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名古屋大学 1995年 理系 第1問 解説

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名古屋大学 1995年 理系 第1問 解説

方針・初手

円が外接する条件から、中心間の距離を数式で表す。 2つの定円の中心からの距離の差が一定になることに着目し、双曲線の定義を利用するか、無理方程式を同値変形して軌跡の方程式を導く。その際、$r>0$ や $y>0$ の条件から軌跡の範囲が限定されることに注意する。

解法1

円 $C_1$ の中心は原点 $O(0, 0)$、半径は $1$ である。 円 $C_2$ の中心を $A(3, 0)$ とすると、半径は $2$ である。 求める円の中心 $P_r$ の座標を $(x, y)$ とおく。 条件より、$P_r$ は $x$ 軸の上側にあるので、$y > 0$ である。 また、半径 $r \ (r > 0)$ の円が $C_1, C_2$ に外接することから、中心間の距離はそれぞれ半径の和に等しくなる。

$$OP_r = r + 1 \quad \cdots \text{①}$$

$$AP_r = r + 2 \quad \cdots \text{②}$$

(1)

②から①を引くと、$r$ が消去される。

$$AP_r - OP_r = 1$$

これは、点 $P_r$ が2定点 $A(3, 0)$ と $O(0, 0)$ を焦点とし、焦点からの距離の差が $1$ である双曲線上にあることを示している。 この双曲線の中心は線分 $OA$ の中点 $\left(\frac{3}{2}, 0\right)$ であり、頂点と中心の距離 $a$ は $2a = 1$ より $a = \frac{1}{2}$ である。 焦点と中心の距離 $c$ は $c = \frac{3}{2}$ であるから、$b^2 = c^2 - a^2 = \frac{9}{4} - \frac{1}{4} = 2$ となる。 したがって、この双曲線の方程式は次のように表せる。

$$4\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 - \frac{y^2}{2} = 1$$

$AP_r > OP_r$ であるから、点 $P_r$ は焦点 $O(0, 0)$ に近い側の枝にあり、$x < \frac{3}{2}$ を満たす。この枝の頂点は $(1, 0)$ である。 さらに、問題の条件から $y > 0$ であり、$r > 0$ であるから ① より $OP_r > 1$ となるため、頂点 $(1, 0)$ は除外される。 以上より、点 $P_r$ の描く軌跡が満たす方程式は以下の通りである。

$$4\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 - \frac{y^2}{2} = 1 \quad (x < 1, \ y > 0)$$

軌跡の概形は、中心 $\left(\frac{3}{2}, 0\right)$、漸近線 $y = \pm 2\sqrt{2}\left(x - \frac{3}{2}\right)$ の双曲線の左側の枝のうち、第1象限および第2象限にある部分である。$x = 0$ のとき $y = 4$ となるので $y$ 軸との交点は $(0, 4)$ であり、端点の $(1, 0)$ は白丸で抜ける形となる。

(2)

直線 $OP_r$ と $x$ 軸とのなす角が $60^\circ$ となるとき、直線 $OP_r$ の傾きは $\pm \tan 60^\circ = \pm \sqrt{3}$ である。 $P_r(x, y)$ は $y > 0$ を満たすから、点 $P_r$ は直線 $y = \sqrt{3}x \ (x > 0)$ または $y = -\sqrt{3}x \ (x < 0)$ 上にある。 すなわち、$y^2 = 3x^2 \ (x \neq 0)$ が成り立つ。これを軌跡の方程式

$$8x^2 - 24x - y^2 + 16 = 0$$

に代入する。

$$8x^2 - 24x - 3x^2 + 16 = 0$$

$$5x^2 - 24x + 16 = 0$$

$$(5x - 4)(x - 4) = 0$$

よって、$x = \frac{4}{5}, \ 4$ を得る。 軌跡の条件 $x < 1$ を満たすのは $x = \frac{4}{5}$ のみである。 このとき、$x > 0$ であるから $y = \sqrt{3} \cdot \frac{4}{5} = \frac{4\sqrt{3}}{5} > 0$ となり、条件 $y > 0$ も満たす。 このときの $r$ の値は、①の $r = OP_r - 1$ より求める。

$$OP_r = \sqrt{x^2 + y^2} = \sqrt{\left(\frac{4}{5}\right)^2 + \left(\frac{4\sqrt{3}}{5}\right)^2} = \sqrt{\frac{16 + 48}{25}} = \sqrt{\frac{64}{25}} = \frac{8}{5}$$

したがって、求める $r$ の値は以下のようになる。

$$r = \frac{8}{5} - 1 = \frac{3}{5}$$

解法2

(1)の別解(方程式の変形による導出)

解法1の①、②より、$r$ を消去する。

$$\sqrt{(x-3)^2 + y^2} - \sqrt{x^2 + y^2} = 1$$

$$\sqrt{(x-3)^2 + y^2} = \sqrt{x^2 + y^2} + 1$$

両辺が正であることを確認して $2$ 乗する。

$$(x-3)^2 + y^2 = x^2 + y^2 + 2\sqrt{x^2 + y^2} + 1$$

整理すると、以下のようになる。

$$-3x + 4 = \sqrt{x^2 + y^2} \quad \cdots \text{③}$$

この式が成り立つためには、右辺が正であるから $-3x + 4 > 0$ すなわち $x < \frac{4}{3}$ が必要である。 ③の両辺をさらに $2$ 乗して整理する。

$$9x^2 - 24x + 16 = x^2 + y^2$$

$$8x^2 - 24x - y^2 + 16 = 0$$

$$8\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 - y^2 = 2$$

$$4\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 - \frac{y^2}{2} = 1$$

問題の条件 $r > 0$ と①より $\sqrt{x^2 + y^2} > 1$ であるから、頂点 $(1, 0)$ は軌跡に含まれない。 $y > 0$ の条件と合わせて、求める軌跡は

$$4\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 - \frac{y^2}{2} = 1 \quad (x < 1, \ y > 0)$$

となる。((2)以降の解法は解法1と同様)

解説

(1) は「外接する」という条件を素直に式に翻訳し、$r$ を消去することで軌跡を求める問題である。2定点からの距離の差が一定になることに着目し、双曲線の定義を利用すると計算量を減らしつつ見通しよく解くことができる。 方程式を2乗して同値変形していく計算でも正解に辿り着けるが、$-3x + 4 > 0$ のような同値性の確認を忘れないようにしたい。 また、軌跡の定義域には細心の注意を払うこと。「$r > 0$」および「$y > 0$」から、$x < 1$ という制限が生まれる点を取りこぼさないことが完答への鍵となる。 (2) は「直線と $x$ 軸のなす角が $60^\circ$」という条件を傾き $\pm \sqrt{3}$ と読み替えて代入する。(1) で求めた $x < 1$ の条件がここで活き、不適な解 $x = 4$ を排除できる。

答え

(1) 方程式: $4\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 - \frac{y^2}{2} = 1 \quad (x < 1, \ y > 0)$ 概形: 中心 $(3/2, 0)$、漸近線 $y = \pm 2\sqrt{2}(x - 3/2)$ をもち、点 $(0, 4)$ を通り $(1, 0)$ を白丸とした双曲線の左上の枝。(図示省略)

(2) $r = \frac{3}{5}$

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