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名古屋大学 1966年 理系 第3問 解説

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名古屋大学 1966年 理系 第3問 解説

方針・初手

直線 $l$ の方程式を文字を用いて設定し、$x$ 軸との交点 $P$、$y$ 軸との交点 $Q$ の座標をその文字で表します。その後、線分 $PQ$ の中点の座標を $(X, Y)$ とおき、設定した文字を消去することで $X$ と $Y$ の関係式(軌跡の方程式)を導きます。 直線の設定方法として、傾きを用いる方法と、切片を用いる方法の2通りが考えられます。

解法1

直線 $l$ は $x$ 軸、$y$ 軸のそれぞれと交点を持つため、座標軸に平行ではありません。 よって、直線 $l$ の傾きを $m$ ($m \neq 0$) とおくことができます。 直線 $l$ は点 $(1, 1)$ を通るため、その方程式は以下のように表せます。

$$ y - 1 = m(x - 1) $$

この方程式において $y = 0$ とすると、

$$ -1 = m(x - 1) $$

$$ x = \frac{m - 1}{m} $$

となるため、$x$ 軸との交点 $P$ の座標は $\left(\frac{m - 1}{m}, 0\right)$ です。 また、$x = 0$ とすると、

$$ y - 1 = -m $$

$$ y = 1 - m $$

となるため、$y$ 軸との交点 $Q$ の座標は $(0, 1 - m)$ です。

線分 $PQ$ の中点の座標を $(X, Y)$ とおくと、

$$ \begin{cases} X = \frac{m - 1}{2m} \\ Y = \frac{1 - m}{2} \end{cases} $$

となります。 第2式より、$m = 1 - 2Y$ です。$m \neq 0$ であることから、$1 - 2Y \neq 0$、すなわち $Y \neq \frac{1}{2}$ が成り立ちます。 これを第1式に代入すると、

$$ X = \frac{(1 - 2Y) - 1}{2(1 - 2Y)} $$

$$ X = \frac{-2Y}{2(1 - 2Y)} $$

$$ X = \frac{Y}{2Y - 1} $$

分母を払って整理します。

$$ X(2Y - 1) = Y $$

$$ 2XY - X - Y = 0 $$

この式の両辺を2倍して因数分解の形を作ります。

$$ 4XY - 2X - 2Y = 0 $$

$$ 2X(2Y - 1) - (2Y - 1) - 1 = 0 $$

$$ (2X - 1)(2Y - 1) = 1 $$

$$ \left(X - \frac{1}{2}\right)\left(Y - \frac{1}{2}\right) = \frac{1}{4} $$

この方程式において $Y = \frac{1}{2}$ となることはないため、条件 $Y \neq \frac{1}{2}$ は満たされています。 したがって、求める軌跡の方程式は以下のようになります。

$$ \left(x - \frac{1}{2}\right)\left(y - \frac{1}{2}\right) = \frac{1}{4} $$

解法2

直線 $l$ は点 $(1, 1)$ を通り、かつ $x$ 軸、$y$ 軸と交点を持つため、座標軸に平行ではありません。

(i) 直線 $l$ が原点を通る場合 直線 $l$ は原点 $(0,0)$ と点 $(1,1)$ を通るため、直線の方程式は $y = x$ となります。 このとき、交点はそれぞれ $P(0, 0), Q(0, 0)$ となり、その中点 $(X, Y)$ の座標も $(0, 0)$ です。

(ii) 直線 $l$ が原点を通らない場合 $x$ 軸との交点 $P$ の座標を $(p, 0)$、$y$ 軸との交点 $Q$ の座標を $(0, q)$ とおきます。 $l$ は原点を通らないため、$p \neq 0$ かつ $q \neq 0$ です。 このとき、直線 $l$ の方程式は切片形を用いて次のように表せます。

$$ \frac{x}{p} + \frac{y}{q} = 1 $$

直線 $l$ は点 $(1, 1)$ を通るため、

$$ \frac{1}{p} + \frac{1}{q} = 1 $$

が成り立ちます。 線分 $PQ$ の中点の座標を $(X, Y)$ とすると、

$$ X = \frac{p}{2}, \quad Y = \frac{q}{2} $$

すなわち、

$$ p = 2X, \quad q = 2Y $$

となります。これを上の関係式に代入すると、

$$ \frac{1}{2X} + \frac{1}{2Y} = 1 $$

となります。$X \neq 0, Y \neq 0$ であるため、両辺に $2XY$ を掛けて整理します。

$$ Y + X = 2XY $$

$$ 2XY - X - Y = 0 $$

この方程式は $X = 0, Y = 0$ を代入しても成り立つため、(i) の場合の中点 $(0,0)$ も含んでいます。 これを変形すると、

$$ 4XY - 2X - 2Y = 0 $$

$$ (2X - 1)(2Y - 1) = 1 $$

$$ \left(X - \frac{1}{2}\right)\left(Y - \frac{1}{2}\right) = \frac{1}{4} $$

となります。 したがって、求める軌跡の方程式は以下のようになります。

$$ \left(x - \frac{1}{2}\right)\left(y - \frac{1}{2}\right) = \frac{1}{4} $$

解説

軌跡を求める定石通り、直線を1つのパラメータ(傾きや切片)で表し、中点の座標をそのパラメータで表現してから消去するアプローチを取ります。 解法2のように切片形 $\frac{x}{p} + \frac{y}{q} = 1$ を用いると計算が非常に簡明になりますが、この形は「直線が原点を通らない(切片が $0$ にならない)」ことを前提としているため、原点を通る場合($y=x$)の考察を怠らないよう注意が必要です。 最終的に得られる方程式は直角双曲線を表します。グラフを描く際は、漸近線の方程式と、グラフが通る代表的な点(原点や $(1,1)$ など)を明記することがポイントです。

答え

軌跡の方程式は

$$ \left(x - \frac{1}{2}\right)\left(y - \frac{1}{2}\right) = \frac{1}{4} $$

(または $y = \frac{x}{2x - 1}$ など)

グラフは、2直線 $x = \frac{1}{2}$ および $y = \frac{1}{2}$ を漸近線とし、原点 $(0,0)$ および点 $(1,1)$ を通る直角双曲線である。

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