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東北大学 2020年 文系 第4問 解説

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東北大学 2020年 文系 第4問 解説

方針・初手

まず

$$ \vec p=s(2,-1)+t(-1,2) $$

を成分表示すると

$$ \vec p=(2s-t,,-s+2t) $$

である。また,6枚の硬貨を投げているので

$$ s+t=6 $$

が常に成り立つ。したがって,$\vec p$ は実質的に $s$ だけで表せる。これを用いて各問を処理する。

解法1

$\vec p=(x,y)$ とすると

$$ x=2s-t,\qquad y=-s+2t $$

である。

(1) $x+y$ の値

成分を足すと

$$ x+y=(2s-t)+(-s+2t)=s+t $$

である。ここで $s+t=6$ より,

$$ x+y=6 $$

となる。

(2) $\vec p=(0,6)$ となる確率

$\vec p=(0,6)$ となる条件は

$$ 2s-t=0,\qquad -s+2t=6 $$

であるが,$s+t=6$ を使って $\vec p$ を $s$ で表すと楽である。

$t=6-s$ を代入すると

$$ x=2s-(6-s)=3s-6,\qquad y=-s+2(6-s)=12-3s $$

ゆえに

$$ \vec p=(3s-6,\ 12-3s) $$

である。これが $(0,6)$ に等しいためには

$$ 3s-6=0 $$

すなわち

$$ s=2 $$

である。このとき $t=4$ である。

したがって,6枚のうちちょうど2枚が表となる確率だから

$$ \frac{{}_{6}\mathrm{C}_{2}}{2^6} =\frac{15}{64} $$

となる。

(3) $\vec p$ と $\vec q=(3,1)$ のなす角が $\dfrac{\pi}{6}$ 以下となる確率

なす角を $\theta$ とすると,条件は

$$ \theta\le \frac{\pi}{6} $$

である。内積を用いると

$$ \cos\theta=\frac{\vec p\cdot \vec q}{|\vec p|,|\vec q|} $$

であり,

$$ \theta\le \frac{\pi}{6} \quad\Longleftrightarrow\quad \cos\theta\ge \frac{\sqrt3}{2} $$

である。

まず内積を計算する。$\vec q=(3,1)$ より

$$ \vec p\cdot \vec q =3x+y $$

である。$x=3s-6,\ y=12-3s$ を代入すると

$$ \vec p\cdot \vec q =3(3s-6)+(12-3s) =6s-6 =6(s-1) $$

となる。

次に $|\vec p|^2$ を求める。

$$ |\vec p|^2 =(3s-6)^2+(12-3s)^2 =18{(s-3)^2+1} $$

また,

$$ |\vec q|=\sqrt{3^2+1^2}=\sqrt{10} $$

である。

したがって条件は

$$ \frac{6(s-1)}{|\vec p|,\sqrt{10}}\ge \frac{\sqrt3}{2} $$

である。両辺を2乗して整理すると

$$ 36(s-1)^2\ge \frac34\cdot |\vec p|^2\cdot 10 $$

すなわち

$$ 36(s-1)^2\ge \frac34\cdot 18{(s-3)^2+1}\cdot 10 $$

これを整理すると

$$ 11s^2-82s+146\le 0 $$

となる。$s=0,1,2,3,4,5,6$ を調べると,これを満たすのは

$$ s=3,\ 4 $$

である。

よって求める確率は

$$ \frac{{}_{6}\mathrm{C}_{3}+{}_{6}\mathrm{C}_{4}}{2^6} ============================= # \frac{20+15}{64} \frac{35}{64} $$

である。

解説

この問題の要点は,まず $s+t=6$ を使って $\vec p$ を1変数で表すことである。すると $\vec p$ の取りうる値が一直線上に並ぶことが分かり,(1) と (2) はすぐ処理できる。

(3) では「なす角がある値以下」という条件を,内積公式

$$ \cos\theta=\frac{\vec p\cdot \vec q}{|\vec p|,|\vec q|} $$

に翻訳するのが基本である。角度の条件を直接扱うのではなく,$\cos\theta\ge \sqrt3/2$ に直して判定するのが典型処理である。

答え

$$ **(1)** \ x+y=6 $$

$$ **(2)** \ \frac{15}{64} $$

$$ **(3)** \ \frac{35}{64} $$

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