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東北大学 1966年 理系 第2問 解説

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東北大学 1966年 理系 第2問 解説

方針・初手

点 $A$ が直線 $y = a$ 上を動くことから、その座標をパラメータ $t$ を用いて $A(t, a)$ とおく。垂心 $H$ は「頂点から対辺に下ろした垂線の交点」であるため、直線 $BC$ への垂線と、直線 $AC$ への垂線の方程式を立てて連立する。軌跡の方程式が求まった後は、$OH^2$ を計算し、平方した変数を置き換えることで2次関数の最小値問題に帰着させる。

解法1

(1)

点 $A$ は直線 $y = a$ 上にあるため、実数 $t$ を用いて $A(t, a)$ とおける。

$\triangle ABC$ の垂心 $H(x, y)$ は、頂点 $A$ から直線 $BC$ ($x$ 軸)に下ろした垂線上にあり、その方程式は $x = t$ である。したがって、垂心 $H$ の $x$ 座標は $x = t$ となる。

次に、頂点 $B(-1, 0)$ から直線 $AC$ に下ろした垂線の方程式を求める。 $t \neq 1$ のとき、直線 $AC$ の傾きは $\frac{a - 0}{t - 1} = \frac{a}{t - 1}$ である。 $B$ から $AC$ に下ろした垂線はこれに垂直なので、傾きは $-\frac{t - 1}{a}$ となり、点 $B(-1, 0)$ を通ることからその方程式は

$$ y = -\frac{t - 1}{a}(x + 1) $$

となる。 垂心 $H$ は $x = t$ とこの直線の交点であるから、$x = t$ を代入して

$$ y = -\frac{t - 1}{a}(t + 1) = \frac{1 - t^2}{a} $$

を得る。 また、$t = 1$ のとき、$A(1, a)$ となり、直線 $AC$ は $x = 1$ となる。このとき、$B(-1, 0)$ からの垂線は $y = 0$ ($x$ 軸)となり、交点 $H$ は $(1, 0)$ である。これは上の式に $t = 1$ を代入したものと一致する。

以上より、垂心 $H$ の座標は $(t, \frac{1 - t^2}{a})$ となる。 $t$ はすべての実数値をとるため、$x = t$ を用いて $t$ を消去すると、求める図形の方程式は

$$ y = \frac{1 - x^2}{a} $$

となる。

(2)

原点 $O(0, 0)$ と $H\left(x, \frac{1 - x^2}{a}\right)$ の距離の2乗 $OH^2$ を考える。

$$ OH^2 = x^2 + \left( \frac{1 - x^2}{a} \right)^2 $$

ここで、$X = x^2$ とおくと、$x$ はすべての実数をとるため $X \ge 0$ である。 $OH^2$ を $X$ の関数 $f(X)$ として表すと、

$$ f(X) = X + \frac{(1 - X)^2}{a^2} = \frac{1}{a^2}X^2 + \left( 1 - \frac{2}{a^2} \right)X + \frac{1}{a^2} $$

平方完成を行うと、

$$ \begin{aligned} f(X) &= \frac{1}{a^2} \{ X^2 + (a^2 - 2)X \} + \frac{1}{a^2} \\ &= \frac{1}{a^2} \left( X + \frac{a^2 - 2}{2} \right)^2 - \frac{(a^2 - 2)^2}{4a^2} + \frac{1}{a^2} \\ &= \frac{1}{a^2} \left( X - \frac{2 - a^2}{2} \right)^2 + \frac{4 - a^2}{4} \end{aligned} $$

となる。この2次関数のグラフは下に凸であり、軸は $X = \frac{2 - a^2}{2}$ である。 定義域 $X \ge 0$ における最小値を求めるため、軸の位置によって場合分けをする。

(i) $\frac{2 - a^2}{2} > 0$ すなわち $0 < a < \sqrt{2}$ のとき

軸 $X = \frac{2 - a^2}{2}$ は定義域 $X \ge 0$ に含まれるため、$f(X)$ は $X = \frac{2 - a^2}{2}$ で最小値をとる。 最小値は $f\left(\frac{2 - a^2}{2}\right) = \frac{4 - a^2}{4}$ である。 $OH > 0$ より、$OH$ の最小値は

$$ \sqrt{\frac{4 - a^2}{4}} = \frac{\sqrt{4 - a^2}}{2} $$

となる。

(ii) $\frac{2 - a^2}{2} \le 0$ すなわち $a \ge \sqrt{2}$ のとき

軸が $X \le 0$ の範囲にあるため、定義域 $X \ge 0$ において $f(X)$ は単調に増加する。 したがって、$f(X)$ は $X = 0$ で最小値をとる。 最小値は $f(0) = \frac{1}{a^2}$ である。 $OH > 0$ より、$OH$ の最小値は

$$ \sqrt{\frac{1}{a^2}} = \frac{1}{a} $$

となる。

解説

(1)は、軌跡を求める基本的な問題である。動点 $A$ をパラメータで表現し、条件に従って新たな点の座標を求め、パラメータを消去するという王道の手順を踏む。(2)では、変数のとりうる値の範囲に注意しながら2次関数の最小値問題に帰着させる。平方したものを新たな変数(今回は $X = x^2$)とおき直すことで、4次関数の微積を回避して計算を簡略化できる。軸の位置による場合分けは頻出のテーマであるため、確実に処理できるようにしておきたい。

答え

(1) $$ y = -\frac{1}{a}x^2 + \frac{1}{a} $$

(2) $0 < a < \sqrt{2}$ のとき、最小値 $\frac{\sqrt{4 - a^2}}{2}$ $a \ge \sqrt{2}$ のとき、最小値 $\frac{1}{a}$

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