東北大学 1982年 文系 第2問 解説

方針・初手
$(a+b+c+d)^7$ の各項の係数は、多項定理によって求められる。
また、係数
$$ \frac{7!}{p!q!r!s!} $$
を最大にするには、分母 $p!q!r!s!$ を最小にすればよいので、$p,q,r,s$ をできるだけ均等に分けることを考える。
解法1
まず、多項定理より
$$ (a+b+c+d)^7=\sum_{p+q+r+s=7}\frac{7!}{p!q!r!s!}a^pb^qc^rd^s $$
である。ただし、和は $p,q,r,s$ が負でない整数で
$$ p+q+r+s=7 $$
を満たすすべての場合についてとる。
したがって、項 $a^pb^qc^rd^s$ の係数は
$$ \frac{7!}{p!q!r!s!} $$
である。
次に、この係数の最大値を求める。
係数は
$$ \frac{7!}{p!q!r!s!} $$
であり、$7!$ は一定であるから、$p!q!r!s!$ を最小にすればよい。
ここで、もしある2つの整数について $x\ge y+2$ であれば、$x$ を $x-1$ にし、$y$ を $y+1$ に移したとき
$$ \frac{(x-1)!(y+1)!}{x!y!} =\frac{y+1}{x} \le 1 $$
となる。しかも $x\ge y+2$ なら
$$ y+1<x $$
であるから、
$$ (x-1)!(y+1)!<x!y! $$
となる。
よって、和を保ったまま2つの数の差が2以上あるなら、より均等にした方が分母は小さくなる。したがって、分母 $p!q!r!s!$ が最小になるのは、$p,q,r,s$ ができるだけ等しいときである。
$p+q+r+s=7$ を4個にできるだけ均等に分けると
$$ 7=2+2+2+1 $$
であるから、最大となるのは $(p,q,r,s)$ が $(2,2,2,1)$ の並べ替えのときである。
このとき係数は
$$ \frac{7!}{2!2!2!1!} =\frac{5040}{8} =630 $$
である。
解説
この問題の要点は、多項定理を正しく使うことと、最大値の問題を「分母の最小化」に言い換えることである。
最大値の判定では、和が一定のとき factorial の積は値が偏るほど大きくなり、できるだけ均等な配分のとき最小になる。したがって、$7$ を4つに分けるなら $(2,2,2,1)$ が最も有利である。
答え
項 $a^pb^qc^rd^s$ の係数は
$$ \frac{7!}{p!q!r!s!} $$
である。
係数の最大値は
$$ 630 $$
であり、そのとき
$$ (p,q,r,s) $$
は $(2,2,2,1)$ の並べ替え、すなわち $2,2,2,1$ をこの順に並べ替えたものである。
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