東北大学 2023年 文系 第1問 解説

方針・初手
このゲームが続くのは、Aの番では白玉、Bの番では赤玉が出たときに限る。
したがって、ゲームの途中でまだ決着がついていないなら、そこまでの色の並びは
$$ \text{白},\text{赤},\text{白},\text{赤},\dots $$
と交互になっていなければならない。この事実を使って、引き分けとAの勝ちをそれぞれ数える。
解法1
(1) このゲームが引き分けとなる確率
引き分けになるのは、9個の玉を最後まで取り切るときである。
そのためには、9回の取り出しの色の並びが
$$ W,R,W,R,W,R,W,R,W $$
となる以外にない。実際、Aの番では毎回白、Bの番では毎回赤を引き続ける必要があるからである。
よって求める確率は
$$ \frac{5}{9}\cdot\frac{4}{8}\cdot\frac{4}{7}\cdot\frac{3}{6}\cdot\frac{3}{5}\cdot\frac{2}{4}\cdot\frac{2}{3}\cdot\frac{1}{2}\cdot 1 $$
である。これを整理すると
$$ \frac{5!4!}{9!} =\frac{1}{{}_{9}\mathrm{C}_{5}} =\frac{1}{126} $$
となる。
したがって、引き分けとなる確率は
$$ \frac{1}{126} $$
である。
(2) このゲームにAが勝つ確率
Aが勝つのは、Aの番で初めて赤玉を引いたときである。
Aが勝つ可能性があるのは 1回目、3回目、5回目、7回目のAの手番である。9回目のAの手番まで進むときは、前8回が
$$ W,R,W,R,W,R,W,R $$
であり、この時点で赤玉4個はすべてBが引いてしまっているので、9回目にAが赤玉を引くことはない。
したがって場合分けして求める。
(i) 1回目でAが勝つ場合
$$ P_1=\frac{4}{9} $$
(ii) 3回目でAが勝つ場合
このとき最初の3回の並びは
$$ W,R,R $$
である。よって
$$ P_3=\frac{5}{9}\cdot\frac{4}{8}\cdot\frac{3}{7} =\frac{5}{42} $$
(iii) 5回目でAが勝つ場合
このとき最初の5回の並びは
$$ W,R,W,R,R $$
である。よって
$$ P_5=\frac{5}{9}\cdot\frac{4}{8}\cdot\frac{4}{7}\cdot\frac{3}{6}\cdot\frac{2}{5} =\frac{2}{63} $$
(iv) 7回目でAが勝つ場合
このとき最初の7回の並びは
$$ W,R,W,R,W,R,R $$
である。よって
$$ P_7=\frac{5}{9}\cdot\frac{4}{8}\cdot\frac{4}{7}\cdot\frac{3}{6}\cdot\frac{3}{5}\cdot\frac{2}{4}\cdot\frac{1}{3} =\frac{1}{126} $$
以上より、Aが勝つ確率は
$$ P_1+P_3+P_5+P_7 =\frac{4}{9}+\frac{5}{42}+\frac{2}{63}+\frac{1}{126} =\frac{76}{126} =\frac{38}{63} $$
である。
解説
この問題の要点は、「ゲームが続く条件」を先に固定することである。
Aの番で赤が出れば即終了、Bの番で白が出れば即終了なので、決着がついていない間は必ず
$$ A:\text{白},\quad B:\text{赤} $$
が繰り返される。したがって、引き分けもAの勝ちも、許される色の並びは非常に限られる。
無理に複雑な確率漸化式を立てる必要はなく、どの手番まで安全に進み、どこでAが赤を引くかを素直に追えばよい。
答え
(1)
引き分けとなる確率は
$$ \frac{1}{126} $$
(2)
Aが勝つ確率は
$$ \frac{38}{63} $$
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