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九州大学 1973年 理系 第5問 解説

数学1/立体図形数学2/微分法数学2/積分法テーマ/面積・体積テーマ/空間図形
九州大学 1973年 理系 第5問 解説

方針・初手

各点の座標から平面 $ABC$ の方程式を求め、点と平面の距離の公式を利用して三角柱の高さを求める。 $\triangle A'B'C'$ が底面となる直三角柱であることを確認し、正三角形の面積公式を用いて底面積を求める。 求めた体積の式を $a$ で微分し、増減表から最大値を求める。

解法1

(1)

与えられた点 $A(1, 0, 0)$, $B(0, 1, 0)$, $C(0, 0, 1)$ を通る平面 $ABC$ の方程式は、各切片の形から以下のように分かる。

$$x + y + z = 1$$

また、$\overrightarrow{OA'} = a\overrightarrow{OA}$, $\overrightarrow{OB'} = a\overrightarrow{OB}$, $\overrightarrow{OC'} = a\overrightarrow{OC}$ であるから、点 $A', B', C'$ の座標はそれぞれ $A'(a, 0, 0)$, $B'(0, a, 0)$, $C'(0, 0, a)$ である。

これら3点を通る平面 $A'B'C'$ の方程式は以下のようになる。

$$x + y + z = a$$

平面 $A'B'C'$ と平面 $ABC$ は法線ベクトルが一致するため、互いに平行である。 問題の条件より、$A'', B'', C''$ はそれぞれ $A', B', C'$ から平面 $ABC$ に下ろした垂線の足であるから、線分 $A'A'', B'B'', C'C''$ はすべて平面 $ABC$ に垂直である。 さらに平面 $ABC$ と平面 $A'B'C'$ が平行であるため、これらの線分は平面 $A'B'C'$ にも垂直となる。 したがって、3角柱 $A'B'C'A''B''C''$ は $\triangle A'B'C'$ を底面とし、高さを線分 $A'A''$ の長さとする直三角柱である。

底面 $\triangle A'B'C'$ について考える。各辺の長さを求めると、

$$A'B' = \sqrt{(0-a)^2 + (a-0)^2 + 0^2} = \sqrt{2}a$$

同様に $B'C' = C'A' = \sqrt{2}a$ であるから、$\triangle A'B'C'$ は一辺の長さが $\sqrt{2}a$ の正三角形である。その面積 $T$ は、

$$T = \frac{1}{2} \cdot \sqrt{2}a \cdot \sqrt{2}a \cdot \sin 60^\circ = a^2 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = \frac{\sqrt{3}}{2}a^2$$

次に、三角柱の高さ $h$ を求める。高さ $h$ は線分 $A'A''$ の長さであり、これは点 $A'(a, 0, 0)$ と平面 $x + y + z - 1 = 0$ の距離に等しい。点と平面の距離の公式より、

$$h = \frac{|a + 0 + 0 - 1|}{\sqrt{1^2 + 1^2 + 1^2}} = \frac{|a - 1|}{\sqrt{3}}$$

ここで、$0 < a < 1$ より $a - 1 < 0$ であるから、

$$h = \frac{1-a}{\sqrt{3}}$$

よって、求める3角柱の体積 $S(a)$ は底面積と高さの積であるから、

$$S(a) = T \times h = \frac{\sqrt{3}}{2}a^2 \times \frac{1-a}{\sqrt{3}} = \frac{a^2(1-a)}{2}$$

(2)

(1)で求めた $S(a)$ の式を展開する。

$$S(a) = \frac{1}{2}(a^2 - a^3)$$

これを $a$ について微分すると、

$$S'(a) = \frac{1}{2}(2a - 3a^2) = \frac{1}{2}a(2 - 3a)$$

$S'(a) = 0$ とすると、$a = 0, \frac{2}{3}$ である。 $0 < a < 1$ の範囲における $S(a)$ の増減表は以下のようになる。

$a$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{2}{3}$ $\cdots$ $(1)$
$S'(a)$ $+$ $0$ $-$
$S(a)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$S(a)$ は $a = \frac{2}{3}$ のとき最大値をとる。その値は、

$$S\left(\frac{2}{3}\right) = \frac{1}{2} \cdot \left(\frac{2}{3}\right)^2 \cdot \left(1 - \frac{2}{3}\right) = \frac{1}{2} \cdot \frac{4}{9} \cdot \frac{1}{3} = \frac{2}{27}$$

解説

空間図形において座標が与えられている場合、成分計算や平面の方程式を用いることで視覚的な直感に頼らず厳密に処理することができる。 本問では、平面 $ABC$ の方程式が切片方程式から $x+y+z=1$ と即座に立てられることと、点と平面の距離の公式を適用できるかが鍵となる。 また、与えられた立体が直三角柱であること(側稜が底面に垂直であること)を論理的に確認することで、底面積と高さの積から体積を求める根拠が明確になる。 微分を用いた最大値の計算は標準的であり、計算ミスに気をつけて確実に得点したい。

答え

(1)

$$S(a) = \frac{a^2(1-a)}{2}$$

(2)

$$a = \frac{2}{3} \text{ のとき最大値 } \frac{2}{27}$$

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