東北大学 1967年 文系 第1問 解説

方針・初手
全体の仕事量を $1$ とし、単位時間(1時間)あたりの仕事量に注目して立式する。
$X, Y, Z$ が単独で仕事をする際の所要時間をそれぞれ文字でおき、問題文の条件を数式に翻訳する。3つの未知数に対して3つの等式が得られるので、$Y, Z$ の所要時間を $X$ の所要時間を用いて表し、消去することで $X$ の所要時間についての方程式を導く。
解法1
全体の仕事量を $1$ とする。
$X, Y, Z$ がこの仕事を単独で行う場合の所要時間をそれぞれ $x, y, z$ とおく。所要時間であるため、$x > 0, y > 0, z > 0$ である。
1時間あたりのそれぞれの仕事量は $\frac{1}{x}, \frac{1}{y}, \frac{1}{z}$ と表せる。
3人が協力すれば $a$ 時間で仕事が完了するので、全体の仕事量について以下の式が成り立つ。
$$a \left( \frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} \right) = 1$$
すなわち、
$$\frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} = \frac{1}{a} \quad \cdots \text{(1)}$$
また、与えられた所要時間の関係から、以下の2式が成り立つ。
$$x = py - b \quad \cdots \text{(2)}$$
$$x = qz - b \quad \cdots \text{(3)}$$
問題の条件より $p, q$ は正の数であり、$x > 0$ だから $x+b > 0$ である。(2), (3)より $y, z$ は $x$ を用いて次のように表せる。
$$y = \frac{x+b}{p} \quad \cdots \text{(4)}$$
$$z = \frac{x+b}{q} \quad \cdots \text{(5)}$$
これらを (1) に代入する。
$$\frac{1}{x} + \frac{p}{x+b} + \frac{q}{x+b} = \frac{1}{a}$$
左辺の第2項と第3項をまとめる。
$$\frac{1}{x} + \frac{p+q}{x+b} = \frac{1}{a}$$
$x > 0, x+b > 0$ より、両辺に $ax(x+b)$ を掛けて分母を払う。
$$a(x+b) + ax(p+q) = x(x+b)$$
展開して $x$ について整理する。
$$ax + ab + a(p+q)x = x^2 + bx$$
$$x^2 + \{b - a(p+q+1)\}x - ab = 0$$
この2次方程式を解の公式を用いて $x$ について解く。
$$x = \frac{a(p+q+1) - b \pm \sqrt{\{b - a(p+q+1)\}^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-ab)}}{2}$$
$$x = \frac{a(p+q+1) - b \pm \sqrt{\{a(p+q+1) - b\}^2 + 4ab}}{2}$$
ここで、問題の条件より $a, b$ は正の数であるから、方程式の定数項 $-ab < 0$ となる。 したがって、この2次方程式は正の実数解と負の実数解を1つずつもつ。
$x > 0$ であるため、正の解をとる。
$$x = \frac{a(p+q+1) - b + \sqrt{\{a(p+q+1) - b\}^2 + 4ab}}{2}$$
解説
仕事算の基本原則である「全体の仕事を1とする」「単位時間あたりの仕事量で考える」に従って立式する典型的な問題である。
未知数が3つ登場するが、条件式から $y, z$ を $x$ の式として表すことができるため、$x$ のみの1変数の分数方程式に帰着させることができる。
最後に導かれる $x$ の2次方程式について、解の吟味を行う必要がある。定数項が $-ab$ であり、$a, b$ が正の数であることから定数項が負になる点に注目すれば、グラフの形(下に凸な放物線で $y$ 切片が負)から直ちに正の解と負の解を1つずつ持つことが分かり、$x > 0$ の条件を満たすものが一意に定まる。
答え
$$\frac{a(p+q+1) - b + \sqrt{\{a(p+q+1) - b\}^2 + 4ab}}{2}$$
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