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大阪大学 1990年 文系 第1問 解説

数学1/立体図形数学1/図形計量テーマ/空間図形テーマ/図形総合
大阪大学 1990年 文系 第1問 解説

方針・初手

点 $O$,$B$,$C$,$D$ が同一平面上にあり、点 $B$,$C$,$D$ が半径 $1$ の球面 $S$ 上にあることから、$\triangle BCD$ は半径 $1$ の円に内接する正三角形であることが分かる。これを利用して、まず正四面体 $ABCD$ の一辺の長さ $AB$ を求め、さらに頂点 $A$ と球の中心 $O$ の距離 $AO$ を計算する。 次に、正四面体 $APQR$ についても、対称性から頂点 $A$、底面 $PQR$ の中心、および球の中心 $O$ が同一直線上にあることを利用し、辺の長さについての関係式を立てて線分 $AP$ の長さを求める。

解法1

正四面体 $ABCD$ の一辺の長さを $a$ とおく。 条件 (i), (ii) より、点 $O$ は平面 $BCD$ 上にあり、点 $B$,$C$,$D$ は中心 $O$、半径 $1$ の球面上にある。したがって、円 $BCD$ は球 $S$ の大円であり、$\triangle BCD$ は半径 $1$ の円に内接する一辺 $a$ の正三角形である。 正弦定理より、

$$ \frac{a}{\sin 60^\circ} = 2 \cdot 1 $$

$$ a = 2 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} = \sqrt{3} $$

よって、線分 $AB$ の長さは $\sqrt{3}$ である。

正四面体の対称性から、頂点 $A$ から底面 $BCD$ に下ろした垂線の足は $\triangle BCD$ の外心に一致する。この外心は点 $O$ であるため、直線 $AO$ は平面 $BCD$ と垂直である。 直角三角形 $\triangle AOB$ において、三平方の定理より、

$$ AO = \sqrt{AB^2 - OB^2} = \sqrt{(\sqrt{3})^2 - 1^2} = \sqrt{2} $$

次に、正四面体 $APQR$ の一辺の長さを $x$ とおく。 頂点 $A$ から平面 $PQR$ に下ろした垂線の足を $H$ とすると、$H$ は正三角形 $PQR$ の外接円の中心である。 また、点 $P, Q, R$ は中心 $O$ の球面 $S$ 上にあるため、点 $O$ から平面 $PQR$ に下ろした垂線の足も、円 $PQR$ の中心 $H$ に一致する。 直線 $AH$ と直線 $OH$ はともに平面 $PQR$ の垂線であり、点 $H$ を共有しているため、3点 $A, H, O$ は同一直線上にある。

$\triangle PQR$ は一辺 $x$ の正三角形なので、その外接円の半径 $PH$ は、

$$ PH = \frac{x}{\sqrt{3}} $$

直角三角形 $\triangle AHP$ において、三平方の定理より、

$$ AH = \sqrt{AP^2 - PH^2} = \sqrt{x^2 - \left(\frac{x}{\sqrt{3}}\right)^2} = \frac{\sqrt{6}}{3}x $$

また、直角三角形 $\triangle OHP$ において、三平方の定理より、

$$ OH = \sqrt{OP^2 - PH^2} = \sqrt{1^2 - \frac{x^2}{3}} = \sqrt{1 - \frac{x^2}{3}} $$

3点 $A, H, O$ が同一直線上にあるため、点 $H$ の位置関係によらず $OA = |AH \pm OH|$ が成り立つ。 すなわち、$AH - OA = \pm OH$ であるから、

$$ \frac{\sqrt{6}}{3}x - \sqrt{2} = \pm \sqrt{1 - \frac{x^2}{3}} $$

両辺を2乗して整理する。

$$ \left( \frac{\sqrt{6}}{3}x - \sqrt{2} \right)^2 = 1 - \frac{x^2}{3} $$

$$ \frac{2}{3}x^2 - \frac{4\sqrt{3}}{3}x + 2 = 1 - \frac{x^2}{3} $$

$$ x^2 - \frac{4\sqrt{3}}{3}x + 1 = 0 $$

$$ 3x^2 - 4\sqrt{3}x + 3 = 0 $$

これを解の公式で解くと、

$$ x = \frac{2\sqrt{3} \pm \sqrt{(2\sqrt{3})^2 - 3 \cdot 3}}{3} = \frac{2\sqrt{3} \pm \sqrt{3}}{3} $$

したがって、$x = \sqrt{3}$ または $x = \frac{\sqrt{3}}{3}$ である。

ここで、問題の条件に「大きさの異なる2つの正四面体 $ABCD$,$APQR$」とある。 $x = \sqrt{3}$ の場合、正四面体 $APQR$ の一辺の長さは $AB$ の長さと等しくなり、条件に反する。 よって、$x = \frac{\sqrt{3}}{3}$ である。

解説

空間図形において、正四面体の頂点、底面の中心、および頂点を通る外接球・内接球の中心が同一直線上に並ぶという対称性を活用する典型的な問題である。 平面 $BCD$ が球の中心 $O$ を通ることから $AB$ の長さを容易に求め、共通の頂点 $A$ を基準として距離 $AO$ を求めたのち、もう一つの正四面体の辺の長さを方程式に帰着させる。点 $O$ と $H$ の位置関係(線分 $AO$ 上に $H$ があるか、延長線上にあるか)による場合分けは、絶対値を用いて1つの2乗の式にまとめることで簡潔に処理できる。

答え

線分 $AB$ の長さ: $\sqrt{3}$ 線分 $AP$ の長さ: $\frac{\sqrt{3}}{3}$

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