東北大学 2021年 理系 第3問 解説

方針・初手
正八角形の頂点はすべて同一円周上にあるので、円に内接する三角形・四角形として考えるのが有効である。
特に、直角三角形については「円に内接する三角形が直角三角形であること」と「その斜辺が直径であること」が同値である。したがって、まず正八角形における直径の本数を確認する。
また、二等辺三角形は、ある頂点を頂角として左右対称に頂点を取ることで数えられる。
解法1
(1) 直角三角形の個数
正八角形の頂点のうち、向かい合う2点を結ぶと直径になる。直径は
$$ A_1A_5,\ A_2A_6,\ A_3A_7,\ A_4A_8 $$
の4本である。
円に内接する三角形が直角三角形であるための必要十分条件は、その一辺が直径であることである。したがって、各直径を斜辺とする直角三角形を数えればよい。
1本の直径を固定すると、残り6個の頂点のうちどれを選んでも直角三角形が1つできる。よって
$$ 4 \times 6 = 24 $$
個である。
(2) 直角三角形でも二等辺三角形でもない三角形の個数
まず、正八角形の8頂点から3頂点を選ぶ三角形の総数は
$$ {}_{8}\mathrm{C}_{3}=56 $$
である。
次に、二等辺三角形の個数を数える。
1つの頂点を頂角の頂点とすると、左右対称に底辺の両端を取る方法は3通りある。実際、例えば $A_1$ を頂角の頂点とすると、底辺の両端は
$$ (A_8,A_2),\ (A_7,A_3),\ (A_6,A_4) $$
の3通りである。
したがって、二等辺三角形の個数は
$$ 8 \times 3 = 24 $$
個である。
ただし、この中には直角二等辺三角形が含まれるので、重複を調整する必要がある。
直角二等辺三角形になるのは、例えば $A_1$ を頂角の頂点としたとき $(A_7,A_3)$ の場合であり、各頂点について1個ずつ存在する。よって直角二等辺三角形は
$$ 8 $$
個である。
したがって、「直角三角形または二等辺三角形」である三角形の個数は包除原理より
$$ 24+24-8=40 $$
個である。
よって、求める個数は
$$ 56-40=16 $$
個である。
(3) 条件 $(*)$ を満たす四角形の個数
条件 $(*)$ は
「四角形の4頂点から3点を選ぶと直角三角形が作れる」
というものである。
円に内接する三角形が直角三角形になるのは、その3点の中に直径の両端が含まれるときに限る。したがって、4頂点からなる四角形が条件 $(*)$ を満たすことと、
「その4頂点の中に、向かい合う2頂点(直径の両端)が含まれること」
は同値である。
そこで、4頂点の選び方全体から、向かい合う2頂点を1組も含まないものを引く。
4頂点の選び方全体は
$$ {}_{8}\mathrm{C}_{4}=70 $$
通りである。
一方、向かい合う2頂点を1組も含まないためには、
$$ (A_1,A_5),\ (A_2,A_6),\ (A_3,A_7),\ (A_4,A_8) $$
の4組それぞれからちょうど1点ずつ選ぶしかない。各組からの選び方は2通りずつあるから、そのような4頂点の選び方は
$$ 2^4=16 $$
通りである。
したがって、条件 $(*)$ を満たす四角形の個数は
$$ 70-16=54 $$
個である。
解説
この問題の本質は、正八角形を「同一円周上の8点」とみなすことである。
直角三角形を直接角度で追うよりも、「直径を斜辺にもつ」という円周角の性質を使うと一気に数えられる。また、二等辺三角形は正多角形の対称性を使って、頂角の頂点を固定して数えるのが自然である。
(3) では、条件をそのまま数えようとすると煩雑になるが、「直角三角形が作れる ⇔ 3点の中に直径の両端がある」と言い換えることで、四角形の4頂点の中に対頂点の組が含まれるかどうかの問題に落ちる。ここまで整理できれば、余事象で簡潔に数えられる。
答え
$$ \text{(1)}\ 24 $$
$$ \text{(2)}\ 16 $$
$$ \text{(3)}\ 54 $$
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