名古屋大学 1977年 文系 第2問 解説

方針・初手
- $y = \frac{1}{x}$ 上の異なる2点を $\text{P}\left(p, \frac{1}{p}\right), \text{Q}\left(q, \frac{1}{q}\right)$ とおく。
- 線分 $\text{PQ}$ の中点を $(X, Y)$ とし、$X, Y$ を $p, q$ で表す。
- $p, q$ が「0でない異なる実数」として存在するような $(X, Y)$ の条件を、2次方程式の解の存在条件に帰着させて求める(逆像法)。
解法1
関数 $y = \frac{1}{x}$ のグラフ上の異なる2点を $\text{P}\left(p, \frac{1}{p}\right), \text{Q}\left(q, \frac{1}{q}\right)$ とおく。 ただし、$p, q$ は $p \neq q$ かつ $p \neq 0, q \neq 0$ を満たす実数である。
線分 $\text{PQ}$ の中点を $\text{M}(X, Y)$ とすると、
$$ X = \frac{p+q}{2} $$
$$ Y = \frac{1}{2}\left(\frac{1}{p} + \frac{1}{q}\right) = \frac{p+q}{2pq} $$
これらを整理すると、
$$ p+q = 2X $$
$$ Ypq = X $$
となる。求める集合は、これらの式を満たす実数 $p, q$ ($p \neq q, p \neq 0, q \neq 0$) が存在するような点 $(X, Y)$ の集合である。
$p, q$ は $t$ の2次方程式
$$ t^2 - (p+q)t + pq = 0 $$
の異なる2つの実数解である。 これが $t=0$ 以外の異なる2つの実数解をもつ条件は、判別式を $D$ とすると、$D > 0$ かつ $t=0$ を解にもたないことである。 $t=0$ を解にもたない条件は $pq \neq 0$ である。 判別式の条件は、
$$ D = (p+q)^2 - 4pq > 0 $$
$$ (2X)^2 - 4pq > 0 $$
$$ X^2 - pq > 0 $$
となる。ここで $Y$ の値によって場合分けを行う。
(i) $Y \neq 0$ のとき
$Ypq = X$ より $pq = \frac{X}{Y}$ である。 $pq \neq 0$ より $X \neq 0$ である。 判別式の条件に代入すると、
$$ X^2 - \frac{X}{Y} > 0 $$
$$ \frac{X(XY - 1)}{Y} > 0 $$
となる。ここで $X \neq 0, Y \neq 0$ であるから、
- $XY > 0$ ($X$ と $Y$ が同符号)のとき $\frac{X}{Y} > 0$ であるため、$XY - 1 > 0$ すなわち $XY > 1$ となる。
- $XY < 0$ ($X$ と $Y$ が異符号)のとき $\frac{X}{Y} < 0$ であるため、$XY - 1 < 0$ すなわち $XY < 1$ となる。これは $XY < 0$ のとき常に成り立つ。
したがって、$Y \neq 0$ のときの $(X,Y)$ の条件は、$XY > 1$ または $XY < 0$ である。
(ii) $Y = 0$ のとき
$Ypq = X$ より $X = 0$ となる。 このとき $p+q = 0$ となり、判別式の条件は $0 - pq > 0$ すなわち $pq < 0$ となる。 例えば $p=1, q=-1$ とすれば、$p \neq q$ かつ $p \neq 0, q \neq 0$ を満たし、$X=0, Y=0$ となるため、点 $(0, 0)$ は条件を満たす。
以上 (i), (ii) より、点 $(X, Y)$ が満たすべき条件は
$$ XY > 1 \quad \text{または} \quad XY < 0 \quad \text{または} \quad (X, Y) = (0, 0) $$
である。 これを $xy$ 平面上に図示すると、求める領域が得られる。
解説
軌跡・領域の典型問題である。与えられた図形上の点をパラメータで表し、中点の座標から「もとのパラメータが条件を満たす実数として存在する」ための条件を逆算する(逆像法)。 パラメータを消去する際、$Ypq = X$ のような式から安易に $pq = \frac{X}{Y}$ と割ってしまうと、$Y=0$ の場合を見落としてしまう。$Y=0$ のときに点 $(0,0)$ が含まれること、また $XY < 0$ の領域に $x$軸・$y$軸は含まれないことに注意して、同値変形を正確に進める必要がある。
答え
求める点 $(x, y)$ の集合は、
$$ xy > 1 \quad \text{または} \quad xy < 0 \quad \text{または} \quad (x, y) = (0, 0) $$
を満たす領域である。 図示すると、第1象限・第3象限においては双曲線 $xy = 1$ を境界とする原点を含まない側の領域、第2象限・第4象限においては座標軸を除く全域、および原点 $(0,0)$ となる。境界線(双曲線 $xy=1$、および原点以外の $x$軸・$y$軸)はすべて含まないが、原点 $(0,0)$ は含まれる。
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











