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東北大学 1971年 文系 第3問 解説

数学C/平面ベクトル数学2/図形と式テーマ/図形総合
東北大学 1971年 文系 第3問 解説

方針・初手

問題で与えられた辺の長さとなす角から、基本となる2つのベクトル $\vec{a}$、$\vec{b}$ の大きさおよび内積の値をあらかじめ求めておく。 (1) 角の2等分線上の点は、2つのベクトルと同じ向きの単位ベクトルの和として方向ベクトルを作るか、内積を用いてそれぞれのベクトルとなす角が等しいことを立式して求める。 (2) 垂直2等分線上の点は、線分の中点を通りその線分に垂直であるという性質を用いるか、両端点からの距離が等しいという図形的性質を用いて立式する。 (3) (1)、(2) で得られた $x$ と $y$ の連立方程式を解き、交点の係数を決定する。

解法1

条件より、与えられたベクトルの大きさと内積は以下のようになる。

$$ |\vec{a}| = 4, \quad |\vec{b}| = 1 $$

$$ \vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|\cos\frac{\pi}{3} = 4 \cdot 1 \cdot \frac{1}{2} = 2 $$

(1) $\vec{a}$、$\vec{b}$ とそれぞれ同じ向きの単位ベクトルを $\vec{e_1}$、$\vec{e_2}$ とすると、

$$ \vec{e_1} = \frac{\vec{a}}{4}, \quad \vec{e_2} = \vec{b} $$

$\angle AOB$ の2等分線 $g$ は半直線であるから、実数 $k \ (k \geqq 0)$ を用いて以下のように表せる。

$$ \overrightarrow{OP} = k(\vec{e_1} + \vec{e_2}) = \frac{k}{4}\vec{a} + k\vec{b} $$

$\overrightarrow{OP} = x\vec{a} + y\vec{b}$ であり、$\vec{a}$、$\vec{b}$ は1次独立であるから、係数を比較して、

$$ x = \frac{k}{4}, \quad y = k $$

ここから媒介変数 $k$ を消去すると、

$$ y = 4x \quad (x \geqq 0) $$

(2) 線分 $AB$ の中点を $M$ とすると、$\overrightarrow{OM} = \frac{1}{2}\vec{a} + \frac{1}{2}\vec{b}$ である。 直線 $l$ は線分 $AB$ の垂直2等分線なので、$l$ 上の任意の点 $Q$ について $\overrightarrow{MQ} \cdot \overrightarrow{AB} = 0$ が成り立つ。

$$ \overrightarrow{MQ} = \overrightarrow{OQ} - \overrightarrow{OM} = \left( x - \frac{1}{2} \right)\vec{a} + \left( y - \frac{1}{2} \right)\vec{b} $$

$$ \overrightarrow{AB} = \vec{b} - \vec{a} $$

これらを内積の式に代入する。

$$ \left\{ \left( x - \frac{1}{2} \right)\vec{a} + \left( y - \frac{1}{2} \right)\vec{b} \right\} \cdot (\vec{b} - \vec{a}) = 0 $$

左辺を展開して整理すると、

$$ - \left( x - \frac{1}{2} \right)|\vec{a}|^2 + \left( x - \frac{1}{2} \right)(\vec{a} \cdot \vec{b}) - \left( y - \frac{1}{2} \right)(\vec{a} \cdot \vec{b}) + \left( y - \frac{1}{2} \right)|\vec{b}|^2 = 0 $$

$|\vec{a}|^2 = 16, |\vec{b}|^2 = 1, \vec{a} \cdot \vec{b} = 2$ を代入する。

$$ -16\left( x - \frac{1}{2} \right) + 2\left( x - \frac{1}{2} \right) - 2\left( y - \frac{1}{2} \right) + 1\left( y - \frac{1}{2} \right) = 0 $$

$$ -14\left( x - \frac{1}{2} \right) - \left( y - \frac{1}{2} \right) = 0 $$

$$ -14x + 7 - y + \frac{1}{2} = 0 $$

$$ 28x + 2y - 15 = 0 $$

(3) 点 $R$ は $g$ と $l$ の交点であるため、(1) と (2) の関係式を同時に満たす。

$$ \begin{cases} y = 4x \\ 28x + 2y - 15 = 0 \end{cases} $$

第1式を第2式に代入する。

$$ 28x + 2(4x) - 15 = 0 $$

$$ 36x = 15 $$

$$ x = \frac{15}{36} = \frac{5}{12} $$

このとき $y = 4 \cdot \frac{5}{12} = \frac{5}{3}$ となる。 これは $x \geqq 0$ の条件も満たしている。

解法2

(1) と (2) について、別の図形的性質から立式する方法を示す。

(1) 点 $P$ が角の2等分線上にあることより、ベクトル $\overrightarrow{OP}$ は $\vec{a}$ と $\vec{b}$ のそれぞれと等しい角をなす。 したがって、$P \neq O$ のとき、内積を用いたなす角の式から以下が成り立つ。

$$ \frac{\overrightarrow{OP} \cdot \vec{a}}{|\overrightarrow{OP}||\vec{a}|} = \frac{\overrightarrow{OP} \cdot \vec{b}}{|\overrightarrow{OP}||\vec{b}|} $$

分母を払い整理すると、

$$ |\vec{b}| (\overrightarrow{OP} \cdot \vec{a}) = |\vec{a}| (\overrightarrow{OP} \cdot \vec{b}) $$

$\overrightarrow{OP} = x\vec{a} + y\vec{b}$ を代入する。

$$ 1 \cdot \left\{ (x\vec{a} + y\vec{b}) \cdot \vec{a} \right\} = 4 \cdot \left\{ (x\vec{a} + y\vec{b}) \cdot \vec{b} \right\} $$

$$ x|\vec{a}|^2 + y(\vec{a} \cdot \vec{b}) = 4 \left\{ x(\vec{a} \cdot \vec{b}) + y|\vec{b}|^2 \right\} $$

$|\vec{a}|^2 = 16, |\vec{b}|^2 = 1, \vec{a} \cdot \vec{b} = 2$ を代入する。

$$ 16x + 2y = 4(2x + y) $$

$$ 16x + 2y = 8x + 4y $$

$$ 8x = 2y $$

$$ y = 4x $$

点 $P$ は角の内部の半直線上にあるため $x \geqq 0, y \geqq 0$ であり、$P = O$ のときも $x=y=0$ となりこの等式は成り立つ。

(2) 垂直2等分線上の点 $Q$ は、2点 $A, B$ から等距離にあるため、以下の条件を満たす。

$$ |\overrightarrow{AQ}| = |\overrightarrow{BQ}| $$

両辺は正であるから2乗しても同値である。

$$ |\overrightarrow{OQ} - \overrightarrow{OA}|^2 = |\overrightarrow{OQ} - \overrightarrow{OB}|^2 $$

$$ | (x-1)\vec{a} + y\vec{b} |^2 = | x\vec{a} + (y-1)\vec{b} |^2 $$

両辺を展開する。

$$ (x-1)^2 |\vec{a}|^2 + 2(x-1)y (\vec{a} \cdot \vec{b}) + y^2 |\vec{b}|^2 = x^2 |\vec{a}|^2 + 2x(y-1) (\vec{a} \cdot \vec{b}) + (y-1)^2 |\vec{b}|^2 $$

値を代入する。

$$ 16(x-1)^2 + 4y(x-1) + y^2 = 16x^2 + 4x(y-1) + (y-1)^2 $$

$$ 16(x^2 - 2x + 1) + 4xy - 4y + y^2 = 16x^2 + 4xy - 4x + y^2 - 2y + 1 $$

両辺の共通項を消去して整理する。

$$ -32x + 16 - 4y = -4x - 2y + 1 $$

$$ -28x - 2y + 15 = 0 $$

$$ 28x + 2y - 15 = 0 $$

解説

ベクトルを用いて図形の基本的な性質(角の二等分線、垂直二等分線)を立式する典型的な問題である。

(1) において、「2等分線」を直線全体と捉えるか半直線と捉えるかについては解釈が分かれるが、図形的に角の内部を通る半直線であると考えるのが自然であるため、条件 $x \geqq 0$ が付帯する点には留意しておきたい。

答え

(1) $y = 4x \ (x \geqq 0)$ (2) $28x + 2y - 15 = 0$ (3) $x = \frac{5}{12}, \quad y = \frac{5}{3}$

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