大阪大学 2015年 文系 第2問 解説

方針・初手
(1) については、直線 $l$ が放物線 $C_2$ に接する条件と、円 $C_1$ に接する条件をそれぞれ立式し、連立方程式を解く。放物線との接する条件は「判別式 $=0$」、円と接する条件は「中心と直線の距離 $=$ 半径」を用いるのが定石である。
(2) については、(1) で求めた直線 $l$ と放物線 $C_2$ の接点の $x$ 座標を求め、指定された区間で上下関係を把握して定積分を計算する。接点をもつことから、被積分関数が完全平方式になる性質を利用すると計算が楽になる。
解法1
(1)
直線 $l: y = kx + m \ (k > 0)$ と放物線 $C_2 : y = -\frac{1}{2}x^2$ が接する条件を求める。 両式から $y$ を消去して、
$$ -\frac{1}{2}x^2 = kx + m $$
$$ x^2 + 2kx + 2m = 0 $$
この $x$ についての2次方程式が重解をもつので、判別式を $D$ とすると、
$$ \frac{D}{4} = k^2 - 2m = 0 $$
$$ m = \frac{k^2}{2} \quad \cdots \text{①} $$
次に、直線 $l: kx - y + m = 0$ と円 $C_1 : x^2 + (y - 1)^2 = 1$ が接する条件を求める。 円 $C_1$ の中心 $(0, 1)$ と直線 $l$ との距離が、円の半径 $1$ と等しいので、
$$ \frac{|k \cdot 0 - 1 + m|}{\sqrt{k^2 + (-1)^2}} = 1 $$
$$ |m - 1| = \sqrt{k^2 + 1} $$
両辺を2乗して、
$$ (m - 1)^2 = k^2 + 1 $$
$$ m^2 - 2m - k^2 = 0 \quad \cdots \text{②} $$
②に①($k^2 = 2m$)を代入すると、
$$ m^2 - 2m - 2m = 0 $$
$$ m(m - 4) = 0 $$
よって、$m = 0, 4$ を得る。
$m = 0$ のとき、①より $k^2 = 0$ となるが、これは $k > 0$ に反するため不適である。 $m = 4$ のとき、①より $k^2 = 8$ となる。$k > 0$ であるから、
$$ k = 2\sqrt{2} $$
以上より、$k = 2\sqrt{2}, m = 4$ である。
(2)
(1) の結果より、直線 $l$ の方程式は $y = 2\sqrt{2}x + 4$ である。 直線 $l$ と放物線 $C_2$ の接点の $x$ 座標は、方程式 $x^2 + 2kx + 2m = 0$ に $k = 2\sqrt{2}, m = 4$ を代入して、
$$ x^2 + 4\sqrt{2}x + 8 = 0 $$
$$ (x + 2\sqrt{2})^2 = 0 $$
よって、$x = -2\sqrt{2}$ である。
求める面積を $S$ とする。直線 $l$ と放物線 $C_2$ および $y$ 軸($x = 0$)で囲まれた図形は、$-2\sqrt{2} \leqq x \leqq 0$ の範囲にある。 この区間において、接点以外では直線 $l$ が放物線 $C_2$ より上側にあるため、面積 $S$ は次のように計算できる。
$$ S = \int_{-2\sqrt{2}}^{0} \left\{ (2\sqrt{2}x + 4) - \left( -\frac{1}{2}x^2 \right) \right\} dx $$
$$ S = \int_{-2\sqrt{2}}^{0} \left( \frac{1}{2}x^2 + 2\sqrt{2}x + 4 \right) dx $$
$$ S = \frac{1}{2} \int_{-2\sqrt{2}}^{0} \left( x^2 + 4\sqrt{2}x + 8 \right) dx $$
$$ S = \frac{1}{2} \int_{-2\sqrt{2}}^{0} (x + 2\sqrt{2})^2 dx $$
これを積分して、
$$ S = \frac{1}{2} \left[ \frac{(x + 2\sqrt{2})^3}{3} \right]_{-2\sqrt{2}}^{0} $$
$$ S = \frac{1}{2} \left( \frac{(2\sqrt{2})^3}{3} - 0 \right) $$
$$ S = \frac{1}{2} \cdot \frac{16\sqrt{2}}{3} $$
$$ S = \frac{8\sqrt{2}}{3} $$
解説
共通接線を求める典型的な問題である。放物線と直線の接条件は「判別式 $D=0$」、円と直線の接条件は「点と直線の距離公式」を用いるのが最も計算が少なく確実な処理となる。円の接条件も方程式に代入して判別式を用いることは可能であるが、計算が煩雑になりやすいため避けたほうがよい。
面積計算においては、直線と放物線が接しているため、被積分関数が $a(x-\alpha)^2$ の形になる。この形にまとめてから積分を行うと、代入の計算ミスを大幅に減らすことができる。展開して項ごとに積分してもよいが、このような工夫を習慣づけておきたい。
答え
(1)
$k = 2\sqrt{2}, m = 4$
(2)
$\frac{8\sqrt{2}}{3}$
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