東京工業大学 2014年 理系 第1問 解説

方針・初手
$a_n$ はシグマ計算を実行し、連続する整数の積の性質を利用して整数であることを示す。計算の過程では、$(k-1)k(k+1)$ の和を階差の形に変形すると求めやすい。
$b_n$ および $a_n - b_n$ については、$n$ が奇数であることを数式で表現する。自然数 $m$ を用いて $n=2m+1$ と置き換えることで、因数分解された式の中に連続する整数の積を作り出し、倍数の証明に帰着させる。
解法1
(1)
$a_n$ のシグマ計算を行う。恒等式 $(k-1)k(k+1) = \frac{1}{4} \{ (k-1)k(k+1)(k+2) - (k-2)(k-1)k(k+1) \}$ を利用する。
$$ \begin{aligned} a_n &= \frac{1}{6} \sum_{k=1}^{n-1} (k-1)k(k+1) \\ &= \frac{1}{6} \sum_{k=1}^{n-1} \frac{1}{4} \{ (k-1)k(k+1)(k+2) - (k-2)(k-1)k(k+1) \} \\ &= \frac{1}{24} \{ (n-2)(n-1)n(n+1) - (-1) \cdot 0 \cdot 1 \cdot 2 \} \\ &= \frac{1}{24} (n-2)(n-1)n(n+1) \end{aligned} $$
ここで、$(n-2)(n-1)n(n+1)$ は連続する4つの整数の積であるため、$4! = 24$ の倍数である。 よって、$a_n$ は整数である。
また、$n$ は3以上の奇数であるから、自然数 $m$ を用いて $n=2m+1$ と表せる。 これを $b_n$ の式に代入する。
$$ \begin{aligned} b_n &= \frac{(2m+1)^2-1}{8} \\ &= \frac{4m^2+4m}{8} \\ &= \frac{m(m+1)}{2} \end{aligned} $$
$m(m+1)$ は連続する2つの自然数の積であるため、2の倍数(偶数)である。 よって、$b_n$ は整数である。
(2)
(1) の結果を利用して、$a_n - b_n$ を計算する。
$$ \begin{aligned} a_n - b_n &= \frac{1}{24} (n-2)(n-1)n(n+1) - \frac{(n-1)(n+1)}{8} \\ &= \frac{(n-1)(n+1)}{24} \{ (n-2)n - 3 \} \\ &= \frac{(n-1)(n+1)}{24} (n^2 - 2n - 3) \\ &= \frac{(n-3)(n-1)(n+1)^2}{24} \end{aligned} $$
これに $n=2m+1$($m$ は自然数)を代入する。
$$ \begin{aligned} a_n - b_n &= \frac{(2m-2)(2m)(2m+2)^2}{24} \\ &= \frac{2(m-1) \cdot 2m \cdot 4(m+1)^2}{24} \\ &= \frac{16(m-1)m(m+1)^2}{24} \\ &= \frac{2}{3} (m-1)m(m+1)^2 \end{aligned} $$
ここで、$(m-1)m(m+1)$ は連続する3つの整数の積であるため、$3! = 6$ の倍数である。 したがって、0以上の整数 $k$ を用いて $(m-1)m(m+1) = 6k$ とおける。 これを与式に代入する。
$$ \begin{aligned} a_n - b_n &= \frac{2}{3} \cdot 6k \cdot (m+1) \\ &= 4k(m+1) \end{aligned} $$
$k$ および $m+1$ は整数であるから、$4k(m+1)$ は4の倍数である。 よって、$a_n - b_n$ は4の倍数である。
解法2
(1) における $a_n$ が整数であることの別証明。
$k$ を自然数としたとき、$(k-1)k(k+1)$ は連続する3つの整数の積であるため、$3! = 6$ の倍数である。 したがって、任意の自然数 $k$ に対して、ある整数 $M_k$ を用いて $(k-1)k(k+1) = 6M_k$ と表せる。
これを $a_n$ の定義式に代入する。
$$ \begin{aligned} a_n &= \frac{1}{6} \sum_{k=1}^{n-1} 6M_k \\ &= \sum_{k=1}^{n-1} M_k \end{aligned} $$
$M_k$ は整数であるから、その和である $\sum_{k=1}^{n-1} M_k$ も整数である。 よって、$a_n$ は整数である。 (以降の $b_n$ および (2) の証明は解法1と同様)
解説
「連続する $k$ 個の整数の積は $k!$ の倍数になる」という、整数問題における頻出かつ重要な性質を活用する問題である。
(1) で $a_n$ が整数であることを示す際、解法1のように式を整理してから $24$ の倍数であることを示すアプローチと、解法2のようにシグマの中身がすでに $6$ の倍数になっていることに着目するアプローチがある。どちらも重要であるが、(2) で $a_n$ の計算結果そのものが必要になるため、解法1のように $n$ の多項式として求めておく方がその後の展開がスムーズである。
(2) では、$n$ が奇数である条件を $n=2m+1$ と処理し、差をとった式に代入することで $(m-1)m(m+1)$ という連続する3整数の積の形が自然に現れる。ここで式を不用意に展開せず、因数分解された状態を維持することが倍数の証明を簡明にするコツである。
答え
(1)
$a_n = \frac{1}{24} (n-2)(n-1)n(n+1)$ となり、分子が連続する4整数の積(24の倍数)となるため整数である。 $b_n$ は $n=2m+1$ とおくと $\frac{m(m+1)}{2}$ となり、分子が連続する2整数の積(2の倍数)となるため整数である。(証明終)
(2) $n=2m+1$ とおいて差を計算すると $a_n - b_n = \frac{2}{3} (m-1)m(m+1)^2$ と整理できる。$(m-1)m(m+1)$ が連続する3整数の積で6の倍数となるため、全体として $4 \times (\text{整数})$ の形になり、4の倍数であることが示される。(証明終)
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