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大阪大学 2013年 文系 第3問 解説

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大阪大学 2013年 文系 第3問 解説

方針・初手

絶対値を含む曲線と直線の位置関係を把握するため、まずは絶対値の中身の符号で場合分けして曲線の式を整理する。

その後、曲線と直線の共有点の $x$ 座標を求め、$m$ の値による共有点の存在範囲の違いに注意しながら、囲まれる部分の面積を定積分で立式する。面積の計算には、放物線と直線で囲まれる面積の公式(いわゆる $\frac{1}{6}$ 公式)を活用する。

解法1

曲線 $C: y = x^2 + x + 4 - |3x|$ の方程式を、絶対値をはずして整理する。

$x \ge 0$ のとき、

$$ y = x^2 + x + 4 - 3x = x^2 - 2x + 4 $$

$x < 0$ のとき、

$$ y = x^2 + x + 4 - (-3x) = x^2 + 4x + 4 $$

直線 $L: y = mx + 4$ は定点 $(0, 4)$ を通る直線である。曲線 $C$ も $(0, 4)$ を通る。

曲線 $C$ と直線 $L$ の共有点の $x$ 座標を求める。 $x \ge 0$ の範囲では、

$$ x^2 - 2x + 4 = mx + 4 $$

$$ x^2 - (m+2)x = 0 $$

$$ x \{ x - (m+2) \} = 0 $$

これより、交点の $x$ 座標は $x = 0$ と $x = m+2$ である。$x \ge 0$ の範囲に $x=0$ 以外の交点を持つ条件は $m+2 > 0$ すなわち $m > -2$ である。

$x < 0$ の範囲では、

$$ x^2 + 4x + 4 = mx + 4 $$

$$ x^2 - (m-4)x = 0 $$

$$ x \{ x - (m-4) \} = 0 $$

これより、交点の $x$ 座標は $x = 0$ と $x = m-4$ である。$x < 0$ の範囲に交点を持つ条件は $m-4 < 0$ すなわち $m < 4$ である。

したがって、$m$ の値によって直線と曲線の位置関係が変わるため、以下の3つの場合に分けて面積を計算する。

(i)

$-2 < m < 4$ のとき

$m+2 > 0$ および $m-4 < 0$ を満たすため、直線 $L$ は $x>0$ の範囲で曲線 $C$ と $x = m+2$ で交わり、$x<0$ の範囲で $x = m-4$ で交わる。 囲まれる部分は $m-4 \le x \le 0$ の部分と $0 \le x \le m+2$ の部分の2か所となる。 この範囲では直線 $L$ が曲線 $C$ の上側にあるため、面積の和 $S(m)$ は次のように表される。

$$ S(m) = \int_{m-4}^{0} \{ (mx+4) - (x^2+4x+4) \} dx + \int_{0}^{m+2} \{ (mx+4) - (x^2-2x+4) \} dx $$

$$ S(m) = \int_{m-4}^{0} \{ -x^2 + (m-4)x \} dx + \int_{0}^{m+2} \{ -x^2 + (m+2)x \} dx $$

定積分 $\int_{\alpha}^{\beta} -(x-\alpha)(x-\beta) dx = \frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ の公式を用いると、

$$ S(m) = \frac{1}{6} \{ 0 - (m-4) \}^3 + \frac{1}{6} \{ (m+2) - 0 \}^3 $$

$$ S(m) = \frac{1}{6} \{ (4-m)^3 + (m+2)^3 \} $$

括弧の中を展開して整理する。

$$ \begin{aligned} (4-m)^3 + (m+2)^3 &= (64 - 48m + 12m^2 - m^3) + (m^3 + 6m^2 + 12m + 8) \\ &= 18m^2 - 36m + 72 \\ &= 18(m^2 - 2m + 4) \\ &= 18 \{ (m-1)^2 + 3 \} \end{aligned} $$

これを $S(m)$ の式に戻すと、

$$ S(m) = \frac{1}{6} \cdot 18 \{ (m-1)^2 + 3 \} = 3(m-1)^2 + 9 $$

$-2 < m < 4$ の範囲に $m=1$ は含まれるため、この範囲での最小値は $m=1$ のときの $9$ である。

(ii)

$m \le -2$ のとき

$m+2 \le 0$ となり、$x>0$ の範囲で交点を持たない。このとき、直線 $L$ は $x>0$ において曲線 $C$ の下側にある。 したがって、囲まれる部分は $m-4 \le x \le 0$ の部分の1か所のみとなる。このときの面積 $S(m)$ は、

$$ S(m) = \int_{m-4}^{0} \{ -x^2 + (m-4)x \} dx = \frac{1}{6}(4-m)^3 $$

$m \le -2$ より $4-m \ge 6$ であるから、

$$ S(m) \ge \frac{1}{6} \cdot 6^3 = 36 $$

(iii)

$m \ge 4$ のとき

$m-4 \ge 0$ となり、$x<0$ の範囲で交点を持たない。このとき、直線 $L$ は $x<0$ において曲線 $C$ の下側にある。 したがって、囲まれる部分は $0 \le x \le m+2$ の部分の1か所のみとなる。このときの面積 $S(m)$ は、

$$ S(m) = \int_{0}^{m+2} \{ -x^2 + (m+2)x \} dx = \frac{1}{6}(m+2)^3 $$

$m \ge 4$ より $m+2 \ge 6$ であるから、

$$ S(m) \ge \frac{1}{6} \cdot 6^3 = 36 $$

(i)、(ii)、(iii) の結果より、すべての実数 $m$ における面積の最小値は $9$ であり、そのときの $m$ の値は $1$ である。

解説

曲線が $y$ 軸上で「極大」をとるような形状をしており、直線がその極大点 $(0, 4)$ を中心に回転する状況を考える問題である。直線の傾き $m$ によって、囲まれる領域が2つに分かれる場合と1つになる場合に分かれるため、適切な場合分けが必須となる。

面積の計算においては、定積分をまともに計算するのではなく、交点が積分区間の端点となっていることを利用して $\frac{1}{6}$ 公式を適用することで、計算ミスを減らし大幅な時間短縮を図ることができる。また、最小値を求める際に3次式の展開を伴うが、和を計算すると3次の項が消えて2次関数に帰着する点も本問のポイントである。

答え

$$ m = 1 $$

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