大阪大学 1961年 理系 第2問 解説

方針・初手
もとの6桁の自然数の最上位の数字と、それ以下の5桁の数に着目し、文字式で表す。問題文の条件を方程式として立式し、桁数や各文字のとりうる値の範囲から絞り込む整数問題として処理する。
解法1
もとの6桁の自然数を $N$ とし、その一番左の数字(十万の位の数字)を $x$、残りの下5桁が表す数を $y$ とする。 このとき、$N$ は次のように表せる。
$$ N = 10^5 x + y $$
ここで、$N$ は6桁の自然数であるから、$x$ は $1 \leqq x \leqq 9$ を満たす整数であり、$y$ は $0 \leqq y \leqq 99999$ を満たす整数である。
一番左の数字を一番右へ移してできる6桁の数 $M$ は、次のように表せる。
$$ M = 10 y + x $$
問題の条件より $M = 3N$ であるから、
$$ 10 y + x = 3 (10^5 x + y) $$
これを整理する。
$$ 10 y + x = 300000 x + 3 y $$
$$ 7 y = 299999 x $$
両辺を $7$ で割ると、次式を得る。
$$ y = 42857 x $$
$y$ は $y \leqq 99999$ を満たす必要があるため、
$$ 42857 x \leqq 99999 $$
$$ x \leqq \frac{99999}{42857} = 2.33\dots $$
$x$ は $1 \leqq x \leqq 9$ を満たす整数であるから、$x = 1, 2$ に絞られる。
(i) $x = 1$ のとき
$$ y = 42857 \cdot 1 = 42857 $$
これは条件 $0 \leqq y \leqq 99999$ を満たす。 このとき、もとの自然数 $N$ は $100000 \cdot 1 + 42857 = 142857$ である。
(ii) $x = 2$ のとき
$$ y = 42857 \cdot 2 = 85714 $$
これも条件 $0 \leqq y \leqq 99999$ を満たす。 このとき、もとの自然数 $N$ は $100000 \cdot 2 + 85714 = 285714$ である。
いずれの場合も、移動後の数 $M$ はそれぞれ $428571$、$857142$ となり、ともに6桁の数であるため題意を満たす。
解説
位取り記数法を用いて、各位の数字を文字でおき方程式を立てる典型的な整数問題である。 「一番左の数字を一番右へ移す」という操作を、$10^5 x + y$ から $10 y + x$ への変換として適切に数式化できるかどうかが最大のポイントとなる。立式後は、$x$ が1桁の数であることや、$y$ が5桁以下の数($y \leqq 99999$)であることを利用して候補を絞り込む。 なお、本問の解の1つである $142857$ は、$\frac{1}{7} = 0.142857142857\dots$ の循環節として現れる数であり、巡回数(ダイヤル数)としてよく知られている。
答え
$142857, 285714$
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