名古屋大学 2003年 文系 第4問 解説

方針・初手
確率の最大値を求める典型的な問題である。まずは定義通りに確率 $p(k)$ を立式する。 同じ数が $3$ 枚、残りの $k-3$ 枚はすべて異なる数となるようなカードの選び方を、組み合わせを用いて数え上げる。 確率の最大値を求める際には、隣接する項の比を計算して $1$ と比較するのが定石であり、本問では (2) の $f(k)$ がその比に該当する。(2) の結果を利用して、(3) で増減を調べる。
解法1
(1)
$40$ 枚のカードから同時に $k$ 枚のカードを取り出す全事象は、${}_{40}\mathrm{C}_{k}$ 通りであり、これらは同様に確からしい。
条件を満たす $k$ 枚のカードの組み合わせは、次のように選ぶことができる。
- $3$ 枚取り出される同じ数の選び方は、$1$ から $10$ の $10$ 通り(${}_{10}\mathrm{C}_{1}$ 通り)。
- 選んだ数のカード $4$ 枚の中から $3$ 枚を選ぶ選び方は、${}_{4}\mathrm{C}_{3}$ 通り。
- 残りの $k-3$ 枚は、残った $9$ 種類の数の中から $k-3$ 種類の数を選び、それぞれについて $4$ 枚のうちから $1$ 枚を選ぶ。この選び方は ${}_{9}\mathrm{C}_{k-3} \times 4^{k-3}$ 通り。
したがって、条件を満たす取り出し方は、 $$ 10 \times {}_{4}\mathrm{C}_{3} \times {}_{9}\mathrm{C}_{k-3} \times 4^{k-3} = 40 \cdot {}_{9}\mathrm{C}_{k-3} \cdot 4^{k-3} \text{(通り)} $$ となる。
よって、求める確率 $p(k)$ は、 $$ p(k) = \frac{40 \cdot {}_{9}\mathrm{C}_{k-3} \cdot 4^{k-3}}{{}_{40}\mathrm{C}_{k}} $$ である。
(2)
$f(k) = \frac{p(k-1)}{p(k)}$ に (1) の結果を代入する。
$$ p(k-1) = \frac{40 \cdot {}_{9}\mathrm{C}_{k-4} \cdot 4^{k-4}}{{}_{40}\mathrm{C}_{k-1}} $$ であるから、
$$ f(k) = \frac{40 \cdot {}_{9}\mathrm{C}_{k-4} \cdot 4^{k-4}}{{}_{40}\mathrm{C}_{k-1}} \times \frac{{}_{40}\mathrm{C}_{k}}{40 \cdot {}_{9}\mathrm{C}_{k-3} \cdot 4^{k-3}} $$
$$ = \frac{{}_{9}\mathrm{C}_{k-4}}{{}_{9}\mathrm{C}_{k-3}} \cdot \frac{{}_{40}\mathrm{C}_{k}}{{}_{40}\mathrm{C}_{k-1}} \cdot \frac{1}{4} $$
ここで、組み合わせを階乗の形で表して計算すると、
$$ \frac{{}_{9}\mathrm{C}_{k-4}}{{}_{9}\mathrm{C}_{k-3}} = \frac{9!}{(k-4)!(13-k)!} \times \frac{(k-3)!(12-k)!}{9!} = \frac{k-3}{13-k} $$
$$ \frac{{}_{40}\mathrm{C}_{k}}{{}_{40}\mathrm{C}_{k-1}} = \frac{40!}{k!(40-k)!} \times \frac{(k-1)!(41-k)!}{40!} = \frac{41-k}{k} $$ となる。
これらを代入して、 $$ f(k) = \frac{k-3}{13-k} \cdot \frac{41-k}{k} \cdot \frac{1}{4} = \frac{(k-3)(41-k)}{4k(13-k)} $$ を得る。
(3)
$p(k)$ を最大にする $k$ を求めるために、$p(k-1)$ と $p(k)$ の大小を比較する。 $p(k) > 0$ であるから、$p(k-1) < p(k)$ は $f(k) < 1$ と同値である。
$4 \leqq k \leqq 12$ のとき、$k > 0$ かつ $13-k > 0$ より $4k(13-k) > 0$ であるから、 $$ f(k) < 1 \iff \frac{(k-3)(41-k)}{4k(13-k)} < 1 $$
$$ \iff (k-3)(41-k) < 4k(13-k) $$
$$ \iff -k^2 + 44k - 123 < 52k - 4k^2 $$
$$ \iff 3k^2 - 8k - 123 < 0 $$ となる。
方程式 $3k^2 - 8k - 123 = 0$ の解は、 $$ k = \frac{4 \pm \sqrt{16 - 3 \cdot (-123)}}{3} = \frac{4 \pm \sqrt{385}}{3} $$
ここで、$19^2 = 361$、$20^2 = 400$ より、$19 < \sqrt{385} < 20$ であるから、 $$ \frac{23}{3} < \frac{4 + \sqrt{385}}{3} < 8 $$ すなわち、$7.6\cdots < \frac{4 + \sqrt{385}}{3} < 8$ である。
したがって、$4 \leqq k \leqq 12$ の範囲において、 $4 \leqq k \leqq 7$ のとき、$3k^2 - 8k - 123 < 0$ すなわち $f(k) < 1$ となり、$p(k-1) < p(k)$ が成り立つ。 $8 \leqq k \leqq 12$ のとき、$3k^2 - 8k - 123 > 0$ すなわち $f(k) > 1$ となり、$p(k-1) > p(k)$ が成り立つ。
これより、$p(k)$ の大小関係は、 $$ p(3) < p(4) < p(5) < p(6) < p(7) > p(8) > \cdots > p(12) $$ となる。
以上より、$p(k)$ を最大にする $k$ の値は $7$ である。
解説
(1) の立式がすべての基本となる。同じ数になる数字の選び方(${}_{n}\mathrm{C}_{1}$)、その数字から $3$ 枚選ぶ選び方、残りの異なる数字の選び方というように、段階を分けて事象の数を正しく数え上げる力が問われている。 確率や数列の最大値を求める問題では、隣り合う項の比($p(k)/p(k-1)$ や $p(k+1)/p(k)$)をとり、$1$ との大小を比較して増減を調べる手法が極めて有効かつ典型的である。本問では (2) がその誘導となっており、これに従って二次不等式を解くことで自然に最大値へとたどり着ける。組み合わせ記号 $\mathrm{C}$ を階乗の形に直して約分する計算を正確に行うことも重要である。
答え
(1) $$ p(k) = \frac{40 \cdot {}_{9}\mathrm{C}_{k-3} \cdot 4^{k-3}}{{}_{40}\mathrm{C}_{k}} $$
(2) $$ f(k) = \frac{(k-3)(41-k)}{4k(13-k)} $$
(3) $k = 7$
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