東北大学 2009年 文系 第4問 解説

方針・初手
絶対値を外して,領域 $D$ の境界を2本の直線に分けて考える。
また,放物線 $C$ は
$$ y=x^2-2ax+a^2+a+2=(x-a)^2+a+2 $$
と書けるので,各直線との差をとり,その差が対応する範囲で常に正になる条件を求めればよい。
解法1
与えられた不等式
$$ 2y>x+1+3|x-1| $$
を場合分けすると,
$$ \begin{cases} y>-x+2 & (x<1),\\ y>2x-1 & (x\ge 1) \end{cases} $$
となる。したがって,$C$ 上のすべての点が $D$ に入るためには,すべての $x$ について
$$ \begin{cases} x^2-2ax+a^2+a+2>-x+2 & (x<1),\\ x^2-2ax+a^2+a+2>2x-1 & (x\ge 1) \end{cases} $$
が成り立てばよい。
これを整理して,
$$ \begin{cases} f_1(x):=x^2+(1-2a)x+a^2+a>0 & (x<1),\\ f_2(x):=x^2-(2a+2)x+a^2+a+3>0 & (x\ge 1) \end{cases} $$
を考える。
(i)
$x<1$ における条件
$f_1(x)$ は上に開く二次関数であり,頂点の $x$ 座標は
$$ x=a-\frac12 $$
である。
頂点が範囲 $x<1$ に入るのは
$$ a-\frac12<1 \iff a<\frac32 $$
のときである。このとき最小値は
$$ f_1\left(a-\frac12\right)=2a-\frac14 $$
となるから,これが正であるためには
$$ 2a-\frac14>0 \iff a>\frac18 $$
が必要である。
一方,$a\ge \frac32$ のときは頂点が範囲の外にあるので,$x<1$ では $f_1(x)$ の下限は $x\to 1-0$ で与えられる。その値は
$$ f_1(1)=a^2-a+2 $$
であり,これは常に正である。
よって,$x<1$ に関する条件は結局
$$ a>\frac18 $$
である。
(ii)
$x\ge 1$ における条件
$f_2(x)$ の頂点の $x$ 座標は
$$ x=a+1 $$
である。
頂点が範囲 $x\ge 1$ に入るのは
$$ a+1\ge 1 \iff a\ge 0 $$
のときである。このとき最小値は
$$ f_2(a+1)=2-a $$
となるから,これが正であるためには
$$ 2-a>0 \iff a<2 $$
が必要である。
一方,$a<0$ のときは頂点が範囲の外にあり,$x\ge 1$ では $f_2(x)$ の最小値は $x=1$ で与えられる。その値は
$$ f_2(1)=a^2-a+2 $$
であり,これも常に正である。
したがって,$x\ge 1$ に関する条件は
$$ a<2 $$
である。
以上より,両方を同時に満たすための条件は
$$ \frac18<a<2 $$
である。
解説
この問題では,絶対値を含む不等式が表す領域をまず正確に読み替えることが重要である。境界は折れ線になっており,放物線がその両側の直線より常に上にあることを確認すればよい。
「放物線上のすべての点が領域に入る」という条件は,直線との差をとった二次関数が,対応する範囲で常に正であることに言い換えられる。そこから頂点の位置と最小値を調べるのが基本処理である。
答え
$$ \frac18<a<2 $$
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