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名古屋大学 1977年 文系 第3問 解説

数学A/確率数学A/整数問題テーマ/速度・距離テーマ/場合分け
名古屋大学 1977年 文系 第3問 解説

方針・初手

さいころを8回投げたとき、奇数の目が出た回数を変数でおいて、動点 $P$ の座標を表す。原点から $P$ までの距離の2乗を計算し、それが $36$ 以下になるような奇数の目の出た回数の条件を求める。その条件を満たす確率を反復試行の確率の公式を用いて計算する。

解法1

さいころを1回投げるとき、奇数の目が出る確率と偶数の目が出る確率はともに $\frac{1}{2}$ である。

さいころを $8$ 回投げたとき、奇数の目が出る回数を $k$ ($0 \le k \le 8$ を満たす整数)とすると、偶数の目は $8-k$ 回出る。このとき、点 $P$ は $x$ 軸の正の方向に $k$、$y$ 軸の正の方向に $8-k$ だけ進むため、$P$ の座標は $(k, 8-k)$ と表される。

原点から $P$ までの距離を $d$ とすると、$d$ が $6$ 以下である条件は $d^2 \le 36$ である。

$$ d^2 = k^2 + (8-k)^2 $$

であるから、

$$ k^2 + (8-k)^2 \le 36 $$

$$ k^2 + 64 - 16k + k^2 \le 36 $$

$$ 2k^2 - 16k + 28 \le 0 $$

$$ k^2 - 8k + 14 \le 0 $$

$k^2 - 8k + 14 = 0$ の解は $k = 4 \pm \sqrt{16-14} = 4 \pm \sqrt{2}$ である。

$\sqrt{2} \approx 1.414$ より、

$$ 2.586 \le k \le 5.414 $$

$k$ は $0 \le k \le 8$ を満たす整数であるから、$k$ の取り得る値は

$$ k = 3, 4, 5 $$

である。

したがって、求める確率は、さいころを $8$ 回投げて奇数の目が $3$ 回、$4$ 回、$5$ 回出る確率の和である。反復試行の確率より、

$$ {}_{8}\mathrm{C}_{3} \left( \frac{1}{2} \right)^3 \left( \frac{1}{2} \right)^5 + {}_{8}\mathrm{C}_{4} \left( \frac{1}{2} \right)^4 \left( \frac{1}{2} \right)^4 + {}_{8}\mathrm{C}_{5} \left( \frac{1}{2} \right)^5 \left( \frac{1}{2} \right)^3 $$

$$ = \left( {}_{8}\mathrm{C}_{3} + {}_{8}\mathrm{C}_{4} + {}_{8}\mathrm{C}_{5} \right) \left( \frac{1}{2} \right)^8 $$

ここで、

$$ {}_{8}\mathrm{C}_{3} = \frac{8 \cdot 7 \cdot 6}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 56 $$

$$ {}_{8}\mathrm{C}_{4} = \frac{8 \cdot 7 \cdot 6 \cdot 5}{4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} = 70 $$

$$ {}_{8}\mathrm{C}_{5} = {}_{8}\mathrm{C}_{3} = 56 $$

であるから、求める確率は

$$ \frac{56 + 70 + 56}{2^8} = \frac{182}{256} = \frac{91}{128} $$

解説

さいころの出た目に応じて点が移動する、反復試行の確率の基本問題である。試行回数が多い場合は、ある事象が起こる回数を文字でおいて座標を表すのが定石である。距離の条件から回数のとりうる値を絞り込む際に、2次不等式を解くプロセスが入るが、平方根のおおよその値を用いることで容易に整数解を特定できる。

答え

$$ \frac{91}{128} $$

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