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九州大学 1986年 理系 第4問 解説

数学1/立体図形数学2/三角関数数学2/積分法テーマ/面積・体積テーマ/空間図形
九州大学 1986年 理系 第4問 解説

方針・初手

空間における立体の体積を求める問題である。2点 $P, Q$ の $x$ 座標が常に等しいことに着目し、$x = t$ ($0 \leqq t \leqq \frac{\pi}{2}$) という平面で立体を切断した断面を考える。断面の面積を $t$ の関数として表し、それを $x$ の範囲で定積分して体積を求める。

解法1

$x = t$ ($0 \leqq t \leqq \frac{\pi}{2}$) なる平面で曲面 $S$ を切断する。

点 $P, Q$ の $x$ 座標は常に等しいので、$x = t$ 平面上の切り口は、2点 $P(t, 0, \cos^2 t)$, $Q(t, 1 - \sin t, 0)$ を結ぶ線分 $PQ$ となる。

このとき、$0 \leqq t \leqq \frac{\pi}{2}$ において、$1 - \sin t \geqq 0$ および $\cos^2 t \geqq 0$ が成り立つ。

立体は、曲面 $S$ と3つの座標平面 ($x=0$, $y=0$, $z=0$) で囲まれる。$x=t$ 平面によるこの立体の断面は、$x=t$ 平面上において、線分 $PQ$ と $xy$ 平面上の直線 ($z=0$)、および $zx$ 平面上の直線 ($y=0$) で囲まれた直角三角形となる。

この直角三角形の底辺の長さは $1 - \sin t$、高さは $\cos^2 t$ であるから、その断面積を $S(t)$ とすると、

$$S(t) = \frac{1}{2} (1 - \sin t) \cos^2 t$$

と表せる。

求める立体の体積 $V$ は、この断面積 $S(t)$ を $t = 0$ から $t = \frac{\pi}{2}$ まで積分したものであるから、

$$V = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} S(t) dt$$

$$V = \frac{1}{2} \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} (1 - \sin t) \cos^2 t dt$$

$$V = \frac{1}{2} \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} (\cos^2 t - \sin t \cos^2 t) dt$$

ここで、それぞれの項の積分を計算する。

$$\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^2 t dt = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{1 + \cos 2t}{2} dt$$

$$= \left[ \frac{1}{2} t + \frac{1}{4} \sin 2t \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}}$$

$$= \frac{\pi}{4}$$

また、もう一方の項は、

$$\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sin t \cos^2 t dt = \left[ - \frac{1}{3} \cos^3 t \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}}$$

$$= 0 - \left( - \frac{1}{3} \right) = \frac{1}{3}$$

これらを代入して、

$$V = \frac{1}{2} \left( \frac{\pi}{4} - \frac{1}{3} \right)$$

$$= \frac{\pi}{8} - \frac{1}{6}$$

解説

空間図形の体積を求める定石通り、「軸に垂直な平面で切る」ことで解決する問題である。本問では2動点の $x$ 座標が常に一致しているため、$x$ 軸に垂直な平面で切断すると切り口が単純な線分になることが見えやすい。

積分の計算においても、半角の公式を用いた $\cos^2 t$ の積分や、微分の逆算として処理できる $\sin t \cos^2 t$ の積分など、数学IIIにおける極めて標準的な計算が要求されている。基礎的な計算力と空間図形の捉え方を確認するのに適した問題である。

答え

$$\frac{\pi}{8} - \frac{1}{6}$$

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