東北大学 2015年 理系 第6問 解説

方針・初手
連続する $k$ 個の自然数の和は等差数列の和であるから、
$$ n=m+(m+1)+\cdots +(m+k-1)=km+\frac{k(k-1)}{2} $$
と書ける。これを $m$ について解くと条件 (A) が現れる。また、$m$ が自然数であることを「整数であること」と「正であること」に分けて言い換えると条件 (B) が現れる。
(2), (3) では、(1) で得た判定条件を用いて $k$ の奇偶に分けて調べる。
解法1
(1) 同値性の証明
まず、$n$ が $k$-連続和であるとする。するとある自然数 $m$ が存在して
$$ n=km+\frac{k(k-1)}{2} $$
である。よって
$$ m=\frac{n}{k}-\frac{k}{2}+\frac{1}{2} $$
となるから、$m$ は整数であり、条件 (A) が成り立つ。
また、
$$ 2n=2km+k(k-1)=k(2m+k-1) $$
である。ここで $m\ge 1$ であるから
$$ 2m+k-1>k $$
となり、
$$ 2n=k(2m+k-1)>k^2 $$
を得る。したがって条件 (B) も成り立つ。
逆に、(A), (B) が成り立つとする。
$$ m=\frac{n}{k}-\frac{k}{2}+\frac{1}{2} $$
とおくと、(A) より $m$ は整数である。さらに (B) より
$$ \frac{2n}{k}>k $$
であるから、
$$ 2m=\frac{2n}{k}-k+1>1 $$
となる。したがって $m>\dfrac12$ である。$m$ は整数であるから $m\ge 1$、すなわち $m$ は自然数である。
この $m$ について
$$ km+\frac{k(k-1)}{2} = k\left(\frac{n}{k}-\frac{k}{2}+\frac{1}{2}\right)+\frac{k(k-1)}{2} = n $$
であるから、
$$ n=m+(m+1)+\cdots +(m+k-1) $$
と表される。よって $n$ は $k$-連続和である。
以上より、$n$ が $k$-連続和であることと、(A), (B) がともに成り立つことは同値である。
(2) $n=2^f$ のとき
$n=2^f$ が $k$-連続和になると仮定する。(1) より条件 (A), (B) が成り立つ。
(i)
$k$ が奇数の場合
このとき
$$ \frac{k}{2}-\frac{1}{2}=\frac{k-1}{2} $$
は整数であるから、(A) より $\dfrac{2^f}{k}$ も整数である。したがって $k$ は $2^f$ の奇数の約数である。
しかし $2^f$ の奇数の約数は $1$ しかないので、$k=1$ となる。これは $k\ge 2$ に反する。
(ii)
$k$ が偶数の場合
このとき $\dfrac{k}{2}$ は整数であるから、(A) より
$$ \frac{2^f}{k}+\frac{1}{2} $$
が整数である。ゆえに $\dfrac{2^f}{k}$ は半整数であり、
$$ \frac{2^{f+1}}{k} $$
は奇数の整数である。
ところが $2^{f+1}$ は $2$ の冪であるから、その奇数の約数は $1$ しかない。したがって
$$ \frac{2^{f+1}}{k}=1 \quad\Longrightarrow\quad k=2^{f+1} $$
である。
しかしこのとき条件 (B) は
$$ 2n=2^{f+1}>k^2=2^{2f+2} $$
を要求するが、これは明らかに不可能である。
(i), (ii) のいずれも矛盾するから、$n=2^f$ のとき、$n$ が $k$-連続和となるような自然数 $k\ge 2$ は存在しない。
(3) $n=p^f$($p$ は奇素数)のとき
(1) の条件を用いて、$k$ の奇偶で場合分けする。
(i)
$k$ が奇数の場合
このとき
$$ \frac{k}{2}-\frac{1}{2}=\frac{k-1}{2} $$
は整数であるから、(A) より $\dfrac{p^f}{k}$ は整数である。よって $k$ は $p^f$ の約数であり、
$$ k=p^a \qquad (1\le a\le f) $$
と書ける。
さらに (B) より
$$ 2p^f>k^2=p^{2a} $$
である。$p\ge 3$ であるから、これは
$$ 2a\le f $$
と同値である。したがって奇数の $k$ は
$$ k=p^a \qquad \left(1\le a\le \left\lfloor \frac{f}{2}\right\rfloor\right) $$
に限る。よって個数は
$$ \left\lfloor \frac{f}{2}\right\rfloor $$
個である。
(ii)
$k$ が偶数の場合
$k=2\ell$ とおく。このとき (A) より
$$ \frac{p^f}{2\ell}-\ell+\frac12 $$
が整数であるから、$\dfrac{p^f}{2\ell}$ は半整数である。したがって
$$ \frac{p^f}{\ell} $$
は奇数の整数である。ゆえに $\ell$ は $p^f$ の約数であり、
$$ \ell=p^b \qquad (0\le b\le f) $$
と書ける。すなわち
$$ k=2p^b $$
である。
さらに (B) より
$$ 2p^f>k^2=4p^{2b} $$
すなわち
$$ p^{,f-2b}>2 $$
である。$p\ge 3$ であるから、これは
$$ f-2b\ge 1 $$
と同値である。したがって偶数の $k$ は
$$ k=2p^b \qquad \left(0\le b\le \left\lfloor \frac{f-1}{2}\right\rfloor\right) $$
に限る。よって個数は
$$ \left\lfloor \frac{f-1}{2}\right\rfloor+1 $$
個である。
以上より、求める個数は
$$ \left\lfloor \frac{f}{2}\right\rfloor + \left(\left\lfloor \frac{f-1}{2}\right\rfloor+1\right) =f $$
である。
解説
この問題の本質は、
$$ n=km+\frac{k(k-1)}{2} $$
という形に直して、初項 $m$ の条件を整数条件と正値条件に分解することである。
(2) では $2$ の冪の約数構造が極端に単純であるため、奇数長でも偶数長でも矛盾が生じる。
(3) では $p^f$ の約数が $p^a$ に限られることを使うと、奇数長と偶数長の候補を完全に書き尽くせる。奇数長と偶数長を分けることが最も自然で確実な方針である。
答え
(1)
$n$ が $k$-連続和であることと、次の 2 条件がともに成り立つことは同値である。
$$ \frac{n}{k}-\frac{k}{2}+\frac{1}{2}\in \mathbb{Z}, \qquad 2n>k^2 $$
(2)
$n=2^f$ のとき、$n$ が $k$-連続和となるような自然数 $k\ge 2$ は存在しない。
(3)
$n=p^f$($p$ は $2$ でない素数)のとき、$n$ が $k$-連続和となるような自然数 $k\ge 2$ の個数は
$$ f $$
個である。
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