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東京工業大学 1967年 理系 第2問 解説

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東京工業大学 1967年 理系 第2問 解説

方針・初手

点 $P(2, 1)$ を通る直線を文字でおき、だ円の方程式と連立して交点が存在する条件を求めます。 交点の座標を直接求めると計算が煩雑になるため、2次方程式の解と係数の関係を利用して線分の長さの積 $\overline{PQ} \cdot \overline{PR}$ をパラメータの式で表し、その関数の値域を調べるという方針をとります。

直線の設定方法として、「傾き $m$ を用いる方法」と「媒介変数(極座標風)を用いる方法」の2通りが考えられます。

解法1

点 $P(2, 1)$ を通る直線が $y$ 軸に平行($x=2$)であるとき、だ円の方程式 $3x^2+2y^2=6$ に $x=2$ を代入すると、

$$ 3 \cdot 2^2 + 2y^2 = 6 $$

$$ y^2 = -3 $$

これを満たす実数 $y$ は存在しないため、直線 $x=2$ はだ円と交わらない。 したがって、だ円と2点で交わる直線は $y$ 軸に平行ではなく、その傾きを $m$ とおいて $y=m(x-2)+1$ と表せる。

これをだ円の方程式に代入して $y$ を消去する。

$$ 3x^2 + 2\{m(x-2)+1\}^2 = 6 $$

展開して $x$ について整理する。

$$ 3x^2 + 2\{m^2(x-2)^2 + 2m(x-2) + 1\} - 6 = 0 $$

$$ 3x^2 + 2m^2(x^2 - 4x + 4) + 4mx - 8m - 4 = 0 $$

$$ (2m^2+3)x^2 - 4m(2m-1)x + 8m^2 - 8m - 4 = 0 $$

直線がだ円と2点で交わる条件は、この $x$ についての2次方程式が異なる2つの実数解をもつことである。判別式を $D$ とすると、 $D>0$ より、

$$ \frac{D}{4} = \{2m(2m-1)\}^2 - (2m^2+3)(8m^2-8m-4) > 0 $$

$$ 4m^2(4m^2-4m+1) - 4(2m^2+3)(2m^2-2m-1) > 0 $$

$$ 16m^4 - 16m^3 + 4m^2 - 4(4m^4 - 4m^3 - 2m^2 + 6m^2 - 6m - 3) > 0 $$

$$ 16m^4 - 16m^3 + 4m^2 - 16m^4 + 16m^3 - 16m^2 + 24m + 12 > 0 $$

$$ -12m^2 + 24m + 12 > 0 $$

$$ m^2 - 2m - 1 < 0 $$

これを解いて、$m$ のとりうる値の範囲は以下のようになる。

$$ 1-\sqrt{2} < m < 1+\sqrt{2} $$

2つの交点 $Q, R$ の $x$ 座標をそれぞれ $\alpha, \beta$ とすると、これらは先ほどの2次方程式の2解である。解と係数の関係より、

$$ \alpha + \beta = \frac{4m(2m-1)}{2m^2+3} $$

$$ \alpha \beta = \frac{8m^2-8m-4}{2m^2+3} $$

ここで、点 $P, Q, R$ はいずれも直線 $y=m(x-2)+1$ 上にあるから、三平方の定理より、

$$ PQ = \sqrt{(\alpha-2)^2 + \{m(\alpha-2)\}^2} = \sqrt{1+m^2}|\alpha-2| $$

$$ PR = \sqrt{1+m^2}|\beta-2| $$

したがって、求める積 $\overline{PQ} \cdot \overline{PR}$ は次のように表せる。

$$ \overline{PQ} \cdot \overline{PR} = (1+m^2)|(\alpha-2)(\beta-2)| $$

絶対値の中身を計算する。

$$ (\alpha-2)(\beta-2) = \alpha\beta - 2(\alpha+\beta) + 4 $$

$$ = \frac{8m^2-8m-4}{2m^2+3} - 2 \cdot \frac{8m^2-4m}{2m^2+3} + 4 $$

$$ = \frac{(8m^2-8m-4) - (16m^2-8m) + 4(2m^2+3)}{2m^2+3} $$

$$ = \frac{-8m^2 - 4 + 8m^2 + 12}{2m^2+3} = \frac{8}{2m^2+3} $$

これは常に正であるから、絶対値を外すことができる。ゆえに、

$$ \overline{PQ} \cdot \overline{PR} = (1+m^2) \cdot \frac{8}{2m^2+3} = 4 \cdot \frac{2m^2+2}{2m^2+3} = 4 \left( 1 - \frac{1}{2m^2+3} \right) $$

$1-\sqrt{2} < m < 1+\sqrt{2}$ における $m^2$ のとりうる値の範囲を考える。 $1-\sqrt{2} < 0 < 1+\sqrt{2}$ であるから、$m^2$ の最小値は $0$ 、最大値は $(1+\sqrt{2})^2 = 3+2\sqrt{2}$ に漸近する。すなわち、

$$ 0 \le m^2 < 3+2\sqrt{2} $$

$L = 4 \left( 1 - \frac{1}{2m^2+3} \right)$ とおくと、$L$ は $m^2 \ge 0$ において $m^2$ が増加するとともに単調に増加する関数である。

$m^2 = 0$ のとき、

$$ L = 4 \left( 1 - \frac{1}{3} \right) = \frac{8}{3} $$

$m^2 \to 3+2\sqrt{2}$ のとき、

$$ L \to 4 \left( 1 - \frac{1}{2(3+2\sqrt{2})+3} \right) = 4 - \frac{4}{9+4\sqrt{2}} $$

$$ = \frac{36+16\sqrt{2}-4}{9+4\sqrt{2}} = \frac{16(2+\sqrt{2})}{9+4\sqrt{2}} $$

分母を有利化する。

$$ \frac{16(2+\sqrt{2})(9-4\sqrt{2})}{(9+4\sqrt{2})(9-4\sqrt{2})} = \frac{16(18 - 8\sqrt{2} + 9\sqrt{2} - 8)}{81 - 32} = \frac{16(10+\sqrt{2})}{49} $$

以上より、 $\overline{PQ} \cdot \overline{PR}$ のとりうる値の範囲は $\frac{8}{3} \le \overline{PQ} \cdot \overline{PR} < \frac{16(10+\sqrt{2})}{49}$ となる。

解法2

点 $P(2, 1)$ を通る直線上の点を、媒介変数 $r$ と偏角 $\theta$ ($0 \le \theta < \pi$)を用いて、次のように表す。

$$ (x, y) = (2+r\cos\theta, 1+r\sin\theta) $$

この点がだ円 $3x^2+2y^2=6$ 上にあるとき、

$$ 3(2+r\cos\theta)^2 + 2(1+r\sin\theta)^2 = 6 $$

展開して $r$ について整理する。

$$ 3(4 + 4r\cos\theta + r^2\cos^2\theta) + 2(1 + 2r\sin\theta + r^2\sin^2\theta) - 6 = 0 $$

$$ (3\cos^2\theta + 2\sin^2\theta)r^2 + 4(3\cos\theta + \sin\theta)r + 8 = 0 $$

点 $P(2,1)$ は $3 \cdot 2^2 + 2 \cdot 1^2 = 14 > 6$ よりだ円の外部にある。直線がだ円と2点で交わるとき、この $r$ についての2次方程式は同符号の2つの実数解 $r_1, r_2$ をもつ。

交点が存在する条件は、判別式 $D>0$ であるから、

$$ \frac{D}{4} = 4(3\cos\theta+\sin\theta)^2 - 8(3\cos^2\theta+2\sin^2\theta) > 0 $$

$$ 36\cos^2\theta + 24\cos\theta\sin\theta + 4\sin^2\theta - 24\cos^2\theta - 16\sin^2\theta > 0 $$

$$ 12\cos^2\theta + 24\cos\theta\sin\theta - 12\sin^2\theta > 0 $$

$$ \cos^2\theta - \sin^2\theta + 2\sin\theta\cos\theta > 0 $$

2倍角の公式より、交点をもつための $\theta$ の条件は次のようになる。

$$ \cos 2\theta + \sin 2\theta > 0 $$

ここで、$X = \cos 2\theta$, $Y = \sin 2\theta$ とおくと、点 $(X, Y)$ は単位円 $X^2+Y^2=1$ 上の点であり、条件は $X+Y>0 \iff Y > -X$ となる。 $0 \le \theta < \pi$ より $0 \le 2\theta < 2\pi$ であり、単位円上で $Y > -X$ を満たす $X$ の変域を調べると、

$$ -\frac{1}{\sqrt{2}} < X \le 1 \iff -\frac{1}{\sqrt{2}} < \cos 2\theta \le 1 $$

一方、 $r_1, r_2$ は点 $P$ から交点 $Q, R$ までの符号付き距離を表す。解と係数の関係より、

$$ r_1 r_2 = \frac{8}{3\cos^2\theta+2\sin^2\theta} $$

分母は常に正であり $r_1 r_2 > 0$ であるから、 $r_1, r_2$ は同符号となる。したがって、

$$ \overline{PQ} \cdot \overline{PR} = |r_1||r_2| = r_1 r_2 = \frac{8}{3\cos^2\theta+2\sin^2\theta} $$

分母に半角の公式を適用する。

$$ 3\cos^2\theta + 2\sin^2\theta = 3 \cdot \frac{1+\cos 2\theta}{2} + 2 \cdot \frac{1-\cos 2\theta}{2} = \frac{5+\cos 2\theta}{2} $$

よって、

$$ \overline{PQ} \cdot \overline{PR} = \frac{16}{5+\cos 2\theta} $$

ここで、 $-\frac{1}{\sqrt{2}} < \cos 2\theta \le 1$ であるから、 $\overline{PQ} \cdot \overline{PR}$ は $\cos 2\theta$ について単調減少である。

$\cos 2\theta = 1$ のとき、最小値 $\frac{16}{5+1} = \frac{8}{3}$ をとる。 $\cos 2\theta \to -\frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき、上限値に近づく。

$$ \frac{16}{5-\frac{1}{\sqrt{2}}} = \frac{16\sqrt{2}}{5\sqrt{2}-1} = \frac{16\sqrt{2}(5\sqrt{2}+1)}{50-1} = \frac{160+16\sqrt{2}}{49} $$

以上より、 $\frac{8}{3} \le \overline{PQ} \cdot \overline{PR} < \frac{16(10+\sqrt{2})}{49}$ となる。

解説

直線と2次曲線(だ円、放物線、双曲線)の交点に関する問題では、交点の座標をまともに求めようとすると根号が含まれ、その後の計算が極めて複雑になります。本問のように線分の長さや中点の座標が問われている場合は、「2次方程式の解と係数の関係」を用いるのが鉄則です。

解法1は、直線を $y = m(x-2)+1$ とおいて交点の $x$ 座標に注目する、受験数学において最も標準的かつ確実なアプローチです。直線の傾きが $y$ 軸に平行な場合($x=2$)を最初に除外する論証を忘れないようにしましょう。

解法2は、直線をパラメータ表示(極座標表示に類似した形)でおく手法です。この設定を行うと、$r$ の値がそのまま「点 $P$ からの距離」に対応するため、 $\overline{PQ} \cdot \overline{PR} = |r_1 r_2|$ と直結し、 $x$ 座標や $y$ 座標の差から距離を復元する手間が省けます。計算量が抑えられる鮮やかな解法として押さえておきたい技術です。

答え

$$ \frac{8}{3} \le \overline{PQ} \cdot \overline{PR} < \frac{16(10+\sqrt{2})}{49} $$

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