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大阪大学 2010年 文系 第1問 解説

数学2/図形と式数学2/積分法数学1/二次関数テーマ/軌跡・領域テーマ/面積・体積
大阪大学 2010年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1)

$t$が実数全体を動くときの放物線群の通過領域を求める問題である。与えられた方程式を$t$についての2次方程式と見なし、実数解をもつ条件(判別式 $D \ge 0$)を利用して $x, y$ の関係式を導く。

(2) (1)で得た領域の境界を表す曲線を$D$とする。条件から交点$(a, 0)$を求めた後、曲線$C$上の$x=a$における接線$l$の方程式を立式し、$D$と$l$で囲まれた面積を定積分で求める。交点を求めたのち、いわゆる $\frac{1}{6}$ 公式を活用して計算の負担を減らす。

解法1

(1)

与えられた放物線の方程式は

$$ y = \frac{3}{4}(x-t)^2 - t^2 - 1 $$

これを $t$ について整理する。

$$ y = \frac{3}{4}(x^2 - 2tx + t^2) - t^2 - 1 $$

$$ y = \frac{3}{4}x^2 - \frac{3}{2}tx - \frac{1}{4}t^2 - 1 $$

両辺を $4$ 倍して右辺にまとめる。

$$ t^2 + 6xt - 3x^2 + 4y + 4 = 0 $$

この方程式を満たす実数 $t$ が少なくとも1つ存在するような $(x, y)$ の条件を求めればよい。 $t$ についての2次方程式の判別式を $D_1$ とすると、実数解をもつ条件は $D_1 \ge 0$ である。

$$ \frac{D_1}{4} = (3x)^2 - 1 \cdot (-3x^2 + 4y + 4) \ge 0 $$

$$ 9x^2 + 3x^2 - 4y - 4 \ge 0 $$

$$ 12x^2 - 4 \ge 4y $$

$$ y \le 3x^2 - 1 $$

したがって、求める領域は不等式 $y \le 3x^2 - 1$ の表す領域であり、境界線を含む。 図示すると、放物線 $y = 3x^2 - 1$ およびその下側の領域となる。

(2)

(1)より、領域の境界 $D$ は曲線 $y = 3x^2 - 1$ である。 $D$ が $x$ 軸の正の部分と交わる点の $x$ 座標は、$3x^2 - 1 = 0$ かつ $x > 0$ を解いて、

$$ x = \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{3} $$

よって、$a = \frac{\sqrt{3}}{3}$ である。

次に、$x = a$ における曲線 $C: y = -x^2 - 1$ の接線 $l$ を求める。 $y = -x^2 - 1$ を微分すると $y' = -2x$ となる。 $x = \frac{\sqrt{3}}{3}$ のとき、

$$ y = -\left(\frac{\sqrt{3}}{3}\right)^2 - 1 = -\frac{1}{3} - 1 = -\frac{4}{3} $$

$$ y' = -2 \cdot \frac{\sqrt{3}}{3} = -\frac{2\sqrt{3}}{3} $$

したがって、接点 $\left(\frac{\sqrt{3}}{3}, -\frac{4}{3}\right)$ における接線 $l$ の方程式は、

$$ y - \left(-\frac{4}{3}\right) = -\frac{2\sqrt{3}}{3}\left(x - \frac{\sqrt{3}}{3}\right) $$

$$ y = -\frac{2\sqrt{3}}{3}x + \frac{2}{3} - \frac{4}{3} $$

$$ y = -\frac{2\sqrt{3}}{3}x - \frac{2}{3} $$

境界 $D: y = 3x^2 - 1$ と接線 $l$ の交点の $x$ 座標を求める。

$$ 3x^2 - 1 = -\frac{2\sqrt{3}}{3}x - \frac{2}{3} $$

$$ 3x^2 + \frac{2\sqrt{3}}{3}x - \frac{1}{3} = 0 $$

両辺に $3$ を掛けて、

$$ 9x^2 + 2\sqrt{3}x - 1 = 0 $$

解の公式を用いて $x$ を求める。

$$ x = \frac{-\sqrt{3} \pm \sqrt{(\sqrt{3})^2 - 9 \cdot (-1)}}{9} = \frac{-\sqrt{3} \pm \sqrt{12}}{9} = \frac{-\sqrt{3} \pm 2\sqrt{3}}{9} $$

$$ x = \frac{\sqrt{3}}{9}, \ -\frac{\sqrt{3}}{3} $$

$D$ は下に凸の放物線であり、$l$ は直線であるから、$-\frac{\sqrt{3}}{3} \le x \le \frac{\sqrt{3}}{9}$ の範囲では $l$ が $D$ の上側にある。 したがって、求める面積 $S$ は、

$$ S = \int_{-\frac{\sqrt{3}}{3}}^{\frac{\sqrt{3}}{9}} \left\{ \left( -\frac{2\sqrt{3}}{3}x - \frac{2}{3} \right) - (3x^2 - 1) \right\} dx $$

$$ S = \int_{-\frac{\sqrt{3}}{3}}^{\frac{\sqrt{3}}{9}} \left( -3x^2 - \frac{2\sqrt{3}}{3}x + \frac{1}{3} \right) dx $$

被積分関数は交点の $x$ 座標を解にもつ2次式であるから、定積分公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3$ を用いる。

$$ S = -3 \int_{-\frac{\sqrt{3}}{3}}^{\frac{\sqrt{3}}{9}} \left(x + \frac{\sqrt{3}}{3}\right)\left(x - \frac{\sqrt{3}}{9}\right) dx $$

$$ S = -3 \cdot \left(-\frac{1}{6}\right) \left( \frac{\sqrt{3}}{9} - \left(-\frac{\sqrt{3}}{3}\right) \right)^3 $$

$$ S = \frac{1}{2} \left( \frac{\sqrt{3} + 3\sqrt{3}}{9} \right)^3 $$

$$ S = \frac{1}{2} \left( \frac{4\sqrt{3}}{9} \right)^3 $$

$$ S = \frac{1}{2} \cdot \frac{64 \cdot 3\sqrt{3}}{729} $$

$$ S = \frac{32\sqrt{3}}{243} $$

解説

(1) は通過領域の典型問題である。パラメータ $t$ が全ての実数を動くため、$t$ の2次方程式とみなして判別式を利用する解法(逆像法)が最も簡明で手早い。

(2) は曲線と直線の囲む面積を求める問題である。接線の立式対象が $D$ ではなく $C$ であることに注意して立式する。交点の $x$ 座標を求めた後は、$\frac{1}{6}$ 公式を利用することで計算量を大幅に削減でき、無用な計算ミスを防ぐことができる。

答え

(1)

不等式 $y \le 3x^2 - 1$ の表す領域(境界線を含む)。図示は放物線 $y = 3x^2 - 1$ およびその下側の領域。

(2)

$$ \frac{32\sqrt{3}}{243} $$

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