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東北大学 2021年 理系 第2問 解説

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東北大学 2021年 理系 第2問 解説

方針・初手

面積比はアフィン変換で不変であるから,三角形 $ABC$ の形を一般のまま扱う必要はない。そこで

$$ A(0,0),\quad B(1,0),\quad C(0,1) $$

とおいて計算する。このとき三角形 $ABC$ の面積は

$$ S=\frac12 $$

である。

点 $P,Q,R$ の座標を求め,三角形 $PQR$ の面積を行列式で表せばよい。

解法1

点 $P$ は辺 $AB$ を $a:1-a$ に内分するから

$$ P=(a,0) $$

である。

点 $Q$ は辺 $BC$ を $b:1-b$ に内分するから

$$ Q=(1-b,b) $$

である。

また,$R$ は辺 $CA$ の中点であるから

$$ R=\left(0,\frac12\right) $$

である。

(1)

$ \dfrac{T}{S}$ を $a,b$ で表す。

三角形 $PQR$ の面積 $T$ は

$$ T=\frac12\left|\det \begin{pmatrix} 1-a-b & -a\ b & \frac12 \end{pmatrix} \right| $$

である。ここで

$$ \det \begin{pmatrix} 1-a-b & -a\ b & \frac12 \end{pmatrix} =\frac{1-a-b}{2}+ab =\frac{1-a-b+2ab}{2} $$

より,

$$ T=\frac12\cdot \frac{1-a-b+2ab}{2} =\frac{1-a-b+2ab}{4} $$

となる。したがって

$$ \frac{T}{S} =\frac{\frac{1-a-b+2ab}{4}}{\frac12} =\frac{1-a-b+2ab}{2}. $$

(2)

$0<a<\dfrac12,\ 0<b<\dfrac12$ のとき,$ \dfrac{T}{S}$ の範囲を求める。

(1) の結果を変形すると

$$ \frac{T}{S} =\frac{1-a-b+2ab}{2} =\frac14+\left(\frac12-a\right)\left(\frac12-b\right) $$

である。

ここで

$$ 0<a<\frac12,\quad 0<b<\frac12 $$

より

$$ 0<\frac12-a<\frac12,\quad 0<\frac12-b<\frac12 $$

であるから,

$$ 0<\left(\frac12-a\right)\left(\frac12-b\right)<\frac14 $$

となる。よって

$$ \frac14<\frac{T}{S}<\frac12 $$

である。

(3)

$a=\dfrac1p,\ b=\dfrac1q$ とし,$ \dfrac{S}{T}$ が整数となるような $(p,q)$ を求める。

(1) の式に代入すると

$$ \frac{T}{S} =\frac{1-\frac1p-\frac1q+\frac{2}{pq}}{2} =\frac{pq-p-q+2}{2pq} $$

であるから,

$$ \frac{S}{T} =\frac{2pq}{pq-p-q+2} $$

となる。

ここで

$$ d=pq-p-q+2 $$

とおくと,$d$ は $2pq$ を割る。また

$$ 2pq-2d=2p+2q-4 $$

であるから,$d$ は $2p+2q-4$ も割る。

まず $p=3$ の場合を考える。このとき

$$ d=2q-1 $$

であり,しかも $d\mid (2q+2)$ である。したがって

$$ d\mid \bigl((2q+2)-(2q-1)\bigr)=3 $$

となるが,$q\ge3$ だから $d=2q-1\ge5$ であり不可能である。よって $p\ne3$ である。同様に $q\ne3$ である。

したがって

$$ p\ge4,\quad q\ge4 $$

である。このとき $d$ は正の整数 $2p+2q-4$ を割るので

$$ d\le 2p+2q-4 $$

が必要である。すなわち

$$ pq-p-q+2\le 2p+2q-4 $$

であり,整理すると

$$ pq-3p-3q+6\le0 $$

さらに

$$ (p-3)(q-3)\le3 $$

を得る。

ここで対称性より $p\le q$ としてよい。すると候補は

$$ (4,4),(4,5),(4,6),(4,7),(5,5),(5,6) $$

のみである。これらについて

$$ \frac{S}{T}=\frac{2pq}{pq-p-q+2} $$

を調べると,

$$ \begin{aligned} (4,4)&:\ \frac{S}{T}=\frac{32}{10}=\frac{16}{5},\\ (4,5)&:\ \frac{S}{T}=\frac{40}{14}=\frac{20}{7},\\ (4,6)&:\ \frac{S}{T}=\frac{48}{16}=3,\\ (4,7)&:\ \frac{S}{T}=\frac{56}{19},\\ (5,5)&:\ \frac{S}{T}=\frac{50}{17},\\ (5,6)&:\ \frac{S}{T}=\frac{60}{21}=\frac{20}{7} \end{aligned} $$

となる。整数になるのは $(4,6)$ のみである。対称性より $(6,4)$ も解である。

したがって求める組は

$$ (p,q)=(4,6),\ (6,4) $$

である。

解説

この問題の要点は,面積比が図形の具体的な形によらないことを利用して座標を置くことである。$A(0,0),B(1,0),C(0,1)$ とおけば,内分点・中点の座標がすぐに書け,面積は行列式で一度に処理できる。

(2) では

$$ \frac{T}{S} =\frac14+\left(\frac12-a\right)\left(\frac12-b\right) $$

と変形するのが本質である。範囲問題では,積の形に直して符号と上下界を見るのが典型である。

(3) では整数条件をそのまま追うと煩雑になりやすいが,分母 $d=pq-p-q+2$ が $2pq$ を割るなら,差をとって $2p+2q-4$ も割ることに気づくと候補が急激に絞られる。

答え

$$ \text{(1) }\frac{T}{S}=\frac{1-a-b+2ab}{2} $$

$$ \text{(2) }\frac14<\frac{T}{S}<\frac12 $$

$$ \text{(3) }(p,q)=(4,6),\ (6,4) $$

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