東京工業大学 1970年 理系 第1問 解説

方針・初手
(1) 与えられた式は $\alpha$ と $t$ の2変数関数である。特定の文字について整理し、平方完成などを利用して不等式評価を行う。
(2) $x$ は (1) の式において $\alpha=p$ としたものに等しく、$y$ も平方完成することでそれぞれの最小値がわかる。これらと円の方程式 $x^2+y^2=4$ を組み合わせる。
解法1
(1)
与えられた式を $A$ とおく。$A$ を $\alpha$ について整理すると、
$$ A = (t^2+1)\alpha^2 + t^2 - 4t + 5 $$
さらに $t$ の部分を平方完成すると、
$$ A = (t^2+1)\alpha^2 + (t-2)^2 + 1 $$
$\alpha, t$ は実数であるから、$\alpha^2 \geqq 0$, $(t-2)^2 \geqq 0$ であり、$t^2+1 > 0$ である。 したがって、
$$ A \geqq 1 $$
等号が成立するのは、$\alpha=0$ かつ $t-2=0$、すなわち $\alpha=0, t=2$ のときである。 よって、最小値は $1$ である。
(2)
$x$ を $p$ について整理し、$t$ について平方完成すると、(1) と同様に
$$ x = (t^2+1)p^2 + (t-2)^2 + 1 $$
となるため、$x \geqq 1$ である。等号は $p=0$ かつ $t=2$ のとき成立する。
また、$y$ について平方完成すると、
$$ y = (t-q)^2 + \sqrt{3} $$
となるため、$y \geqq \sqrt{3}$ である。等号は $t=q$ のとき成立する。
$x \geqq 1 > 0$, $y \geqq \sqrt{3} > 0$ であるから、それぞれの両辺を2乗すると
$$ x^2 \geqq 1, \quad y^2 \geqq 3 $$
辺々を加えると、
$$ x^2 + y^2 \geqq 4 $$
点 $P(x,y)$ は原点を中心とする半径 $2$ の円周上にあるため、
$$ x^2 + y^2 = 4 $$
を満たす。したがって、先の不等式で等号が成立しなければならない。 等号成立条件は、$x^2 = 1$ かつ $y^2 = 3$ であり、$x \geqq 1, y \geqq \sqrt{3}$ より $x=1$ かつ $y=\sqrt{3}$ である。
$x=1$ となるのは $p=0$ かつ $t=2$ のときである。 このとき「ある実数 $t$ に対して」条件を満たすためには、少なくとも $t=2$ のときに $y=\sqrt{3}$ が成り立たなければならない。
$t=2$ を $y = (t-q)^2 + \sqrt{3}$ に代入すると、
$$ y = (2-q)^2 + \sqrt{3} $$
これが $\sqrt{3}$ と等しくなるため、
$$ (2-q)^2 = 0 $$
よって、$q=2$ である。 以上より、$p=0, q=2$ を得る。
解説
2変数の最小値問題においては、「1文字を定数と見て平方完成する」方法や、「独立した2乗の和を作り出す」方法が有効である。本問では (1) が (2) のための強力な誘導となっており、$x$ と $y$ それぞれのとり得る値の範囲を評価することで、方程式 $x^2+y^2=4$ を満たす $(x, y)$ の組が一意に定まることに気づけるかがポイントである。
答え
(1) $1$
(2) $p=0, q=2$
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