2\leqq 36$ という上限に注目すると、$p_1p_3$ がかなり小さい場合しか実数解をもてないことがすぐ分かる。
(2), (3) では $\alpha\beta$ の条件がそのまま $p_1,p_3$ の大小関係や一致条件になるため、判別式と組み合わせて一気に数え上げられる。
答え
$$ \text{(1)}\ \frac{5}{216},\qquad \text{(2)}\ \frac{11}{72},\qquad \text{(3)}\ \frac{89}{216} $$
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