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東京工業大学 2004年 理系 第3問 解説

数学A/確率数学B/数列数学A/場合の数テーマ/確率漸化式テーマ/最大・最小
東京工業大学 2004年 理系 第3問 解説

方針・初手

1回の操作で起こる事象を整理し、それぞれの確率を求めることから始める。本問は各回の操作が互いに独立であるから、反復試行の確率の公式が適用できる。

(3)は確率の最大値を求める問題であり、隣接する項の比をとって1との大小を比較する定石の考え方を用いる。

解法1

(1)

1回の操作において、コイン$P$を投げて表が出て、かつコイン$Q$を投げて表が出る確率は$pq$である。このときつぼには赤玉が入る。 また、コイン$P$を投げて表が出て、かつコイン$Q$を投げて裏が出る確率は$p(1-q)$である。このときつぼには白玉が入る。

「$n$回ともコイン$Q$を選び、つぼの中には$k$個の赤玉が入っている」という事象は、$n$回の操作のうち、「コイン$Q$が選ばれて赤玉が入る」という事象が$k$回、「コイン$Q$が選ばれて白玉が入る」という事象が$n-k$回起こるということである。

これらの試行は互いに独立であるから、反復試行の確率より、求める確率は

$$ {}_n\mathrm{C}_{k} (pq)^k \{ p(1-q) \}^{n-k} = {}_n\mathrm{C}_{k} p^n q^k (1-q)^{n-k} $$

(2)

1回の操作で赤玉が選ばれるのは、次の2つの排反な事象のいずれかが起こる場合である。

したがって、1回の操作で赤玉が選ばれる確率は $pq + (1-p)r$ である。

つぼの中が赤玉だけとなるのは、$n$回の操作すべてで赤玉が選ばれる場合であるから、求める確率は

$$ \{ pq + (1-p)r \}^n $$

(3)

1回の操作で赤玉が選ばれる確率を$p_0$とする。与えられた数値を代入すると、

$$ p_0 = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} + \left( 1 - \frac{1}{2} \right) \cdot \frac{1}{5} = \frac{1}{4} + \frac{1}{10} = \frac{7}{20} $$

$n=2004$ 回の操作で、赤玉が$k$個($0 \leqq k \leqq 2004$)入っている確率を$P_k$とすると、反復試行の確率より、

$$ P_k = {}_{2004}\mathrm{C}_{k} \left( \frac{7}{20} \right)^k \left( 1 - \frac{7}{20} \right)^{2004-k} = {}_{2004}\mathrm{C}_{k} \left( \frac{7}{20} \right)^k \left( \frac{13}{20} \right)^{2004-k} $$

$P_k$が最大となる$k$を求めるため、隣接する項の比$\frac{P_{k+1}}{P_k}$と$1$の大小を比較する。

$$ \begin{aligned} \frac{P_{k+1}}{P_k} &= \frac{{}_{2004}\mathrm{C}_{k+1} \left( \frac{7}{20} \right)^{k+1} \left( \frac{13}{20} \right)^{2004-(k+1)}}{{}_{2004}\mathrm{C}_{k} \left( \frac{7}{20} \right)^k \left( \frac{13}{20} \right)^{2004-k}} \\ &= \frac{\frac{2004!}{(k+1)!(2003-k)!}}{\frac{2004!}{k!(2004-k)!}} \cdot \frac{7}{20} \cdot \frac{20}{13} \\ &= \frac{2004-k}{k+1} \cdot \frac{7}{13} \end{aligned} $$

$\frac{P_{k+1}}{P_k} > 1$ となる$k$の条件を求める。$k \geqq 0$より$k+1 > 0$であるから、両辺に$13(k+1)$を掛けて整理すると、

$$ 7(2004-k) > 13(k+1) $$

$$ 14028 - 7k > 13k + 13 $$

$$ 20k < 14015 $$

$$ k < \frac{14015}{20} = 700.75 $$

$k$は整数であるから、$k \leqq 700$ のとき $\frac{P_{k+1}}{P_k} > 1$ すなわち $P_k < P_{k+1}$ が成り立つ。

同様に、$\frac{P_{k+1}}{P_k} < 1$ となる条件を求めると $k > 700.75$ となり、$k$は整数のため $k \geqq 701$ のとき $\frac{P_{k+1}}{P_k} < 1$ すなわち $P_k > P_{k+1}$ が成り立つ。

これらより、$P_k$の大小関係は以下のようになる。

$$ P_0 < P_1 < \cdots < P_{700} < P_{701} > P_{702} > \cdots > P_{2004} $$

したがって、$P_k$は$k=701$のとき最大となる。

解説

(1)と(2)は、1回の試行における事象を正しく把握し、反復試行の確率の公式に当てはめる基本問題である。

(3)は確率の最大値を求める典型問題である。階乗や累乗を含む確率の数列$P_k$の最大値を求める際は、差$P_{k+1} - P_k$をとるのではなく、比$\frac{P_{k+1}}{P_k}$をとって1と比較することで、約分を活用して不等式を簡潔に解くことができる。

答え

(1)

$$ {}_n\mathrm{C}_{k} p^n q^k (1-q)^{n-k} $$

(2)

$$ \{ pq + (1-p)r \}^n $$

(3)

$$ 701個 $$

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