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東北大学 2015年 理系 第5問 解説

数学1/図形計量数学1/立体図形数学2/微分法テーマ/最大・最小テーマ/面積・体積
東北大学 2015年 理系 第5問 解説

方針・初手

(1) は各頂点の角が鋭角である条件を内積で調べればよい。

(2) は $AB$ が $x$ 軸上にあるので,$P$ からの高さがすぐに書ける。もう1本の高さとの交点を求めれば垂心が出る。

(3) は $M,Q,R$ が中点であることから,$MQR$ は中点三角形であり,4つの小三角形が合同になることに注目する。折り曲げてできる四面体は「向かい合う辺の長さが等しい四面体」とみなせるので,対称な座標表示を用いると体積がきれいに計算できる。

解法1

(1) 三角形 $ABP$ が鋭角三角形となる条件

各頂点での内積を調べる。

頂点 $A$ では

$$ \overrightarrow{AB}=(4,0),\quad \overrightarrow{AP}=(t+2,\sqrt{3}t) $$

より,

$$ \overrightarrow{AB}\cdot \overrightarrow{AP}=4(t+2)>0 $$

であり,これは $t>0$ のもとで常に成り立つ。

頂点 $B$ では

$$ \overrightarrow{BA}=(-4,0),\quad \overrightarrow{BP}=(t-2,\sqrt{3}t) $$

より,

$$ \overrightarrow{BA}\cdot \overrightarrow{BP}=-4(t-2)=4(2-t) $$

であるから,

$$ \angle B<90^\circ \iff t<2 $$

である。

頂点 $P$ では

$$ \overrightarrow{PA}=(-t-2,-\sqrt{3}t),\quad \overrightarrow{PB}=(2-t,-\sqrt{3}t) $$

より,

$$ \overrightarrow{PA}\cdot \overrightarrow{PB} =(-t-2)(2-t)+3t^2 =t^2-4+3t^2 =4(t^2-1) $$

であるから,

$$ \angle P<90^\circ \iff t>1 $$

となる。

したがって,三角形 $ABP$ が鋭角三角形となるのは

$$ 1<t<2 $$

である。

(2) 垂心の座標

辺 $AB$ は $x$ 軸上にあるから,$P$ から $AB$ への高さは

$$ x=t $$

である。

次に,辺 $BP$ の傾きを求めると

$$ \frac{\sqrt{3}t-0}{t-2}=\frac{\sqrt{3}t}{t-2} $$

であるから,$A$ を通る高さの傾きは

$$ -\frac{t-2}{\sqrt{3}t} $$

である。したがってその方程式は

$$ y=-\frac{t-2}{\sqrt{3}t}(x+2) $$

となる。

これと $x=t$ との交点を求めると

$$ y=-\frac{t-2}{\sqrt{3}t}(t+2) =\frac{4-t^2}{\sqrt{3}t} $$

である。

よって垂心は

$$ \left(t,\frac{4-t^2}{\sqrt{3}t}\right) $$

である。

(3) 四面体の体積の最大値

まず辺の長さを求める。

$$ AB=4 $$

また,

$$ AP^2=(t+2)^2+3t^2=4(t^2+t+1) $$

より

$$ AP=2\sqrt{t^2+t+1} $$

同様に

$$ BP^2=(t-2)^2+3t^2=4(t^2-t+1) $$

より

$$ BP=2\sqrt{t^2-t+1} $$

である。

$M,Q,R$ はそれぞれ中点であるから,中点連結定理より

$$ MQ=\frac{AP}{2},\quad MR=\frac{BP}{2},\quad QR=\frac{AB}{2}=2 $$

である。

一方,三角形 $AMR,\ BMQ,\ PQR$ の3辺はそれぞれ

$$ AM=2,\ AR=\frac{AP}{2},\ MR=\frac{BP}{2} $$

$$ BM=2,\ BQ=\frac{BP}{2},\ MQ=\frac{AP}{2} $$

$$ PQ=\frac{BP}{2},\ PR=\frac{AP}{2},\ QR=2 $$

となるので,4つの小三角形 $MQR,\ AMR,\ BMQ,\ PQR$ はすべて合同である。

したがって,折り曲げてできる四面体では向かい合う辺が等しく,

$$ SM=QR=2,\quad SQ=MR=\frac{BP}{2},\quad SR=MQ=\frac{AP}{2} $$

となるような四面体になる。ここでこの四面体を対称に

$$ X(a,b,c),\ Y(a,-b,-c),\ Z(-a,b,-c),\ W(-a,-b,c) $$

とおくと,向かい合う辺の長さは

$$ XY=ZW=2\sqrt{b^2+c^2} $$

$$ XZ=YW=2\sqrt{a^2+c^2} $$

$$ XW=YZ=2\sqrt{a^2+b^2} $$

と表される。

これを

$$ 2,\quad \frac{BP}{2},\quad \frac{AP}{2} $$

に対応させると

$$ 2\sqrt{b^2+c^2}=2 $$

$$ 2\sqrt{a^2+c^2}=\frac{BP}{2}=\sqrt{t^2-t+1} $$

$$ 2\sqrt{a^2+b^2}=\frac{AP}{2}=\sqrt{t^2+t+1} $$

すなわち

$$ b^2+c^2=1 $$

$$ a^2+c^2=\frac{t^2-t+1}{4} $$

$$ a^2+b^2=\frac{t^2+t+1}{4} $$

である。これを解くと

$$ a^2=\frac{t^2-1}{4},\quad b^2=\frac{t+2}{4},\quad c^2=\frac{2-t}{4} $$

を得る。$1<t<2$ ではこれらはすべて正であり,非退化な四面体ができる。

この四面体の体積 $V$ は

$$ V=\frac{1}{6}\left|\det(\overrightarrow{XY},\overrightarrow{XZ},\overrightarrow{XW})\right| =\frac{8abc}{3} $$

であるから,

$$ V=\frac{8}{3}\sqrt{a^2b^2c^2} =\frac{8}{3}\sqrt{\frac{t^2-1}{4}\cdot\frac{t+2}{4}\cdot\frac{2-t}{4}} $$

すなわち

$$ V=\frac{1}{3}\sqrt{(t^2-1)(4-t^2)} $$

となる。

よって,$V$ を最大にするには

$$ f(t)=(t^2-1)(4-t^2) $$

を最大にすればよい。$u=t^2$ とおくと,$1<u<4$ の範囲で

$$ f(t)=-(u^2-5u+4) =-\left(u-\frac{5}{2}\right)^2+\frac{9}{4} $$

となるから,最大値は $u=\dfrac{5}{2}$ のときにとる。

したがって

$$ t=\sqrt{\frac{5}{2}}=\frac{\sqrt{10}}{2} $$

のとき最大となり,

$$ V_{\max}=\frac{1}{3}\sqrt{\frac{9}{4}}=\frac{1}{2} $$

である。

解説

この問題の要点は (3) の処理である。中点で区切られた4つの小三角形がすべて合同であるため,折り曲げた後の四面体は向かい合う辺が等しい特殊な四面体になる。ここを見抜くと,折り曲げ角を直接追わずに体積を計算できる。

また,$a^2=\dfrac{t^2-1}{4}$,$c^2=\dfrac{2-t}{4}$ が正になる条件がちょうど $1<t<2$ であり,これは (1) の鋭角条件と一致する。鋭角条件が (3) で自然に再び現れるのも重要な点である。

答え

$$ \text{(1)}\quad 1<t<2 $$

$$ \text{(2)}\quad \left(t,\frac{4-t^2}{\sqrt{3}t}\right) $$

$$ \text{(3)}\quad \text{体積の最大値は } \frac{1}{2},\ \text{そのとき } t=\frac{\sqrt{10}}{2} $$

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