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大阪大学 1990年 文系 第2問 解説

数学2/図形と式数学2/微分法数学1/方程式不等式テーマ/整式の証明テーマ/接線・法線
大阪大学 1990年 文系 第2問 解説

方針・初手

曲線外の点から引く接線を求める基本手順に従う。曲線の式を $y = f(x)$ とし、接点の $x$ 座標を $t$ とおいて接線の方程式を立てる。この直線が指定された点を通るという条件から、$t$ についての方程式を導き、それを解いて接点を決定する。

解法1

$f(x) = x^4 - 2x^2 + 1$ とおく。

関数 $f(x)$ を微分すると、

$$ f'(x) = 4x^3 - 4x $$

曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(t, f(t))$ における接線の方程式は、

$$ y - (t^4 - 2t^2 + 1) = (4t^3 - 4t)(x - t) $$

$$ y = (4t^3 - 4t)x - 3t^4 + 2t^2 + 1 $$

この直線が点 $(1, 0)$ を通るので、代入して、

$$ 0 = 4t^3 - 4t - 3t^4 + 2t^2 + 1 $$

$$ 3t^4 - 4t^3 - 2t^2 + 4t - 1 = 0 $$

左辺を $g(t)$ とおくと、$g(1) = 3 - 4 - 2 + 4 - 1 = 0$ であるから、因数定理より $g(t)$ は $t - 1$ を因数にもつ。

組立除法などにより因数分解すると、

$$ g(t) = (t - 1)(3t^3 - t^2 - 3t + 1) $$

さらに右辺の括弧内の式に $t = 1$ を代入すると $3 - 1 - 3 + 1 = 0$ となるので、再び $t - 1$ を因数にもつ。

$$ g(t) = (t - 1)^2 (3t^2 + 2t - 1) $$

$$ g(t) = (t - 1)^2 (t + 1)(3t - 1) $$

したがって、$g(t) = 0$ を解くと、

$$ t = 1, -1, \frac{1}{3} $$

それぞれの $t$ の値について、接線の方程式を求める。

(i)

$t = 1$ または $t = -1$ のとき

ともに接線の傾きは $f'(1) = 0$、$f'(-1) = 0$ であり、$y$ 切片は $-3 + 2 + 1 = 0$ となる。 したがって、接線の方程式は、

$$ y = 0 $$

(ii)

$t = \frac{1}{3}$ のとき

接線の傾きは、

$$ 4 \left(\frac{1}{3}\right)^3 - 4\left(\frac{1}{3}\right) = \frac{4}{27} - \frac{36}{27} = -\frac{32}{27} $$

$y$ 切片は、

$$ -3\left(\frac{1}{3}\right)^4 + 2\left(\frac{1}{3}\right)^2 + 1 = -\frac{1}{27} + \frac{6}{27} + \frac{27}{27} = \frac{32}{27} $$

したがって、接線の方程式は、

$$ y = -\frac{32}{27}x + \frac{32}{27} $$

解法2

求める接線は $y$ 軸と平行ではないため、その方程式を $y = m(x - 1)$ とおくことができる(点 $(1, 0)$ を通る直線)。

曲線 $y = x^4 - 2x^2 + 1$ とこの直線が接する条件は、方程式

$$ x^4 - 2x^2 + 1 = m(x - 1) $$

が重解をもつことである。左辺は $(x^2 - 1)^2 = (x - 1)^2(x + 1)^2$ と因数分解できるので、

$$ (x - 1)^2(x + 1)^2 - m(x - 1) = 0 $$

$$ (x - 1) \{ (x - 1)(x + 1)^2 - m \} = 0 $$

この方程式が重解をもつのは、次のいずれかの場合である。

(i)

$(x - 1)(x + 1)^2 - m = 0$ が $x = 1$ を解にもつ場合

代入して、

$$ (1 - 1)(1 + 1)^2 - m = 0 $$

$$ m = 0 $$

このとき、もとの方程式は $(x - 1)^2(x + 1)^2 = 0$ となり、$x = 1, -1$ をそれぞれ重解にもつ。これは接線となる条件を満たす。 対応する直線は $y = 0$ である。

(ii)

$(x - 1)(x + 1)^2 - m = 0$ が $x = 1$ 以外の重解をもつ場合

$h(x) = (x - 1)(x + 1)^2$ とおくと、$y = h(x)$ のグラフと直線 $y = m$ が接すればよい。

$$ h(x) = (x - 1)(x^2 + 2x + 1) = x^3 + x^2 - x - 1 $$

関数 $h(x)$ を微分すると、

$$ h'(x) = 3x^2 + 2x - 1 = (3x - 1)(x + 1) $$

$h'(x) = 0$ となるのは $x = \frac{1}{3}, -1$ のときである。

$x = -1$ で接する場合: $m = h(-1) = 0$ となり、(i) の場合と一致する。

$x = \frac{1}{3}$ で接する場合:

$$ m = h\left(\frac{1}{3}\right) = \left(\frac{1}{3} - 1\right)\left(\frac{1}{3} + 1\right)^2 = \left(-\frac{2}{3}\right)\left(\frac{16}{9}\right) = -\frac{32}{27} $$

このとき、直線の方程式は $y = -\frac{32}{27}(x - 1)$ となり、

$$ y = -\frac{32}{27}x + \frac{32}{27} $$

解説

曲線外から引いた接線の方程式を求める基本問題である。接点の $x$ 座標を文字でおき、接線の方程式を求めてから通る点の座標を代入するという王道の手順(解法1)が最も自然で汎用性が高いである。

途中で現れる4次方程式 $3t^4 - 4t^3 - 2t^2 + 4t - 1 = 0$ は因数定理を用いて解くが、もとの曲線の式 $y = x^4 - 2x^2 + 1$ が $(x^2 - 1)^2$ と変形でき、点 $(1, 0)$ が実は曲線上にある(接点になり得る)ことに気づくと、$t = 1$ を解にもつことが容易に予想できる。

また、解法2のように「接する $\iff$ 重解をもつ」という代数的な条件を利用するアプローチも強力である。特に、多項式が因数分解しやすい形をしている場合は、微分の計算量を減らすことができる。

答え

$$ y = 0, \quad y = -\frac{32}{27}x + \frac{32}{27} $$

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