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東北大学 1967年 理系 第2問 解説

数学C/式と曲線数学2/図形と式テーマ/二次曲線
東北大学 1967年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) 楕円上の点 $P(x, y)$ と焦点 $F(4, 0)$ の距離 $PF$ を、$P$ の $x$ 座標を用いて表すことから始めます。距離の公式を用いて根号の中身を整理すると、完全平方式が作れます。 (2) (1) で得られた $x_1 + x_2 = 8$ と、点 $A, C$ が楕円上にあるという2つの関係式を連立させます。両辺の差をとることで、直線 $AC$ の傾きと線分 $AC$ の中点の座標を結びつける定石の式変形を利用して、垂直2等分線の方程式を導きます。

解法1

(1) 楕円 $\frac{x^2}{25} + \frac{y^2}{9} = 1$ 上の点 $P(x, y)$ と焦点 $F(4, 0)$ の距離 $PF$ を求める。 楕円の方程式より $y^2 = 9 \left( 1 - \frac{x^2}{25} \right)$ であるから、

$$ \begin{aligned} PF^2 &= (x - 4)^2 + y^2 \\ &= x^2 - 8x + 16 + 9 \left( 1 - \frac{x^2}{25} \right) \\ &= \frac{16}{25}x^2 - 8x + 25 \\ &= \left( \frac{4}{5}x - 5 \right)^2 \end{aligned} $$

点 $P$ は楕円上の点であるから $-5 \leqq x \leqq 5$ であり、$\frac{4}{5}x - 5 < 0$ となる。したがって、根号を外すと以下のようになる。

$$ PF = \left| \frac{4}{5}x - 5 \right| = 5 - \frac{4}{5}x $$

これより、楕円上の3点 $A(x_1, y_1), B\left(4, \frac{9}{5}\right), C(x_2, y_2)$ から焦点 $F(4, 0)$ に至る距離はそれぞれ次のように表せる。

$$ \begin{aligned} AF &= 5 - \frac{4}{5}x_1 \\ BF &= 5 - \frac{4}{5} \cdot 4 = \frac{9}{5} \\ CF &= 5 - \frac{4}{5}x_2 \end{aligned} $$

題意より、$AF, BF, CF$ がこの順に等差数列をなすため、$AF + CF = 2BF$ が成り立つ。

$$ \left( 5 - \frac{4}{5}x_1 \right) + \left( 5 - \frac{4}{5}x_2 \right) = 2 \cdot \frac{9}{5} $$

$$ 10 - \frac{4}{5}(x_1 + x_2) = \frac{18}{5} $$

$$ \frac{4}{5}(x_1 + x_2) = 10 - \frac{18}{5} = \frac{32}{5} $$

両辺に $\frac{5}{4}$ を掛けることで、$x_1 + x_2 = 8$ が示された。

(2) 点 $A, C$ は楕円上の点であるから、以下の式が成り立つ。

$$ \frac{x_1^2}{25} + \frac{y_1^2}{9} = 1 \quad \cdots \text{(i)} $$

$$ \frac{x_2^2}{25} + \frac{y_2^2}{9} = 1 \quad \cdots \text{(ii)} $$

(i) $-$ (ii) を計算して整理する。

$$ \frac{x_1^2 - x_2^2}{25} + \frac{y_1^2 - y_2^2}{9} = 0 $$

$$ \frac{(x_1 - x_2)(x_1 + x_2)}{25} + \frac{(y_1 - y_2)(y_1 + y_2)}{9} = 0 $$

ここで、点 $A, B, C$ は相異なる3点である。 もし $x_1 = x_2$ とすると、(1) の結果 $x_1 + x_2 = 8$ より $x_1 = x_2 = 4$ となる。このとき $A$ または $C$ の座標は $x = 4$ のときの楕円上の点 $\left(4, \pm\frac{9}{5}\right)$ となり、点 $B$ あるいは互いに一致してしまうため不適である。したがって $x_1 \neq x_2$ である。 同様に、$y_1 + y_2 = 0$ や $y_1 = y_2$ と仮定しても、上式から $x_1 = x_2$ が導かれて矛盾するため、$y_1 \neq y_2$ かつ $y_1 + y_2 \neq 0$ である。

先ほどの式に $x_1 + x_2 = 8$ を代入する。

$$ \frac{8(x_1 - x_2)}{25} + \frac{(y_1 - y_2)(y_1 + y_2)}{9} = 0 $$

これを直線 $AC$ の傾き $\frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1}$ について解く。

$$ \frac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1} = \frac{72}{25(y_1 + y_2)} $$

線分 $AC$ の中点を $M$ とすると、$x$ 座標は $\frac{x_1 + x_2}{2} = 4$ より $M\left(4, \frac{y_1 + y_2}{2}\right)$ である。 線分 $AC$ の垂直2等分線を $l$ とすると、$l$ の傾きは直線 $AC$ と直交するため $-\frac{x_2 - x_1}{y_2 - y_1} = -\frac{25(y_1 + y_2)}{72}$ となる。 したがって、直線 $l$ の方程式は中点 $M$ を通ることから次のように表せる。

$$ y - \frac{y_1 + y_2}{2} = -\frac{25(y_1 + y_2)}{72}(x - 4) $$

点 $T$ は $l$ と $x$ 軸の交点なので、$y = 0$ を代入する。

$$ -\frac{y_1 + y_2}{2} = -\frac{25(y_1 + y_2)}{72}(x - 4) $$

$y_1 + y_2 \neq 0$ であるから、両辺を $-\frac{y_1 + y_2}{2}$ で割って整理する。

$$ 1 = \frac{25}{36}(x - 4) $$

$$ x - 4 = \frac{36}{25} $$

$$ x = 4 + \frac{36}{25} = \frac{136}{25} $$

これにより、点 $T$ の座標は $\left(\frac{136}{25}, 0\right)$ となる。 最後に、点 $B\left(4, \frac{9}{5}\right)$ と点 $T\left(\frac{136}{25}, 0\right)$ を通る直線 $BT$ の傾きを求める。

$$ \frac{0 - \frac{9}{5}}{\frac{136}{25} - 4} = \frac{-\frac{9}{5}}{\frac{36}{25}} = -\frac{9}{5} \cdot \frac{25}{36} = -\frac{5}{4} $$

(※計算過程の修正:$T$の$x$座標計算において符号の誤りがありました。正しい $l$ の方程式に基づく交点は $x = \frac{64}{25}$ です。以下に訂正します。)

直線 $l$ の方程式に $y = 0$ を代入した式を正しく解く。

$$ -\frac{y_1 + y_2}{2} = -\frac{25(y_1 + y_2)}{72}(x - 4) $$

$$ 1 = \frac{25}{36}(x - 4) $$

ではなく、直線 $AC$ の傾き $m$ と垂直条件 $m \cdot m' = -1$ より、垂直二等分線 $l$ の傾きは $\frac{25(y_1 + y_2)}{72}$ だった。 したがって、正しい直線 $l$ の方程式は以下の通り。

$$ y - \frac{y_1 + y_2}{2} = \frac{25(y_1 + y_2)}{72}(x - 4) $$

$y = 0$ を代入する。

$$ -\frac{y_1 + y_2}{2} = \frac{25(y_1 + y_2)}{72}(x - 4) $$

両辺を $\frac{y_1 + y_2}{2}$ で割る。

$$ -1 = \frac{25}{36}(x - 4) $$

$$ x - 4 = -\frac{36}{25} $$

$$ x = 4 - \frac{36}{25} = \frac{64}{25} $$

これにより、点 $T$ の座標は $\left(\frac{64}{25}, 0\right)$ となる。 直線 $BT$ の傾きを求める。

$$ \frac{0 - \frac{9}{5}}{\frac{64}{25} - 4} = \frac{-\frac{9}{5}}{-\frac{36}{25}} = \frac{9}{5} \cdot \frac{25}{36} = \frac{5}{4} $$

解説

(1) では、楕円上の点と焦点の距離が $x$ の1次式で表せるという二次曲線における重要な性質(離心率 $e$ を用いて $PF = a - ex$ となる性質)を背景としています。これを直接計算で導出させています。 (2) は、楕円上の2点を通る直線の傾きを求める際の定石処理です。2つの点の座標を楕円の方程式に代入して辺々引くことで、「傾き」と「中点の座標」の関係式が現れます。この処理を知っていれば、計算量を大幅に削減して点 $T$ の座標が定点になることを見抜くことができます。

答え

(1) 証明は解答の通り。 (2) $\frac{5}{4}$

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