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大阪大学 1967年 理系 第5問 解説

数学C/式と曲線数学2/微分法数学2/図形と式テーマ/接線・法線テーマ/最大・最小
大阪大学 1967年 理系 第5問 解説

方針・初手

直線 $l$ は $x$ 軸に平行であるため、$y = k$($k$ は実数)とおくことができます。 まず、この直線と双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ の交点 $P, Q$ の座標を求めます。 次に、$P, Q$ における接線の方程式を立ててその交点を求め、三角形の底辺と高さを $k$ の式で表して面積 $S(k)$ を導出します。 最後に、導かれた1変数関数 $S(k)$ の最小値を微分を用いて求めます。

解法1

直線 $l$ の方程式を $y=k$ とする。 双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ と $l$ の交点 $P, Q$ の座標は、$y=k$ を代入して $$ x^2 - k^2 = 1 \iff x^2 = k^2 + 1 $$ $k^2 + 1 > 0$ より $x = \pm \sqrt{k^2+1}$ となるため、交点は常に2つ存在する。 $P(\sqrt{k^2+1}, k)$、$Q(-\sqrt{k^2+1}, k)$ とおく。

点 $P$ における双曲線の接線 $l_1$ の方程式は $$ \sqrt{k^2+1}x - ky = 1 $$ 点 $Q$ における双曲線の接線 $l_2$ の方程式は $$ -\sqrt{k^2+1}x - ky = 1 $$

2つの接線 $l_1, l_2$ と直線 $l$ が三角形を囲むための条件を考える。 $k=0$ のとき、$P(1, 0), Q(-1, 0)$ となり、接線はそれぞれ $x=1, x=-1$ となる。 これらは互いに平行であり交わらないため、三角形を形成しない。 したがって、$k \neq 0$ である。

$l_1$ と $l_2$ の交点 $R$ を求める。 2式の辺々を加えると $$ -2ky = 2 \iff y = -\frac{1}{k} $$ これを $l_1$ の式に代入すると $$ \sqrt{k^2+1}x - k\left(-\frac{1}{k}\right) = 1 \iff \sqrt{k^2+1}x = 0 \iff x = 0 $$ よって、交点 $R$ の座標は $\left(0, -\frac{1}{k}\right)$ である。

問題の「接線と $l$ が囲む3角形」は、頂点が $P, Q, R$ の $\triangle PQR$ である。 線分 $PQ$ を底辺とみると、その長さは $$ PQ = 2\sqrt{k^2+1} $$ 高さ $h$ は、点 $R$ と直線 $l: y=k$ の距離なので $$ h = \left| k - \left(-\frac{1}{k}\right) \right| = \left| \frac{k^2+1}{k} \right| = \frac{k^2+1}{|k|} $$ したがって、$\triangle PQR$ の面積 $S$ は $$ S = \frac{1}{2} \cdot PQ \cdot h = \frac{1}{2} \cdot 2\sqrt{k^2+1} \cdot \frac{k^2+1}{|k|} = \frac{(k^2+1)^{\frac{3}{2}}}{|k|} $$

$S$ は $k$ について偶関数であるから、$k > 0$ の場合について最小値を考えれば十分である。 $k > 0$ のとき $|k| = k$ より $$ S(k) = \frac{(k^2+1)^{\frac{3}{2}}}{k} $$ $S(k)$ を $k$ で微分すると $$ \begin{aligned} S'(k) &= \frac{\frac{3}{2}(k^2+1)^{\frac{1}{2}} \cdot 2k \cdot k - (k^2+1)^{\frac{3}{2}} \cdot 1}{k^2} \\ &= \frac{(k^2+1)^{\frac{1}{2}} \left\{ 3k^2 - (k^2+1) \right\}}{k^2} \\ &= \frac{(k^2+1)^{\frac{1}{2}} (2k^2 - 1)}{k^2} \end{aligned} $$ $k > 0$ において $S'(k) = 0$ となるのは $2k^2 - 1 = 0$ より $k = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のときである。 $k > 0$ における増減表は以下のようになる。

$k$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{2}}$ $\cdots$
$S'(k)$ $-$ $0$ $+$
$S(k)$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、$S(k)$ は $k = \frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき最小となる。 このとき、$k^2 = \frac{1}{2}$ であるから、最小値は $$ S\left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) = \frac{\left(\frac{1}{2}+1\right)^{\frac{3}{2}}}{\frac{1}{\sqrt{2}}} = \sqrt{2} \left(\frac{3}{2}\right)^{\frac{3}{2}} = \sqrt{2} \cdot \frac{3\sqrt{3}}{2\sqrt{2}} = \frac{3\sqrt{3}}{2} $$

偶関数であることから、$k < 0$ の範囲を含めても、最小値は $\frac{3\sqrt{3}}{2}$ である。

解法2

解法1と同様に、面積の関数を $$ S(k) = \frac{(k^2+1)^{\frac{3}{2}}}{|k|} $$ と導出する。 ここで $S(k) > 0$ であるため、$S(k)$ が最小となることと、その2乗 $S(k)^2$ が最小となることは同値である。 $$ S(k)^2 = \frac{(k^2+1)^3}{k^2} $$ $t = k^2$ とおくと、$k \neq 0$ より $t > 0$ である。 $$ f(t) = \frac{(t+1)^3}{t} = \frac{t^3 + 3t^2 + 3t + 1}{t} = t^2 + 3t + 3 + \frac{1}{t} $$ $t > 0$ における $f(t)$ の増減を調べる。 $$ f'(t) = 2t + 3 - \frac{1}{t^2} = \frac{2t^3 + 3t^2 - 1}{t^2} $$ 分子の多項式を $P(t) = 2t^3 + 3t^2 - 1$ とおくと、$P(-1) = -2 + 3 - 1 = 0$ であるから、因数定理より $P(t)$ は $t+1$ を因数にもつ。 組立除法などにより因数分解すると $$ P(t) = (t+1)(2t^2 + t - 1) = (t+1)^2(2t - 1) $$ したがって $$ f'(t) = \frac{(t+1)^2(2t - 1)}{t^2} $$ $t > 0$ において、$f'(t) = 0$ となるのは $t = \frac{1}{2}$ のときのみである。 また、$t > 0$ の範囲で $(t+1)^2 > 0$ および $t^2 > 0$ であるから、$f'(t)$ の符号は $2t - 1$ の符号と一致する。 よって、$0 < t < \frac{1}{2}$ で $f'(t) < 0$、$t > \frac{1}{2}$ で $f'(t) > 0$ となり、$f(t)$ は $t = \frac{1}{2}$ で極小かつ最小となる。

最小値は $$ f\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{\left(\frac{1}{2}+1\right)^3}{\frac{1}{2}} = 2 \cdot \left(\frac{3}{2}\right)^3 = 2 \cdot \frac{27}{8} = \frac{27}{4} $$ $S(k) > 0$ より、求める面積の最小値は $$ \sqrt{\frac{27}{4}} = \frac{3\sqrt{3}}{2} $$

解説

双曲線上の点における接線の方程式を用いて、三角形の頂点の座標を導出し、面積をパラメータの関数として表す標準的な微分の問題です。 ポイントは以下の点です。

答え

$$ \frac{3\sqrt{3}}{2} $$

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