東北大学 1997年 文系 第1問 解説

方針・初手
まず、2次方程式の2解を $\alpha,\beta$ とおく。解の差が $1$ であることから
$$ (\alpha-\beta)^2=1 $$
を用い、解と係数の関係に結びつける。
次に、放物線 $y=x^2+ax+b$ が領域 $2x+y<0$ を通らないとは、グラフ上のすべての点で
$$ 2x+y\geqq 0 $$
が成り立つことを意味する。したがって、ある2次式がすべての実数 $x$ に対して常に $0$ 以上となる条件に帰着して調べればよい。
解法1
2次方程式 $x^2+ax+b=0$ の2解を $\alpha,\beta$ とする。
解と係数の関係より
$$ \alpha+\beta=-a,\qquad \alpha\beta=b $$
である。
また、解の差が $1$ であるから
$$ (\alpha-\beta)^2=1 $$
である。一方、
$$ (\alpha-\beta)^2=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta $$
であるから、
$$ 1=(-a)^2-4b=a^2-4b $$
となる。よって
$$ b=\frac{a^2-1}{4} $$
を得る。これが (1) の答えである。
次に (2) を考える。
放物線 $y=x^2+ax+b$ が領域 $2x+y<0$ を通らないとは、グラフ上の任意の点 $(x,y)$ に対して
$$ 2x+y\geqq 0 $$
が成り立つことである。
$y=x^2+ax+b$ を代入すると、
$$ x^2+(a+2)x+b\geqq 0 $$
がすべての実数 $x$ に対して成り立てばよい。
ここで (1) の結果 $b=\dfrac{a^2-1}{4}$ を代入すると、
$$ x^2+(a+2)x+\frac{a^2-1}{4}\geqq 0 $$
がすべての実数 $x$ に対して成り立つ条件を求めればよい。
この2次式は $x^2$ の係数が正であるから、すべての実数 $x$ に対して $0$ 以上となるための必要十分条件は判別式が $0$ 以下であることである。判別式を $D$ とすると
$$ \begin{aligned} D&=(a+2)^2-4\cdot \frac{a^2-1}{4} \\ &=a^2+4a+4-(a^2-1) \\ &=4a+5 \end{aligned} $$
したがって
$$ D\leqq 0 $$
より
$$ 4a+5\leqq 0 $$
すなわち
$$ a\leqq -\frac54 $$
である。
解法2
(2) だけ別の見方をする。
放物線が領域 $2x+y<0$ を通らないということは、直線 $y=-2x$ より下にグラフが出ないということである。したがって、放物線
$$ y=x^2+ax+b $$
と直線
$$ y=-2x $$
の位置関係を調べればよい。
両者の差を考えると、
$$ x^2+ax+b-(-2x)=x^2+(a+2)x+b $$
である。これがすべての実数 $x$ で $0$ 以上なら、放物線は直線 $y=-2x$ の下側に入らない。
ここで (1) の結果を用いると
$$ x^2+(a+2)x+\frac{a^2-1}{4} $$
となる。
この2次式の最小値を調べると、軸は
$$ x=-\frac{a+2}{2} $$
であり、最小値は
$$ \frac{a^2-1}{4}-\frac{(a+2)^2}{4} =\frac{a^2-1-(a+2)^2}{4} =\frac{-4a-5}{4} $$
である。
これが $0$ 以上であればよいから
$$ \frac{-4a-5}{4}\geqq 0 $$
すなわち
$$ a\leqq -\frac54 $$
を得る。
解説
この問題の要点は2つである。
まず (1) では、解の差が与えられたときに
$$ (\alpha-\beta)^2=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta $$
を使うのが典型である。和と積はそのまま係数に直せるので、$b$ を $a$ で表せる。
次に (2) では、「領域 $2x+y<0$ を通らない」を、グラフ上で常に $2x+y\geqq 0$ と言い換えるのが核心である。すると「ある2次式がすべての実数で非負」という標準問題になり、判別式か最小値で処理できる。
答え
$$ \text{(1)}\quad b=\frac{a^2-1}{4} $$
$$ \text{(2)}\quad a\leqq -\frac54 $$
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