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東京工業大学 1999年 理系 第2問 解説

数学1/立体図形数学2/三角関数数学3/微分法数学3/極限テーマ/面積・体積
東京工業大学 1999年 理系 第2問 解説

方針・初手

正 $n$ 角錐の高さを変数として設定し、底面積および体積をその変数を用いて表す。体積が最大となる条件を、1変数の微分の問題として処理する。

解法1

(1)

正 $n$ 角錐の頂点 $O$ から、底面である正 $n$ 角形 $A_1 A_2 \cdots A_n$ を含む平面に下ろした垂線の足を $H$ とする。 正 $n$ 角錐の対称性より、$H$ は正 $n$ 角形の外接円の中心と一致する。

$OH = x$ ($0 < x < 1$) とおく。 直角三角形 $OHA_k$ ($k=1, 2, \dots, n$) において、三平方の定理より

$$ HA_k = \sqrt{OA_k^2 - OH^2} = \sqrt{1 - x^2} $$

である。これが底面の正 $n$ 角形の外接円の半径となる。

底面の正 $n$ 角形は、$H$ を頂点とし $A_k A_{k+1}$ を底辺とする $n$ 個の合同な二等辺三角形に分割できる。 二等辺三角形 $HA_1A_2$ の面積は、

$$ \frac{1}{2} \cdot HA_1 \cdot HA_2 \sin \frac{2\pi}{n} = \frac{1}{2} \left( \sqrt{1 - x^2} \right)^2 \sin \frac{2\pi}{n} = \frac{1}{2}(1 - x^2)\sin \frac{2\pi}{n} $$

となるため、正 $n$ 角形の面積 $S$ は

$$ S = \frac{n}{2}(1 - x^2)\sin \frac{2\pi}{n} $$

と表せる。

したがって、この正 $n$ 角錐の体積 $V(x)$ は

$$ V(x) = \frac{1}{3} S \cdot OH = \frac{n}{6} (1 - x^2) x \sin \frac{2\pi}{n} = \frac{n}{6} (x - x^3) \sin \frac{2\pi}{n} $$

となる。

ここで、$f(x) = x - x^3$ ($0 < x < 1$) とおいて、$f(x)$ の増減を調べる。

$$ f'(x) = 1 - 3x^2 = (1 - \sqrt{3}x)(1 + \sqrt{3}x) $$

であり、$0 < x < 1$ の範囲で $f'(x) = 0$ となるのは $x = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のときである。

$0 < x < \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき $f'(x) > 0$ であり、$f(x)$ は単調に増加する。 $\frac{1}{\sqrt{3}} < x < 1$ のとき $f'(x) < 0$ であり、$f(x)$ は単調に減少する。 よって、$f(x)$ は $x = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき極大かつ最大となる。

このときの $f(x)$ の最大値は

$$ f\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right) = \frac{1}{\sqrt{3}} - \left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right)^3 = \frac{1}{\sqrt{3}} - \frac{1}{3\sqrt{3}} = \frac{2}{3\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{9} $$

である。

したがって、最大体積 $V_n$ は

$$ V_n = \frac{n}{6} \cdot \frac{2\sqrt{3}}{9} \sin \frac{2\pi}{n} = \frac{\sqrt{3}n}{27} \sin \frac{2\pi}{n} $$

となる。

(2)

(1) の結果より

$$ V_n = \frac{\sqrt{3}n}{27} \sin \frac{2\pi}{n} $$

である。ここで $\theta = \frac{2\pi}{n}$ とおくと、$n \to \infty$ のとき $\theta \to +0$ であり、$n = \frac{2\pi}{\theta}$ となる。

これを用いて極限を計算すると、

$$ \lim_{n \to \infty} V_n = \lim_{\theta \to +0} \left( \frac{\sqrt{3}}{27} \cdot \frac{2\pi}{\theta} \sin \theta \right) = \lim_{\theta \to +0} \frac{2\sqrt{3}\pi}{27} \cdot \frac{\sin \theta}{\theta} $$

となる。

$\lim_{\theta \to 0} \frac{\sin \theta}{\theta} = 1$ であるから、

$$ \lim_{n \to \infty} V_n = \frac{2\sqrt{3}\pi}{27} \cdot 1 = \frac{2\sqrt{3}\pi}{27} $$

と求まる。

解説

(1) は空間図形の計量における典型的な最大値問題である。高さを変数にとるか、底面の外接円の半径を変数にとるか、あるいは底面と側稜のなす角を変数にとるかで立式が変わるが、高さを変数とするのが計算上最も簡明である。

(2) は $\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$ を利用する基本的な極限計算である。置き換えを利用して標準的な形に帰着させるとよい。 なお、$n \to \infty$ のとき、最大体積をもつ底面の正 $n$ 角形は半径 $\sqrt{1 - \left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right)^2} = \frac{\sqrt{6}}{3}$ の円に近づく。したがって極限の図形は底面の半径 $\frac{\sqrt{6}}{3}$、高さ $\frac{\sqrt{3}}{3}$ の円錐となり、その体積を直接計算して $\frac{1}{3} \cdot \pi \left(\frac{\sqrt{6}}{3}\right)^2 \cdot \frac{\sqrt{3}}{3} = \frac{2\sqrt{3}\pi}{27}$ と一致することを確認できる。

答え

(1)

$$ V_n = \frac{\sqrt{3}n}{27} \sin \frac{2\pi}{n} $$

(2)

$$ \lim_{n \to \infty} V_n = \frac{2\sqrt{3}\pi}{27} $$

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