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名古屋大学 1965年 理系 第3問 解説

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名古屋大学 1965年 理系 第3問 解説

方針・初手

もとの放物線上の点をパラメータ $t$ を用いて表し、それを頂点とする放物線の方程式を立てる。その後、ある点 $(x, y)$ をその放物線が通るような実数 $t$ が存在するための条件を考える。これは図形の通過領域を求める際の定石的な処理である。

解法1

もとの放物線 $y = 1 - x^2$ 上の点を $(t, 1 - t^2)$ とおく。

この点を頂点とし、もとの放物線と合同で向きが同じ($x^2$ の係数が $-1$ である)放物線の方程式は、

$$ y = -(x - t)^2 + 1 - t^2 $$

と表される。これを展開して整理すると、

$$ y = -(x^2 - 2tx + t^2) + 1 - t^2 $$

$$ y = -x^2 + 2tx - 2t^2 + 1 $$

となる。

求める領域は、点 $(x, y)$ がこの放物線上に乗るような実数 $t$ が存在するような点 $(x, y)$ の集合である。 上の式を $t$ についての2次方程式とみて整理すると、

$$ 2t^2 - 2xt + x^2 + y - 1 = 0 $$

となる。この $t$ についての2次方程式が実数解をもつ条件を求めればよい。 判別式を $D$ とすると、実数解をもつ条件は $D \ge 0$ である。

$$ \frac{D}{4} = (-x)^2 - 2(x^2 + y - 1) \ge 0 $$

$$ x^2 - 2x^2 - 2y + 2 \ge 0 $$

$$ -x^2 - 2y + 2 \ge 0 $$

$$ 2y \le -x^2 + 2 $$

$$ y \le -\frac{1}{2}x^2 + 1 $$

したがって、求める範囲は不等式 $y \le -\frac{1}{2}x^2 + 1$ が表す領域である。

解法2

解法1と同様に、条件を満たす放物線の方程式は、パラメータ $t$ を用いて以下のように表される。

$$ y = -x^2 + 2tx - 2t^2 + 1 $$

求める領域は、ある $x$ を固定したとき、実数 $t$ が全体を動いたときに $y$ がとりうる値の範囲を求め、それをすべての $x$ について考えたものに等しい。

上の式を $t$ についての2次関数とみて平方完成すると、

$$ y = -2 \left( t^2 - xt \right) - x^2 + 1 $$

$$ y = -2 \left( t - \frac{x}{2} \right)^2 + 2 \left( \frac{x}{2} \right)^2 - x^2 + 1 $$

$$ y = -2 \left( t - \frac{x}{2} \right)^2 - \frac{1}{2}x^2 + 1 $$

となる。

ここで、$x$ を固定して考えると、この $y$ の値は $t = \frac{x}{2}$ のとき最大値 $-\frac{1}{2}x^2 + 1$ をとる。 $t$ はすべての実数値をとることができるため、ある $x$ に対して $y$ がとりうる値の範囲は、

$$ y \le -\frac{1}{2}x^2 + 1 $$

となる。

これがすべての実数 $x$ について成り立つので、求める範囲は不等式 $y \le -\frac{1}{2}x^2 + 1$ が表す領域である。

解説

図形の通過領域を求める典型問題である。 動く図形の方程式をパラメータ $t$ で表したのち、以下の2つのいずれかのアプローチをとるのが定石である。

(i) 逆手流(解法1)

$x, y$ を定数とみなし、$t$ についての方程式と捉えて「実数解が存在する条件」を求める方法。条件が判別式などに帰着されるため、計算が機械的に進むことが多い。

(ii) 順手流(解法2)

$x$ を定数とみなし、$t$ を動かしたときの $y$ のとりうる値の範囲(最大値や最小値)を求める方法。特定の $x$ における断面を考えることから、ファクシミリの原理とも呼ばれる。

本問は $t$ の変域が実数全体であるため、どちらの方法でも場合分けが発生せず容易に解答できる。

答え

不等式 $y \le -\frac{1}{2}x^2 + 1$ が表す領域(境界線を含む)。

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