大阪大学 2019年 文系 第2問 解説

方針・初手
方程式の係数に絶対値記号が含まれているため、まずは絶対値を外すことが先決である。絶対値の中身が $0$ になる $p = 0$ と $p = -1$ を境界として、$p < -1$、$-1 \leqq p < 0$、$p \geqq 0$ の3つの場合に分けて方程式を整理する。
場合分けをして方程式を簡略化すると、各区間において因数分解や平方根の形で解を具体的に求めることができるため、実数解の存在や解の条件式 $\alpha^2 + \beta^2 \leqq 1$ の処理が容易になる。
解法1
与えられた $x$ の2次方程式
$$ x^2 - (2p + |p| - |p+1| + 1)x + \frac{1}{2}(2p + 3|p| - |p+1| - 1) = 0 $$
について、係数に含まれる絶対値記号を外すため、$p$ の値により場合分けして方程式を整理する。
(i)
$p < -1$ のとき
$|p| = -p$、$|p+1| = -(p+1)$ であるから、$x$ の係数は
$$ -(2p - p + p + 1 + 1) = -(2p + 2) $$
となり、定数項は
$$ \frac{1}{2} (2p - 3p + p + 1 - 1) = 0 $$
となる。したがって、方程式は
$$ x^2 - 2(p+1)x = 0 $$
となる。
(ii)
$-1 \leqq p < 0$ のとき
$|p| = -p$、$|p+1| = p+1$ であるから、$x$ の係数は
$$ -(2p - p - p - 1 + 1) = 0 $$
となり、定数項は
$$ \frac{1}{2} (2p - 3p - p - 1 - 1) = -p - 1 $$
となる。したがって、方程式は
$$ x^2 - (p+1) = 0 $$
となる。
(iii)
$p \geqq 0$ のとき
$|p| = p$、$|p+1| = p+1$ であるから、$x$ の係数は
$$ -(2p + p - p - 1 + 1) = -2p $$
となり、定数項は
$$ \frac{1}{2} (2p + 3p - p - 1 - 1) = 2p - 1 $$
となる。したがって、方程式は
$$ x^2 - 2px + 2p - 1 = 0 $$
となる。
(1)
上記の場合分けにおいて、方程式が実数解をもつことを示す。
(i)
$p < -1$ のとき
方程式 $x^2 - 2(p+1)x = 0$ は $x(x - 2p - 2) = 0$ と因数分解でき、解は $x = 0, 2p+2$ となる。 $p$ は実数であるためこれらも実数となり、方程式は実数解をもつ。
(ii)
$-1 \leqq p < 0$ のとき
方程式は $x^2 = p+1$ となる。 $p \geqq -1$ より $p+1 \geqq 0$ であるから、実数解 $x = \pm\sqrt{p+1}$ をもつ。
(iii)
$p \geqq 0$ のとき
方程式 $x^2 - 2px + 2p - 1 = 0$ は $(x-1)(x - 2p + 1) = 0$ と因数分解できる。 解は $x = 1, 2p-1$ となり、これらも実数であるため、方程式は実数解をもつ。
以上 (i), (ii), (iii) より、すべての実数 $p$ において与えられた2次方程式は実数解をもつことが示された。
(2)
方程式が異なる2つの実数解をもつ条件と、$\alpha^2 + \beta^2 \leqq 1$ を満たす $p$ の範囲を調べる。
(i)
$p < -1$ のとき
解は $\alpha, \beta = 0, 2p+2$ である。 これらが異なる条件は $0 \neq 2p+2$ より $p \neq -1$ であり、$p < -1$ のもとで常に成り立つ。 条件 $\alpha^2 + \beta^2 \leqq 1$ より、
$$ 0^2 + (2p+2)^2 \leqq 1 $$
$$ 4p^2 + 8p + 4 \leqq 1 $$
$$ 4p^2 + 8p + 3 \leqq 0 $$
$$ (2p+1)(2p+3) \leqq 0 $$
$$ -\frac{3}{2} \leqq p \leqq -\frac{1}{2} $$
$p < -1$ との共通範囲をとると、
$$ -\frac{3}{2} \leqq p < -1 $$
(ii)
$-1 \leqq p < 0$ のとき
解は $\alpha, \beta = \pm\sqrt{p+1}$ である。 これらが異なる条件は $\sqrt{p+1} \neq -\sqrt{p+1}$ より $p+1 \neq 0$、すなわち $p \neq -1$ である。 したがって、前提となる範囲は $-1 < p < 0$ となる。 条件 $\alpha^2 + \beta^2 \leqq 1$ より、
$$ (\sqrt{p+1})^2 + (-\sqrt{p+1})^2 \leqq 1 $$
$$ 2(p+1) \leqq 1 $$
$$ p \leqq -\frac{1}{2} $$
$-1 < p < 0$ との共通範囲をとると、
$$ -1 < p \leqq -\frac{1}{2} $$
(iii)
$p \geqq 0$ のとき
解は $\alpha, \beta = 1, 2p-1$ である。 これらが異なる条件は $1 \neq 2p-1$ より $p \neq 1$ である。 条件 $\alpha^2 + \beta^2 \leqq 1$ より、
$$ 1^2 + (2p-1)^2 \leqq 1 $$
$$ 4p^2 - 4p + 2 \leqq 1 $$
$$ 4p^2 - 4p + 1 \leqq 0 $$
$$ (2p-1)^2 \leqq 0 $$
実数の2乗は $0$ 以上であるから、これを満たす実数 $p$ は $2p-1 = 0$ すなわち $p = \frac{1}{2}$ のみである。 これは $p \geqq 0$ かつ $p \neq 1$ を満たす。
以上 (i), (ii), (iii) より、求める $p$ の値の範囲は、
$$ -\frac{3}{2} \leqq p < -1, \quad -1 < p \leqq -\frac{1}{2}, \quad p = \frac{1}{2} $$
これをまとめると、$-\frac{3}{2} \leqq p \leqq -\frac{1}{2}$ (ただし $p \neq -1$) および $p = \frac{1}{2}$ となる。
解説
見かけの式は複雑だが、絶対値記号の中身で場合分けをするという基本に忠実に従えば、それぞれの区間において簡潔な方程式に帰着する。
(1) では判別式 $D$ を用いて $D \geqq 0$ を示す方法もあるが、どのみち (2) で解そのものか解と係数の関係を利用することになるため、初手で方程式の解を具体的に求めてしまう方針が最も効率的である。
(2) では「異なる2つの実数解をもつ」という条件を忘れがちである。場合分けの (ii) における $p \neq -1$ がこの条件から除外される点に注意して、論理の穴がないように解き進める必要がある。
答え
(1)
略(すべての実数 $p$ で実数解をもつことが示された)
(2)
$-\frac{3}{2} \leqq p \leqq -\frac{1}{2}$ (ただし $p \neq -1$)、および $p = \frac{1}{2}$
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